



アニメや歌ってみた、
プロの方の歌を聴いていて
「この人の声イケボだなぁ」と
思ったことはありませんか?
歌い手や声優といった文化が広まることで
声が魅力的でさえあれば
道を切り拓ける時代になりました。
今回は、そんなイケボの出し方について
徹底解説していこうと思います。
イケボとは
イケボとはそもそも何なんでしょうか?
イケボとはイケメンボイスの略称です。
実際イケメンであるかどうかに関係なく
イケている声がイケボであるようです。
男らしい低く渋い声から可愛い高めの声まで
様々なイケボがあるようです。
爽やかな青年の声
アニメの主人公に多い元気な声で、
聴いていてスッと頭に
入ってくるような声が特徴です。
声優でいえば、鬼滅の刃で
お馴染みの竈門炭治郎役の花江夏樹さんや
吾妻善逸役の下野紘さん、
嘴平伊之助役の松岡禎丞さんは
青年の声を担当することが多く、
これまで数々の主人公キャラを演じています。
他にも進撃の巨人の主人公
エレン・イェーガー役の梶裕貴さんも
爽やかな青年の声の代表ですね。
歌い手だとめいちゃんさん、
伊東歌詞太郎さんが
その代表格と言えるでしょう。
この声は、地声の高い低いに関係なく
発声に基礎を固め、鼻腔と口腔を意識すれば
出すことのできる声です。
低音で大人の雰囲気を感じる声
どっしりと構えて何もかも
包み込んでくれるような大人で
かっこいい声になっています。
低音イケボの代表と言えば
テニスの王子様の跡部景吾や
黒子のバスケの青峰大輝を演じている
諏訪部順一さんが声優界で有名ですね
歌手では福山雅治さんが
大人な低音ボイスの持ち主です。
歌い手であれば間違いなく蛇足さん(現川村さん)
で、その魅力的な低音ボイスで
歌い手の一時代を切り開いた人です。
高音で透き通るような声
声優やアーティスト、
俳優業もこなす宮野真守さんが、
きれいな高音の声をしています。
また、鬼滅の刃に登場する猗窩座役の
石田彰さんもその一人と言えるでしょう。
歌手では、EXILEのATSUSHIさんが
高音イケボの代表で、透明感のある高音に
多くの人が魅了されたのではないでしょうか。
高音のイケボは地声が高い人に多いので、
低い声が苦手な人は高音イケボを
練習するとよいでしょう。
歌い手だとまふまふさん、ぐるたみんさんが
この部類に該当します。
イケボの特徴
はっきりとした発音で聞き取りやすい
イケボは、声が聞き取りやすく
何を話しているのか分かりやすいです。
俗に言う通る声です。
真剣に聞こうとしなくても
耳に残るので耳障りがよく、
話の内容も理解しやすいという強みがあります。
声優さんは特にこの「声の聞き取りやすさ」
においてズバ抜けています。
また、聞き取りやすい声は
一語一語がはっきりと発音されているので、
心地よく感じるところもポイントです。
重低音だけど渋すぎない
音楽を聞くときに、目立っている
ボーカルの歌声やピアノ、ギターではなく、
ベースやドラムの音が耳に残る人も
多いのではないでしょうか。
重みのある重低音は印象に残りやすく、
心が揺さぶられる音域であると
言われています。
電話などで重低音の効いた
渋い声を置くと、
ドキッとしてしまいますよね。
そのため、安定感のある
低めのボイスは聞いているだけでも
耳障りがよく、イケボならではの特徴といえます。
ここで言う「低音」「重低音」は
声そのものを低い声で出せば良い
というわけではなく、
倍音成分の中で低音が多い、
という意味なので注意しましょう。
倍音については下記の記事をご連絡ください。
聞いていて気分が落ち着く
疲れている時やストレスを感じている時に、
優しい声色を聞くとホッと安心しますよね。
イケボは、聞いていると
穏やかな気持ちになれるのも特徴です。
内容はつまらなくないのに、
聞いているだけで眠くなってくる。
そんな人はいませんか?
