動画が完成した当日に「投稿しました!」と1回ツイートして、それで告知を終わりにしていないでしょうか。結論から書くと、告知は投稿当日の1回ではなく、7日前から投稿後1週間までの「幅」で設計したほうが、動画が人の目に触れる回数は増えやすくなります。タイムラインは流れが速く、1回の投稿はフォロワーのごく一部にしか表示されないためです。
とはいえ、毎日「投稿します」と繰り返せばいいわけでもありません。同じ文面を連投すれば、見ている側はうんざりします。必要なのは回数ではなく、時期ごとに役割の違う投稿を置くことです。予告の段階で出すもの、当日に出すもの、投稿後に出すものは、それぞれ目的が違います。
この記事では、投稿日を中心にした前後1週間のスケジュールと、それぞれの段階で何を書くかを具体的にまとめます。X(旧Twitter)を前提に書きますが、考え方は他のSNSでも同じように使えます。
告知は「当日1回」では足りない
まず全体像を置きます。投稿日を0日目として、次のように役割を分けます。
| タイミング | 出すもの | 目的 |
| 7日前 | 予告(曲名は伏せてもよい) | 「何か来る」と覚えてもらう |
| 2〜3日前 | 曲名の発表、静止画やジャケット | 興味のある人を絞り込む |
| 前日 | 日時の確定告知 | 予定に入れてもらう |
| 当日(投稿直後) | 本告知+リンク、固定ポストに設定 | 実際に見てもらう |
| 翌日〜3日後 | 感想への反応、別の切り口で再告知 | 見逃した人に届ける |
| 1週間後 | 反応の紹介、次の予告につなぐ | 1本で終わらせない |
ポイントは、同じ情報を6回出すのではなく、毎回違う切り口で出すことです。予告のときは曲名を伏せて雰囲気だけ、当日はリンクと聴きどころ、3日後は「ここのコーラスを重ねました」といった制作の話。こうすると、同じ動画の話をしていても投稿の中身が毎回変わります。
なお投稿時刻そのものをどう選ぶかは別の論点です。視聴者がいる時間帯の考え方は投稿時間と再生数の関係にまとめてあるので、告知の設計と合わせて決めてください。
投稿7日前〜3日前|予告だけを、軽く出す
1週間前の段階でやることは多くありません。「次の投稿が近い」ということだけ伝われば十分です。
この時期に長文の説明を書く必要はなく、「今週末に1本出します」程度で構いません。むしろ情報を出し切らないほうが、後の投稿で出せる材料が残ります。曲名を伏せて「久しぶりにバラードを録りました」と雰囲気だけ伝える、録音中の機材や作業画面を1枚出す、といった軽いものが向いています。
2〜3日前になったら、曲名を出します。ここで初めて「誰に向けた投稿か」がはっきりするので、その曲を知っている人の目に留まる言葉を入れてください。曲名とアーティスト名は略さず正式な表記で書きます。検索でたどり着く人がいるためです。タイトルの付け方の考え方は再生数が伸びるタイトルの付け方と共通しているので、そちらも合わせて読むと文面が作りやすくなります。
予告を出すこと自体に、もうひとつ効果があります。自分に締切ができることです。「今週末に出します」と書いてしまえば、動画の仕上げを後回しにしにくくなります。制作が止まりがちな人ほど、完成の一歩手前で予告を出しておくと進みやすくなります。ただしこれは、あと少しで終わる状態になってから使う手で、録音すら始めていない段階で日付を出すのは逆効果です。
この段階で避けたいのは、公開日を何度もずらすことです。予告してから延期が続くと、次に予告を見たときの受け取られ方が変わります。日付を出すのは、動画が完成してからにするのが確実です。
前日〜当日|文面に入れる4要素と、入れない情報
本告知の文面に必ず入れたい要素は4つです。
| 要素 | 書き方 |
| 曲名とアーティスト名 | 正式表記で。「◯◯ / △△」の形が読まれやすい |
| 誰が歌ったか | 自分の名前。初見の人はアイコンを見ていない |
| 聴きどころ | 1行だけ。「落ちサビを一発録りにしました」など |
| リンク | 動画URL。1ポストに1本まで |
逆に、入れないほうがいい情報もあります。制作の苦労話を長く書く、謝罪から入る(「拙いですが」など)、関係のない近況を混ぜる、URLを複数貼る——これらは伝えたい情報をぼやけさせます。長い話は投稿後のリプライ欄や、別日の投稿に回してください。
