路上ライブを始める前に|許可・場所・カバー曲の著作権の確かめ方

路上ライブを始める前に|許可・場所・カバー曲の著作権の確かめ方

※記事内で紹介している商品の価格・在庫状況は変動します。最新の情報は各リンク先(Amazon・楽天市場)でご確認ください。


歌ってみたや弾き語りに慣れてきて、「人前で歌ってみたい」「路上ライブをやってみたい」と考える人もいると思います。ところが調べ始めると、「許可が必要」「許可はいらない場所もある」「カバー曲は著作権が心配」など、いろいろな情報が出てきて、何を確かめればいいのか分からなくなりがちです。

路上ライブは、演奏する場所が道路なのか、公園なのか、駅前広場や商業施設の敷地なのかで、確かめる相手が変わります。さらに、カバー曲を歌うなら曲の権利、人が集まるなら周りへの配慮も関わってきます。一つひとつは難しくありませんが、順番に確かめないと抜けが出やすいところです。

この記事では、路上ライブを始める前に確かめたいことを、道路使用許可、場所ごとの管理者の決まり、カバー曲の著作権、音量と周りへの配慮、最小限の機材の順に整理します。手続きの内容は警視庁、JASRAC、NexToneなどの公式の案内(2026年10月時点)で確認できた範囲で書いています。許可が出るかどうかや、個別の演奏が手続きの対象になるかの判断は、場所を管轄する警察署や管理者、著作権の管理団体に確認してください。

結論早見表:路上ライブの前に確かめること

確かめること確かめる相手ポイント
道路で演奏してよいか場所を管轄する警察署道路使用許可の対象になりうる。該当するかは警察署が判断するため、事前に相談する
公園・駅前広場・商業施設その場所の管理者(自治体・施設など)場所ごとに決まりが違う。無断で演奏しない
登録制や指定の場所自治体などの公式案内登録した人が決められたルールで演奏できる制度を設けている例もある
カバー曲の演奏JASRAC・NexToneなどの管理団体非営利・無料・無報酬の3つを満たすかで考える。投げ銭や販売がある場合は要確認
音量と人の集まり方自分で決めておく通行の妨げにならない立ち位置と音量。注意を受けたら従う

道路で演奏するなら道路使用許可を確かめる

歩道や駅前の道路など、道路で演奏する場合にまず関わるのが、道路交通法第77条の「道路使用許可」です。道路での工事や露店のほか、一般の交通に大きな影響を与えるような道路の使い方をするときに、場所を管轄する警察署長の許可を受ける仕組みです。

どんな行為が対象になるか

警視庁の道路使用許可の案内(2026年10月時点)では、東京都内で許可の対象になる行為の例として、祭礼やパレード、撮影会などに加えて、次のようなものが挙げられています。

  • 拡声器などによる放送宣伝
  • 道路上で人寄せをする行為
  • 募金、署名活動、物の販売・交付

案内の中に路上での演奏そのものについての記載はありませんが、演奏で人が集まる、スピーカーで音を出す、CDなどを手渡す、といった形は、これらの例と重なる部分があります。対象になる行為は都道府県ごとに定められているため、住んでいる地域の警察の案内もあわせて確かめてください。

申請の前に警察署へ相談する

警視庁の案内では、申請先は道路の場所を管轄する警察署とされ、行事などの申請には、企画の概要が分かるものや現場の案内図、道路の使い方を示した図などが挙げられています。交通への影響が大きいものは事前の協議が必要になる場合があるとして、申請前に警察署へ相談するよう案内されています。

路上ライブが許可の対象になるか、許可が出るかは、場所の人通りや歩道の広さ、演奏の時間、人の集まり方などによって変わると考えられます。「この場所で、この時間に、こういう形で演奏したい」と具体的に伝えて相談すると、必要な手続きを教えてもらいやすくなります。許可が必要な行為を許可なく行うと、道路交通法の罰則の対象になる場合があります。また、看板や台などを道路に置く場合は、警察とは別に道路の管理者の「道路占用許可」が必要になることがあると、同じ案内に書かれています。