焦りや不安を感じさせない
心に届くような話し方をしてくれるので、
自然と引き込まれてしまいます。
「この人の声なら聞いていたい」
と感じることも多いでしょう。
声に輪郭がある
重低音と言えば
声に輪郭がなくボワッとして
聞き取りにくいイメージが
あるかもしれませんが、
イケボは重低音なのにしっかりと
輪郭があります。
声に輪郭があるからこそ、
相手に言葉にのせた感情が伝わります。
イケボは発音がはっきりしているため、
言葉がしっかり伝わります。
1音ごとの発音がはっきりと
していることが特徴になります。
どれだけ重低音の効いた声でも、
聞き取りにくいと
マイナスイメージを与えてしまいます。
声は、コミュニケーションを
とるためのものなので、
発音がはっきりしていることが
イケボの前提条件です。
色気を感じさせる
イケボは、色気を感じさせる
甘い声色であるところも特徴です。
同じ言葉を話しても、
色気がある声色を使うだけでも
与える印象は異なるもの。
直接顔を見なくても声だけで
ドキッとさせられるのは、
イケボならではの魅力と言えるでしょう。
イケボが人気のワケ
安心感から信頼を与えることができる
何を話しているのか分からない場合や
自信なさげに話している場合は、
同じ内容を伝えようとしても、
なかなか真剣に聞いてもらえません。
しかし、イケボは落ち着いた声色で
自信を持って話しているように聞こえるので
「しっかりと聞こう」「安心して聞ける」と
思わせることができます。
その結果、聞き手が心を開きやすく
信頼してもらえるという効果があります。
集団の中にいても注目を集めやすい
イケボの人は特徴的な
声色であることが多く、
集団の中にいても自然と
目立ってしまいます。
意識していなくても、声が通るからこそ
自然と聞こえてしまう。
そんな強みを持っています。
また、イケボの人は話し方にも
気を遣っていることが多く、
例えば、重要な部分は
相手に伝わりやすいように
いつもより低い声で言ったりなど、
言いたいことを的確に
伝えることができます。
そのため、自分の立場やキャラクターを
引き立たせたいときにも効果的です。
女性をドキッとさせることができる
女性は恋をする時に、
五感を使うと言います。
特に、声は女性を
ドキッとさせるポイントでもあります。
女性と電話をする時にイケボで話すと、
それだけでドキッとしてしまうことも。
甘い言葉をイケボでささやけば
女性の心を近づけられるところも、
イケボならではの効果と言えるでしょう。
イケボの出し方・コツ
男性版
喉仏を下げる
喉仏を下げて喉の空間が広がることで、
低い声が出やすくなります。
これは咽頭腔共鳴により
低い声が共鳴しやすくなるからです。
ただし、声がもともと低い場合は、
特に意識する必要はありません。
低い声が出にくい方は、
寒いときに手を温めるように
「ハァ〜」っと息をあててみてください。
このときは喉仏が下がった状態を保てます。
ただし、力を入れすぎると
苦しそうな声になってしまうため、
適度な力加減を見つけてみましょう。
腹式呼吸で発声
腹式呼吸を用いて、お腹の底から
声を出すような感覚を掴むことで、
より響きのある重低音ボイスを
出せるようになります。
腹式呼吸の感覚がわからない方は、
下記の記事を参考にしてみてください。
胸のあたりを響かせる
低音を響かせるには、
胸のあたりを響かせる必要があります。
この胸に響かせる発声方法を
チェストボイスと呼びます。
胸に手をあてて、
響いているか確認しましょう。
チェストボイスについて詳しくは
下記を参照してみてください。
女性版
男性版の方で指摘した
喉仏、腹式呼吸、チェストボイスに加え、
女性は下記の内容を意識することで
よりイケボを出しやすくなります。
顎を引き、魅力的な低音を出す感覚を掴む
女性の場合、響くような
高い音は出せても、
色気のある低音を使いこなせない人が
多いです。そのため、魅力的な低音を
出す練習をすると効果的です。
低音は、顎を引いた方が
響きやすくなります。
これは顎を引くことで喉仏が下がるからです。
なので、できるだけ顎を引いて発声し、
魅力的な低音ボイスを出す感覚を掴みましょう。
男性特有のトーンと発音を身体で覚える
イケボを使いこなすには、
自分の声の音域を
知っておくことも大切になります。
男性特有のトーンや声色と
照らし合わせ、
今の自分の声色やトーンと
重なる部分や足りない部分を
理解しましょう。
録音したものを帯域(音程の高さ)
ごとに数値的に計測することのできる
イコライザー、アナライザーを使用すると
より明確に把握することができるのでおすすめです。
イコライザー/アナライザー

こうすることで、鍛えなければ
ならない部分が明確になります。
また、全く同じような
音域の声色は出せなくても
近い声色が出せるように
なるかもしれませんので、
トライしてみましょう。
イケボの女性声優のマネてみる
自分のなりたいイケボに近づくには、
マネをしてみるのも一つの方法です。
特に、イケボの女性声優の声は
特徴があるので、練習には最適と言えます。
トーンや声色などを掴みながら
毎日練習することで、理想のイケボに
近づくことができるはずです。
イケボを歌に活かすには?