もうひとつ重要な点があります。歌ってみたの音源そのものを、Xに直接アップするのは避けてください。JASRACが利用許諾契約を結んでいるUGCサービスの一覧には、YouTube・ニコニコ動画・TikTok・Instagramなどが掲載されていますが、Xはこの一覧に載っていません。Xでは、動画を置いたサービスへのリンクを貼る形にするのが無難です。X運用全体の考え方は歌い手のX運用術にまとめています。権利の扱いは変わることがあるので、最終的には利用する各サービスの規約と公式の案内を確認してください。
投稿直後|固定ポスト・リプ欄・引用の使い分け
動画を公開したら、本告知を出したうえでそのポストを固定します。プロフィールを見に来た人が最初に目にするのが最新作になるので、ここは毎回必ず入れ替えてください。
本告知のリプライ欄には、長い情報を置きます。使用した音源のクレジット、MIXやイラストを担当してくれた人への謝辞とリンク、ほかの投稿先(ニコニコ動画など)のURL。本文を短く保ったまま、必要な情報を全部届けられるのがこの形の利点です。書く中身は概要欄とほぼ同じなので、概要欄の書き方のテンプレをそのまま流用すると手間が減ります。
引用は、少し時間を置いてから使います。本告知を出した数時間後に、自分のポストを引用して「◯◯の部分、実はこう録っています」と別の角度を足す。こうすると、同じリンクをもう一度タイムラインに乗せながら、内容は重複しません。
一緒に制作した人がいる場合は、公開時刻を事前に共有して、同じ時間帯に告知を出してもらうと届く範囲が広がります。ただしお願いする以上は、自分もその人の投稿のときに同じことをする。ここが一方通行になると、次から協力を得にくくなります。
投稿後3日〜1週間|押し直すタイミング
投稿から数日経つと、タイムライン上ではほぼ流れきっています。ここでもう一度だけ押し直すのが、意外と効く場面です。
やり方は2つあります。1つは、もらった感想への反応です。引用や感想のポストに返信したり、許可を得たうえで引用したりすると、その流れの中で自然にリンクがもう一度出ます。もう1つは、別の切り口で作り直した投稿です。制作の裏側、使った機材、選曲の理由——本告知には入れなかった材料をここで使います。
このとき、「伸びていません」「見てください」と数字を理由にお願いするのは避けたほうが無難です。受け取る側に負担をかける書き方になりやすく、反応も続きにくくなります。あくまで新しい情報を足す形で出してください。
押し直すのは、1本につき多くても2回までにしておきます。3回4回と同じ動画の話が続くと、見ている側には告知の繰り返しとして映りやすくなります。区切りをつけて次の制作に移るほうが、結果としてアカウント全体の動きは良くなります。
1週間経っても反応が薄いときは、告知の量を増やすより先に、動画側に原因がないかを見たほうが早い場合があります。チェックの順番は歌ってみたが伸びない原因と対策にまとめてあります。
ハッシュタグ・画像・切り抜きと、やりすぎない目安
告知ポストに添える素材は、3種類に絞ると管理が楽になります。
ハッシュタグは、曲名タグと「歌ってみた」系のタグを合わせて2〜3個まで。数を増やしても読みにくくなるだけで、本文の印象が薄くなります。企画やイベントに参加している場合は、指定タグを正確に付けること。表記が1文字違うだけで拾われないことがあります。
画像は、動画のサムネイルをそのまま使うのが確実です。タイムライン上では小さく表示されるので、文字が読める大きさかどうかだけ確認してください。文字が端で切れていないかも、投稿前に実際のプレビューで見ておくと安心です。
切り抜きは、置き場所に注意が必要です。サビの数秒を縦型に切り出したものは、TikTokやYouTubeショートに出して、Xではそのリンクを共有する形にします。ショート用の切り出し方はTikTok・YouTubeショートで歌ってみたをバズらせる方法で解説しています。
最後に、うるさくならないための目安です。1本の動画につき、告知そのものの投稿は前後合わせて5〜6回程度に収める。そして、告知以外の普段の投稿がその何倍かある状態を保つ。告知しかしていないアカウントは、フォローしていても見る理由が薄くなります。告知が浮かないのは、普段の投稿が続いているアカウントです。
まずは次の1本から、7日前・前日・当日・3日後の4回だけ決めて動いてみてください。それだけでも、当日1回で終わらせていたときとは届き方が変わってくるはずです。



