公園・駅前・商業施設は管理者ごとに決まりが違う

「道路でなければ自由に演奏できる」というわけではありません。公園や駅前広場、商業施設の前の広場などは、それぞれに管理者がいて、使い方の決まりがあります。

場所ごとに確かめる相手

場所確かめる相手の例
公園公園を管理する自治体や管理事務所。条例や規則で、音を出す行為や物の販売などに決まりがあることが多い
駅前広場広場を管理する自治体や鉄道会社など。場所によって管理者が違う
駅の構内・商業施設の敷地施設の管理者。無断で演奏しない
河川敷・海岸などその場所を管理する国や自治体の窓口

同じ「公園」でも、自治体や公園ごとに決まりが違います。「ほかの人が演奏していたから大丈夫」とは限らないので、演奏したい場所が決まったら、その場所の管理者の案内を見るか、問い合わせて確かめてください。

登録制や指定の場所を設けている自治体もある

自治体によっては、駅前広場などに演奏できる場所を指定し、登録した人が決められたルールのもとで演奏できる制度を設けているところがあります。ある自治体の制度では、大きな音や人だかりへの苦情を受けて、警察と連携して試行していると説明されていて、演奏できる場所や時間帯、登録証の掲示などのルールが決められていました。

こうした制度は、地域ごとに条件や申し込み方法が大きく違い、内容が変わることもあります。この記事では場所の紹介はしません。住んでいる地域や演奏したい地域の自治体の公式ページで、「路上演奏」「ストリートライブ」などの言葉で探してみてください。

カバー曲を歌うときの著作権の考え方

路上ライブでほかの人の曲を歌う場合、曲の「演奏」について著作権の手続きが必要になるかを考えておく必要があります。オリジナル曲だけを歌う場合は、この部分の心配は小さくなります。

非営利・無料・無報酬の3つの条件

著作権法第38条第1項では、営利を目的とせず、聴衆から料金を受け取らず、演奏する人に報酬が支払われない場合は、公表された曲を許諾なく演奏できると定められています。JASRACの案内(2026年10月時点)では、この3つの条件にすべて当てはまる場合は手続きが不要で、1つでも当てはまらない場合は手続きが必要になると説明されています。NexToneの案内でも、同じ3つの条件にすべて当てはまる場合は利用の申請が不要とされています。

  • 営利を目的としない:JASRACの案内では、会社や商店会などが主催するものは、入場料を取らなくても営利目的とみなされることがあるとされています
  • 料金を取らない:JASRACの案内では「名目を問わず」入場料などの対価を取らないことが条件とされています
  • 報酬を受け取らない:出演者に報酬(ギャラ)が支払われないこと

投げ銭・CD販売がある場合は確認する

路上ライブで迷いやすいのが、投げ銭を受け取る場合や、CDやグッズを並べる場合です。JASRACの案内では、観客から募金を受け取るチャリティーコンサートは手続きが必要な例として挙げられています。投げ銭が「名目を問わず受け取る対価」にあたるかどうかは、この記事では判断できません。投げ銭や販売を考えている場合は、演奏する曲を管理している団体に、具体的な形を伝えて確認してください。

曲によって管理している団体が違う点にも注意が必要です。NexToneの案内では、作品データベースで利用する曲がNexToneの管理かを確かめ、表示されない曲はほかの管理事業者の作品の可能性があるため、その権利者から許諾を得るよう書かれています。また、編曲や替え歌、訳詞には別の権利が関わるため、まず音楽出版社などの権利者に許諾を得る必要があると案内されています。