イケボを歌に活かすには、
もともとイケボな歌手が歌っている曲を
歌うのに向いています。
男性ならイケボの代名詞とも言える
福山雅治さんの楽曲がいいでしょう。
福山雅治 – 桜坂 (Full ver.)
女性なら、低音域でハスキーな音色が
魅力的なAIさんの楽曲がおすすめです。
音域が幅広い上に低音の倍音が多い
Superflyさんの楽曲にも挑戦してみてください。
「イケボ」を作っている4つの要素に分解する
イケボという言葉は印象を表す言い方なので、そのままでは練習に落とし込めません。実際に聴き手がイケボと感じている声は、いくつかの要素の組み合わせでできていると考えると扱いやすくなります。低い声=イケボ、高い声=そうではない、といった単純な区切りはありませんし、どの声質が誰にふさわしいという決まりもありません。自分の声の持ち味がどこにあるかを知って、足りない要素を補うほうが現実的です。
| 要素 | 何が変わるか | いじれる場所 |
|---|---|---|
| 響く場所 | 厚みがあるか、軽やかに抜けるか | 口の中の広さ、喉の空間、鼻へ抜ける量 |
| 息の量 | 甘さ・柔らかさか、芯の強さか | 声帯の閉じ具合、息のスピード |
| 子音の立て方 | 聞き取りやすさ、言葉の輪郭 | 舌と唇の動き、子音を出す長さ |
| 話す速さと間 | 落ち着いて聞こえるか、慌てて聞こえるか | フレーズの区切り方、息継ぎの位置 |
この4つのうち、意外と見落とされがちなのが最後の「速さと間」です。声そのものを変えなくても、語尾まで丁寧に置いて、次の言葉までにわずかな間を作るだけで、落ち着いた印象に寄ることがあります。響きの仕組みそのものを押さえたい方は共鳴腔とは?声が響く仕組みと3つの共鳴腔から入ると、以降の練習が理屈でつながります。
自分の声を録音して判定するチェックリスト
自分の声は骨を伝わって聞こえるため、頭の中で鳴っている声と、他人に届いている声は別物です。イケボを目指すなら、まず録音した自分の声を判定できるようになることが出発点になります。同じ文章を読んだ音声を1つ用意して、次の観点で聴いてみてください。
| 聴くところ | 良い状態のサイン | 気になるときのサイン |
|---|---|---|
| 言葉の輪郭 | ながら聞きでも意味が取れる | 集中しないと聞き取れない、語尾が消える |
| 音の高さの動き | 文の中で自然に上下している | ずっと同じ高さで平坦に聞こえる |
| 息の混ざり方 | 狙った量でコントロールできている | 常に息っぽい、または常に硬い |
| 音量の安定 | 最初から最後まで一定に届く | 文の後半でどんどん小さくなる |
| 雑音の混ざり | 雑音が気にならない | 口の中の音や息の音が耳につく |
ここで課題が「息っぽくて芯がない」に集まるなら声帯閉鎖の感覚・鍛えるためのトレーニング、「こもって聞き取りにくい」に集まるなら口腔共鳴のやり方|舌の位置・軟口蓋・口の開きが対応する練習になります。文の後半で音量が落ちるなら、声質ではなく息の配分の問題であることが多いです。
マイクを通すと印象が変わる——宅録での注意点
歌ってみたや配信で声を届ける場合、生の声のままではなくマイクを通した後の音が評価されます。ここが対面での印象と大きく違うところで、生では魅力的に聞こえていた低音が、録ると輪郭を失ってしまうことは珍しくありません。
距離と角度で低音の量が変わる
多くのマイクは、近づけるほど低音が強調される特性を持つとされています。低音を厚くしたくてマイクに寄りすぎると、こもって聞き取りにくくなることがあります。逆に離しすぎると部屋の響きが入り、芯が弱くなります。数センチ単位で位置を変えて録り比べ、自分の声で最も言葉が立つ距離を探すのが確実です。
「声量が大きい」と「マイクに乗る」は別
大きな声を出せば録音でも存在感が出る、とは限りません。録音で前に出てくる声には、音量とは別の条件があります。この考え方は「マイクに乗る声」の作り方で詳しく整理しています。
部屋の響きが印象を左右する
