AI歌声合成とは?VOCALOID以外の種類

AI歌声合成とは?VOCALOID以外の種類

※記事内で紹介している商品の価格・在庫状況は変動します。最新の情報は各リンク先(Amazon・楽天市場)でご確認ください。


「ボカロ曲」としてまとめられている中に、実はVOCALOIDを使っていない曲がかなりの数まじっています。Synthesizer V、CeVIO AI、UTAU、NEUTRINO——名前は聞いたことがあっても、何がどう違うのかまでは説明しづらい、という方は多いのではないでしょうか。

歌ってみたを投稿する側にとっては、この違いは「詳しい人が知っていればいい知識」ではありません。概要欄に何を書くか、オフボーカル音源をどう探すか、キャラクターの名前を動画に出していいのか——判断が必要な場面で、前提として効いてきます。

この記事では、VOCALOID以外も含めた歌声合成の種類を整理し、歌い手側から見て何が変わるのかをまとめます。製品情報は2026年9月時点で各社の公式サイトに記載を確認できたものだけを載せています。権利や規約については断定せず、どこを見ればよいかの案内にとどめます。

結論:主な歌声合成ソフトの早見表

「歌声合成」とは、人の声を収録したデータをもとに、打ち込んだメロディと歌詞を歌わせる技術の総称です。VOCALOIDはそのうちのひとつの製品名であって、技術全体の名前ではありません。

名称提供・販売入手のしかた補足
VOCALOID6ヤマハ有償(買い切り)歌わせる声(ボイスバンク)は別売
Synthesizer V Studio 2 ProDreamtonics有償(買い切り)歌声データベースは基本的に別売
CeVIO AICeVIO公式サイト有償ソングエディタとソングボイスの両方が必要
UTAU公式サポートページで配布ダウンロードは無償(支払いは任意)Windows専用
NEUTRINOSTUDIO NEUTRINO無償(音楽制作の範囲)歌声ライブラリも無償で配布
VOICEVOXVOICEVOX公式サイト無償読み上げが主だが歌う機能もある

※いずれも2026年9月時点で各公式サイトに記載を確認した内容です。価格・仕様は変更される場合があるため、購入前には必ず公式サイトをご確認ください。

「ボカロ」と「歌声合成」は同じ意味ではない

日常会話では、合成音声が歌っている曲をまとめて「ボカロ曲」と呼びます。この呼び方自体が間違いというわけではありませんが、VOCALOIDはヤマハの製品名(登録商標)であり、他社のソフトを指す言葉ではありません。

近年はこの前提が実際に効いてくる場面が増えました。たとえば重音テトは、もともとUTAU用の音源として無償配布されてきたキャラクターで、VOCALOID製品ではありません。2026年の新作ボカロ曲で取り上げた曲の中にも、VOCALOID以外の音源で作られたものが含まれています。

用語の整理としては、「歌声合成」が技術全体の呼び名、「VOCALOID」「Synthesizer V」「CeVIO AI」などが個別の製品名、と覚えておけば十分です。関連する用語は歌ってみた・歌い手の用語辞典にもまとめています。

主な種類と、それぞれの立ち位置

VOCALOID(ヤマハ)

初音ミクの登場以降、歌声合成の代名詞として広く知られてきた製品です。現行のPC向けエディタはVOCALOID6で、公式サイトには27,500円(税込)と記載されています。歌わせる声にあたるボイスバンクは別売です。iOS向けには月額制のMobile VOCALOID Editorも用意されています。

Synthesizer V(Dreamtonics)

現行のフラッグシップはSynthesizer V Studio 2 Proで、公式ストアには13,200円(一括購入)と記載があります。公式FAQでは月額のサブスクリプションではないと明記されています。歌声データベースは基本的に別売で、AHSやINTERNETなど複数の会社が音源を供給しています。前述の重音テトも、AHSからSynthesizer V用の製品が販売されています。

CeVIO AI

歌用の「ソングエディタ」と話し声用の「トークエディタ」が分かれており、歌わせるにはソングエディタとソングボイスの両方が必要と公式に明記されています。KAMITSUBAKI STUDIOが手がける「音楽的同位体」シリーズの可不(KAFU)は、このCeVIO AI用のソングボイスとして2021年に発売されたものです。

UTAU / OpenUTAU

個人が自分の声を録音して音源を作り、配布できる仕組みを持つソフトです。公式サポートページでは最新版としてv0.4.19(2024年5月公開)が案内されており、Windows専用。ダウンロード後の支払いは義務ではなく任意である旨が公式に書かれています。無償で配布されている音源が多いため、学生や初心者の入口になりやすい系統です。