撮影して投稿するのは別の話

演奏の手続きが不要な場合でも、路上ライブを撮影して動画サイトやSNSに投稿するのは、演奏とは別の利用になります。JASRACの案内でも、歌唱・演奏の手続きが不要な場合でも、録音・録画の手続きは別に必要になるという趣旨の説明があります。投稿する場合の考え方は歌ってみたと著作権まとめを参考にしてください。通行する人が映り込むことにも配慮し、顔が分からないように撮る、映り込んだ場面は使わないなどの工夫を考えておくと安心です。

音量と周りへの配慮

許可や手続きが整っていても、周りへの配慮が足りないと、苦情や注意につながり、その場所で演奏を続けにくくなります。始める前に、次のようなことを自分のルールとして決めておくとよいでしょう。

  • 立ち位置:歩道の通行や店の出入り口、点字ブロックの上をふさがない場所を選ぶ
  • 音量:目の前の聴いている人に届く程度を目安にし、遠くまで響かせようとしない
  • 時間帯と長さ:早朝や夜遅くは避け、演奏する時間をあらかじめ決めておく
  • 人の集まり方:人が増えて通行の妨げになりそうなら、曲の合間に声をかけて詰めてもらう、いったん切り上げる
  • 注意を受けたら:警察官や管理者、近くの人から注意を受けたら、その場で演奏をやめて従う
  • 片付け:演奏が終わったら、来たときと同じ状態に戻して帰る

人前で歌うことに慣れていないうちは、いきなり路上に出るより、音楽スタジオや小さなイベントで、人に聴いてもらう経験を積んでおく方法もあります。練習する場所の選び方は歌の練習場所の選び方で比べています。

最小限の機材と持ち物

路上ライブの機材は、1人で持ち運べて、すぐに片付けられる量に収めるのが基本です。指定の場所で演奏できる制度では、使える機材や音量に決まりがあることも多いので、先にルールを確かめてから機材を決めると無駄がありません。

持ち物考え方
楽器弾き語りならギターやキーボードなど。生音で届く範囲で演奏できるなら、アンプなしで始める選択肢もある
小型のアンプ・スピーカーコンセントがない場所が多いため、電池式やバッテリー式が使いやすい。音量は控えめに
マイクとスタンドアンプを使う場合に。ケーブルが通行の邪魔にならないように取り回す
譜面台・歌詞立って見やすい高さにできるもの。風で飛ばないように留める
許可証・登録証など許可や登録が必要な場所では、すぐに見せられるように持っておく
連絡先が分かる案内SNSのアカウントなどを書いた小さな案内。配る場合は、その場所で配布してよいかも確かめる

弾き語りで歌と演奏を両立させるコツは弾き語りの歌い方入門に、本番で歌詞が飛ばないための準備は歌詞の覚え方・暗記のコツにまとめています。

まとめ:場所・曲・周りの3つを順に確かめる

  • 道路で演奏するなら、道路使用許可の対象になりうる。場所を管轄する警察署に事前に相談する
  • 公園・駅前広場・商業施設は、管理者ごとに決まりが違う。無断で演奏しない
  • 登録制や指定の場所を設けている自治体もあるので、公式ページで探してみる
  • カバー曲は、非営利・無料・無報酬の3つを満たすかで考える。投げ銭や販売がある場合は管理団体に確認する
  • 撮影して投稿するのは演奏とは別の利用として、あらためて確かめる
  • 音量・立ち位置・時間を自分のルールとして決め、注意を受けたら従う

路上ライブは、思い立ったその日に始められそうに見えて、実際には確かめることがいくつもあります。手間はかかりますが、確かめてから始めたほうが、同じ場所で長く演奏を続けやすくなります。分からないことは自己判断で進めず、警察署や管理者、管理団体の窓口に聞きながら準備してください。



歌い手部公式ボイトレテキスト
絶対歌唱力トレーニングブック

歌い手部公式のボイストレーニング教本がついに登場!「歌が上手くなりたい!」という人の夢を叶える最初の一歩になるべく、歌で最も大切な「絶対歌唱力」を徹底的に身につけられる内容にしました。期間限定で無料プレゼント中なので、今すぐ手に入れよう!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です