もうひとつ見落とされやすいのが、部屋そのものの響きです。壁に囲まれた狭い空間では反射音が多く混ざり、輪郭がぼやけて聞こえることがあります。落ち着いた声を録りたいのに芯が出ないというとき、原因が発声ではなく環境側にあるケースは珍しくありません。まずは同じ声を別の場所で録り比べて、環境の影響がどれくらいあるかを確かめてみてください。
話し声と歌声で使い分ける
イケボの練習を歌にそのまま持ち込むと、かえって不自然になることがあります。話すときと歌うときでは、優先すべきものが違うためです。
| 場面 | 優先されること | やりすぎると起きること |
|---|---|---|
| 話し声(配信・ナレーション) | 聞き取りやすさ、落ち着き、一定の音量 | 抑揚が消えて棒読みに聞こえる |
| 歌声 | 音程、リズム、曲に合った音色 | 低さを保とうとして音程が下がる、抑揚が失われる |
特に注意したいのが、歌で低い響きを保とうとするあまり、本来の音程より下に着地してしまうケースです。低音の響きは音色の話で、音程の高さとは別の軸だと切り分けておくと、この失敗を避けやすくなります。歌枠など話しながら歌う場面では、話すモードと歌うモードを切り替える意識が役立ちます。配信の組み立て方は歌枠(歌配信)の始め方にまとめています。
思うように変わらないときに見直すこと
練習しているのに録音の印象が変わらない場合、原因が声そのものではないこともあります。順番に確認してみてください。
- 比較用の音源を残していない。変化は記憶では追えません。1週目・2週目と同じ原稿で録って並べると差が見えます
- 一度に複数のことを変えている。喉の開き、息の量、話す速さを同時に変えると、何が効いたのか判断できません
- 無理な低音を出し続けている。力で押し下げた低音は、響きよりも苦しさのほうが伝わりやすいです
- 目標像が曖昧なまま。「どんな場面で、誰に、どう聞こえてほしいか」まで具体化すると、必要な要素が絞れます
- 自分の声質と違う方向を追いかけている。もともと軽やかに抜ける声の人が重い低音だけを目指すと、遠回りになりやすいです。持ち味を伸ばす方向も並行して検討してみてください
あわせて意識しておきたいのが、声の印象は一つの型に収まるものではないということです。落ち着いた低音が合う場面もあれば、明るく抜ける声が場を作る場面もあります。「イケボはこういう声」と一つに決めてしまうと、本来使える持ち札まで捨ててしまうことになりかねません。自分の声で出せる幅を確かめたうえで、場面ごとに選べる状態を目指すほうが、結果として印象は良くなりやすいはずです。
自分の録音を自分で判定するのが難しいと感じる段階なら、第三者に聴いてもらうのも手です。発声の癖は自覚しにくい部分なので、指摘を受けると近道になることがあります。体験レッスンの有無や録音環境の設備を条件別にまとめた歌い手向けボイトレ教室の比較記事を、選択肢を知る目的で読んでみてもよいでしょう。
「渋い声」とは何が違うのか
イケボの中でも、落ち着いた低めの声は「渋い声」と呼ばれることがあります。同じ低音でも、ただ低いだけの声と渋いと言われる声には差があり、その差は音の高さ以外のところで生まれています。
低いだけでは渋くならない
渋いと言われる声には、低さに加えて、わずかなざらつきや掠れが乗っていることが多くあります。まったく澄んだ低音はむしろ「きれいな低音」と受け取られやすく、渋さとは別の方向に聞こえます。このざらつきの正体に近いのがハスキーさで、ハスキーボイスの出し方で扱っている要素と重なります。
もうひとつ効いているのが声の太さです。同じ高さでも、細く鳴っている声と太く鳴っている声とでは受ける印象が変わります。太さそのものをどう操作するかは声の太さをコントロールする方法のほうが詳しく扱っています。
成分で言えば、倍音の出方の違い
声のざらつきや厚みは、含まれている倍音の成分の違いとして説明されます。整数次と非整数次という分け方で印象が変わるという話は良い歌声を出すカギになる「倍音」とは?で扱っているので、渋さを感覚ではなく成分の話として捉えたいときはそちらが近い内容です。
この記事の内容をどう使うか