NEUTRINO

公式サイト(STUDIO NEUTRINO)には、一般的な音楽制作の範囲であれば無料でダウンロード・利用できると記載されています。歌声ライブラリについても、2025年5月時点ですべて無料で利用できる旨が公式に案内されています。

VOICEVOX

読み上げソフトとして知られていますが、公式サイトでは「無料のテキスト読み上げ・歌声合成ソフトウェア」と紹介されており、歌わせる機能(ソング/ハミング)も備えています。商用・非商用を問わず無料とされていますが、キャラクターごとに個別の利用規約が用意されています。

歌ってみたを投稿する人にとって何が変わるのか

1. 曲そのものの権利は、音源の種類では変わらない

カバーする側から見ると、作詞作曲した人がいる楽曲であるという点はどのソフトでも同じです。VOCALOIDで作られた曲だから厳しい、UTAUだから緩い、といった区別はありません。投稿先の許諾状況や、動画で使える範囲についての基本は歌ってみたと著作権まとめで整理しています。

2. オフボーカル音源の探し方も同じ

伴奏を手に入れる方法も、使われているソフトによって変わるわけではありません。作者本人がオフボーカルを配布しているかどうかがすべてで、配布の有無は音源の種類とは無関係です。探し方の手順はオフボーカル(カラオケ)音源の探し方と使い方にまとめています。

3. 概要欄の書き方は、少しだけ変わる

変わるのはここです。「本家:〇〇様(VOCALOID)」のように書いてしまうと、実際にはVOCALOIDを使っていない曲で事実と食い違います。安全なのは、ソフト名を書かず、楽曲名と作者名を正確に書くこと。ソフト名や音源名まで触れたい場合は、本家の動画や配信ページに書かれている表記をそのまま使うのが確実です。書き方のテンプレートは歌ってみたの概要欄の書き方にあります。

4. キャラクターの名前・イラストを使うときは、提供元の案内を見る

サムネイルにキャラクターのイラストを載せたい、動画タイトルにキャラクター名を入れたい、という場面では、楽曲の権利とは別の判断が必要になります。各社・各プロジェクトは、二次創作やキャラクター利用についての案内ページを用意しています(ヤマハ、Dreamtonics、CeVIO、音楽的同位体、重音テト、NEUTRINO、VOICEVOXいずれも公式に案内ページがあります)。内容は提供元ごとに異なり、更新もされるため、この記事では要約せず、使いたい音源の公式ページで直接確認することをおすすめします。

「AI歌声合成」と「AIカバー(声の変換)」は別のもの

混同されやすいのですが、この記事で扱ってきたのは打ち込んだメロディと歌詞をソフトに歌わせる技術です。一方、すでにある歌の音声を別の人の声に変換する、いわゆるAIカバー・AI歌声変換は、出発点も論点も違います。

前者は「どのソフトの、どの音源を使うか」を自分で選ぶ話ですが、後者は「誰の声を再現しているのか」という別の問題を含みます。この違いについてはAIカバー・AI歌声変換はどこまでOK?で詳しく扱っています。

歌い手が自分で触るとしたら、どこから始めるか

「曲を作るわけではないから関係ない」と思われがちですが、歌ってみたの制作でも役に立つ場面があります。たとえば、本家にハモリがない曲で自分がハモリを重ねたいとき、合成音声にメロディを歌わせて先に鳴らしてみると、音程の確認が耳だけでやるより早く済みます。キーを変えたときの雰囲気を確かめるのにも使えます。

始めるなら、無償で配布されているものから触るのが無難です。まず1曲ぶんの短いフレーズを打ち込んでみて、自分の作業に組み込めそうか判断する——という程度で十分で、本格的に使いこなす必要はありません。ここで作ったデータは、あくまで自分用の確認素材として扱ってください。公開する場合は、使った音源の提供元が案内している範囲を必ず確認しましょう。

逆に、歌うことに集中したいのであれば、この工程は飛ばしてしまってかまいません。歌ってみたの完成度は、合成音声を扱えるかどうかでは決まらないからです。あくまで「確認を早くする道具のひとつ」として、必要になったときに思い出せば十分です。

まとめ

歌声合成にはVOCALOID以外にも複数の系統があり、有償のものもあれば、UTAUやNEUTRINO、VOICEVOXのように無償で試せるものもあります。歌ってみた側にとって実際に変わるのは、主に概要欄の書き方とキャラクター利用の確認先の2点です。

逆に言えば、楽曲の扱いやオフボーカルの探し方といった基本は、どのソフトで作られた曲でも同じです。まずは本家の表記をそのまま写すところから始めて、キャラクターに関わる部分だけ提供元の案内を見に行く——この順番で確認すれば、大きく外すことはありません。



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