渋い方向を狙うなら、ここまで扱ってきた喉仏を下げる・胸を響かせるという操作がそのまま効きます。そこに、掠れを少し残す、マイクに近づきすぎず距離を取る、といった調整を足していく形になります。ただし掠れは喉の負担と紙一重なので、無理に作り込まないほうが安全です。
女性・女子がイケボを出すには
女性の声から落ち着いた低めの声を作る場合、男性とは手順が変わります。無理に低くしようとすると喉が締まりやすいので、低くするより「落ち着かせる」方向で進めるのが基本です。手順とつまずきやすい点は、女性のイケボの出し方|低くせず落ち着かせるコツにまとめました。
練習を1日の中に組み込む──短時間の練習メニュー例
ここまでに挙げた喉仏の位置や響かせ方は、読んで理解した直後より、毎日の中で短く繰り返したときのほうが身体に残りやすいものです。まとまった時間を確保しようとすると続きにくいので、5分から10分で一巡する形に分けておくと取りかかりやすくなります。
下は組み立ての一例です。順番に意味があり、声を鳴らす準備→言葉を立てる→実際の話し方で確認するという流れになっています。
| 順番 | やること | 目安 | 何のための時間か |
|---|---|---|---|
| 1 | 息だけを長く吐く/腹式呼吸の確認 | 1分 | 力みを抜き、息の土台を作る |
| 2 | あくびをしかけた形のまま「あー」と出す | 1分 | 喉の空間が開いた状態を思い出す |
| 3 | エッジボイスから普通の声につなげる | 1分 | 息が漏れすぎている状態を整える |
| 4 | 子音を立てて短い文を音読する | 2分 | 言葉の輪郭をはっきりさせる |
| 5 | いつもの話し方で30秒だけ録る | 1分 | その日の状態を記録として残す |
5番目を省かないことをおすすめします。前の章のチェックリストは、比べる材料があってはじめて使えるものだからです。毎日でなくても構わないので、同じ原稿を同じ場所で録っておくと、あとから並べたときに変化が見えます。
エッジボイスを一手として持っておく
イケボの練習として紹介されることが多いのがエッジボイスです。「あ゛ー」と低く軋ませるあの声で、声帯が触れ合っている感覚をつかむための入り口として使われます。息が混ざりすぎて芯が出ないタイプの人にとっては、狙いどころがわかりやすい練習です。
ただし、エッジボイスそのものが目的ではありません。軋ませた状態から力を抜いて普通の発声につなげ、その感覚を残したまま話せるかどうかが本題です。やり方と注意点はエッジボイスの出し方とメリットにまとめてあります。喉に力が入る感じがあるときは、長く続けず短く切り上げてください。
滑舌は声質とは別の項目として扱う
「声は悪くないのに聞き取りにくい」と言われる場合、原因が声質ではなく口まわりの動きにあることがあります。声の響きをいくら整えても、舌と唇が動ききっていなければ言葉は届きません。
ここが弱いと感じたら、声を変える練習とは別に短い早口ことばを入れておくと、練習の狙いが混ざらずに済みます。取り組み方は滑舌をよくする早口ことばで扱っています。声質・滑舌・話し方の3つは、それぞれ別の引き出しとして持っておくと、うまくいかないときにどこを見直せばよいかの見当がつきやすくなります。
低い側を伸ばしたいときは発声そのものから
低音の落ち着いた方向を狙っていて、そもそも低い音が鳴りきらないという段階であれば、イケボという切り口より先に、低い声を出すこと自体を扱ったほうが早いことがあります。低い声の出し方と練習方法では、出せる下限を下げるという観点で整理しています。無理に押し下げた低音は苦しさのほうが伝わりやすいので、鳴らせる範囲の中で響きを作る方向から始めてみてください。
「イケボ」という言葉が広まった経緯と、使われる三つの場面
「イケボ」は「イケメンボイス」「イケてるボイス」を縮めた言い方で、2000年代の動画投稿サイトのコメント文化から広まったと言われています。もともとは視聴者がコメント欄に書き込む褒め言葉だったため、声の性能というより「その場面で好ましく聞こえたかどうか」を指す言葉として育ってきました。だから同じ声でも、場面が変われば評価が変わります。
使われる場面は大きく三つあります。配信やボイスチャットでの話し声、朗読や台詞まわしのような演技の声、そして歌声です。話し声では聞き取りやすさと落ち着きが効き、演技の声では抑揚の幅が効き、歌声ではピッチと響きの安定が先に効きます。自分がどの場面を狙っているのかを先に決めておくと、練習の順番を間違えにくくなります。
声を出す前のウォームアップ——リップロールとハミング
競合する解説の多くが、発声練習の前段としてリップロールとハミングを挙げています。どちらも「強く出す」練習ではなく、喉に力を入れずに息と声を連動させるための準備運動という位置づけです。
リップロール
唇を軽く閉じ、息を送って「プルルル」と唇を震わせたまま声を乗せます。途中で唇が止まる場合は、息が足りないか、唇に力が入りすぎているかのどちらかであることが多いです。指で頬を軽く支えると続けやすくなります。やり方の細部はリップロールの効果的なやり方とコツにまとめています。
ハミング
口を閉じたまま「んー」と声を出し、鼻の付け根あたりに振動を感じられるか確かめます。低めの音から始めて少しずつ上げ、振動する場所が動くのを観察します。イケボを低音だけで作ろうとすると響きが胸に偏りがちなので、ハミングで上の響きも残しておくと、低い声でもこもりにくくなります。
滑舌は「母音」「鼻濁音」「早口言葉」に分けて練習する
滑舌が甘いと、どれだけ声色を整えても言葉が流れて聞こえます。ひとまとめに練習せず、三つの要素に分けると原因を切り分けやすくなります。
ひとつ目は母音です。「あ・い・う・え・お」を口の形だけ変えて同じ息の量で並べ、どれかだけ音量が落ちていないか確かめます。二つ目は鼻濁音で、「が・ぎ・ぐ」の前に軽く「ん」を置くように発音すると、語中の濁音が柔らかく聞こえます。三つ目が早口言葉で、こちらは速さを競うのではなく、同じ速さで五回続けて崩れないかを見る使い方をします。舌の動きそのものが鈍い場合はタングトリルで滑舌を鍛える方法も併用できます。
自分の耳だけで判断しない——録音と第三者チェック
自分の声は骨を伝わる音が混ざって聞こえるため、自己評価と他人の聞こえ方はずれます。スマートフォンの録音機能でかまわないので、同じ原稿を同じ距離・同じ音量で録り、日付をつけて残しておきます。比べるときは全体の印象ではなく、語尾が下がりきっているか、息継ぎの音が入っていないか、といった一項目ずつにします。
投稿型の歌唱アプリやコミュニティに上げて感想をもらう方法もありますが、公開範囲と個人情報の扱いは事前に確認しておいてください。
骨格や体格による個人差は、努力量では埋まらない部分がある
声帯の長さや声道の長さ、体格には個人差があり、憧れの声とまったく同じ音色に到達できるとはかぎりません。低い声を求めて無理に喉を押し下げ続けると、喉に負担がかかったり、かえって声がこもったりすることがあります。声を出していて痛みや違和感が続くときは練習を中断し、必要に応じて専門の医療機関に相談してください。対処の考え方は歌うと喉が痛い・疲れる原因と対策でも触れています。
現実的なゴールは「別人の声になること」ではなく、いまの声で出せる範囲のなかから、場面に合う出し方を選べるようになることです。
落ち着いた声や色気のある声は、声量を落として出す場面が多くなります。ただ音量を下げるだけだと、音程が下がったり息の音ばかりが目立ったりしてしまいます。抑えたときに何がどう崩れるのかは小さく歌うコツと、弱く歌うと崩れる3つのもので分解しているので、練習の前に読んでおくと迷いにくくなります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
イケボが聴き手にどんな効果を与えられるのか、
そして出し方や練習方法もわかったと思います。
「こういう声を出したい」という
イメージがある場合、
その目標となる歌声を聴いて、
どうすれば近づけるのか分析し、
どのような練習をする必要があるのか調べ、
しっかりと実行していく
努力をする必要があります。
声の出し方というのは、
日々の過ごし方、話し方によって
形成されていくものなので
少ない練習量では、正直難しいです。
可能な限り練習時間を取るようにし、
コツコツと積み重ねることが大事です。






























