チャンネルページの上部に表示される横長の画像が「バナー画像」です(「チャンネルアート」と呼ばれることもあります)。歌い手にとっては、動画を気に入ってチャンネルを開いてくれた人に、どんな歌を歌っている人なのかを一目で伝える看板のような場所です。
ところが、パソコンできれいに見えていたバナーが、スマホで開くと文字が切れていた、ということがよく起きます。原因はほとんどの場合、端末によって表示される範囲が違うことにあります。この記事では、YouTubeヘルプ(2026年10月時点)に書かれているサイズと安全領域をもとに、スマホで切れない配置の考え方、作る手順、設定と確認のしかた、あわせて設定しておきたい「動画の透かし」までを順に解説します。
色や世界観そのものの決め方、アイコンの作り方は別の記事で扱っているので、ここでは「バナーを正しく見せるための実務」に絞ります。
先に数値を確認:バナーと動画の透かしのサイズ
YouTubeヘルプ「チャンネルのブランディングを管理する」(2026年10月時点)に記載されている数値です。
| 項目 | ヘルプに書かれている内容 |
|---|---|
| バナーの推奨サイズ | 2560×1440ピクセル(特にテレビの場合) |
| バナーの最小アップロードサイズ | アスペクト比16:9で2048×1152ピクセル |
| 文字やロゴの安全領域 | 1235×338ピクセル |
| バナーのファイルサイズ | 6MB以下 |
| バナーで避けること | 影、枠線、フレームなどの装飾をファイルに加えない |
| 動画の透かしの画像 | 150×150ピクセル以上の正方形で、1MB未満 |
| 動画の透かしの表示タイミング | 動画の最後(最後の15秒)/開始位置を指定/動画全体 から選ぶ |
覚えておきたいのは、大きな画像を作り、伝えたい文字は中央の小さな枠に集めるという一点です。同じバナー画像がパソコン、スマホ、テレビで使われますが、ヘルプでは「デバイスによって表示は異なる」とされています。
バナーは端末によって見える範囲が変わる
テレビでは全体、ほかの画面では一部だけ
ヘルプによると、バナー画像は大きなデバイスでは画面全体に表示されますが、一部のビューやデバイスではトリミングされます。つまり、2560×1440の画像を作っても、その全体が見えるのはテレビなどの大きな画面に限られ、パソコンやスマホでは横長に切り取られた一部分だけが表示されます。
スマホで文字が切れる原因の多くは、パソコンの画面を見ながら左右いっぱいに文字を並べてしまうことです。パソコンでは見えていても、スマホではその両端が表示されないことがあります。
安全領域は中央の1235×338ピクセル
ヘルプでは、テキストやロゴの安全領域を1235×338ピクセルとしています。推奨サイズの2560×1440で作る場合、この枠を画像の中央に置くと、計算上は左右にそれぞれ約662ピクセル、上下にそれぞれ約551ピクセルの余白ができます。
| 領域 | 置くもの |
|---|---|
| 中央の1235×338(安全領域) | 活動名、ひとことの紹介、ロゴなど、読んでほしい文字 |
| 安全領域の左右 | 背景の模様、キャラクターの体の一部など、切れても意味が通じるもの |
| 安全領域の上下 | テレビで全体が表示されたときに自然に見える背景の続き |
安全領域の外側を空白にする必要はありません。切れても困らないものだけを外側に置くと考えると、どの端末でも違和感のないバナーになりやすくなります。
文字とロゴの置き場所の考え方
入れる文字は少なく、大きく
安全領域は横に長く、縦が短い枠です。スマホではこの枠がさらに小さく表示されるため、細かい文字は読めなくなります。歌い手のバナーなら、次のくらいに絞ると収まりやすくなります。
- 活動名(読み方が難しい場合はふりがなや英字表記)
- 何をしている人か(「歌ってみた」「ボカロカバー」「歌枠」など、ひとこと)
- 必要なら投稿の目安(「毎週土曜投稿」など、守れる範囲で)
「〇月〇日に新曲公開」のような日付の入った告知は、過ぎたあとも残り続けると古い情報に見えてしまいます。日付入りの告知は動画や投稿で行い、バナーは長く使える内容にしておくと手間が減ります。プロフィール欄に書く紹介文との役割分担は歌い手のプロフィールの書き方を参考にしてください。
キャラクターは顔を中央寄りに
立ち絵や一枚絵を使う場合は、顔や目線など見せたい部分を安全領域の中か、その近くに置きます。キャラクターを右端に寄せて大きく描くと、スマホでは肩だけが見える、といったことになりがちです。イラストを依頼するときは、バナーに使う予定であることと、推奨サイズ・安全領域の数値を伝えておくと、あとからの調整が少なくて済みます。どの場面でどんな形の絵が必要になるかは歌い手のキャラデザの決め方で整理しています。
色と読みやすさ
背景と文字の明るさに差をつけると、小さく表示されても読みやすくなります。テーマカラーをすでに決めているなら、アイコンやサムネイルと同じ色を使うと、チャンネル全体に統一感が出ます。アイコンの考え方は歌い手アカウントのアイコンの決め方、文字の大きさや縮小したときの見え方は歌ってみたのサムネイルの作り方の考え方がそのまま使えます。
なお、ヘルプでは影、枠線、フレームなどの装飾をファイルに加えないよう案内されています。画像のふちを額縁のように囲むデザインは、トリミングされたときに枠が途切れて見えるため避けておきましょう。
バナーを作る手順
使う画像編集アプリは何でもかまいません。どのアプリでも、次の流れで作ると切れにくいバナーになります。
- 新しいキャンバスを2560×1440ピクセルで作る
- 中央に1235×338ピクセルの四角形をガイドとして描く(左右約662ピクセル、上下約551ピクセルの位置)。完成時には消すか、非表示にする
- 背景を画像全体に敷く。安全領域の外にも絵や模様が続くようにする
- 活動名などの文字とロゴを、ガイドの四角形の内側に置く。端ぎりぎりではなく、少し内側に余裕を持たせる
- ガイドを消してから、JPEGやPNGなどで書き出す。6MBを超える場合は画質や形式を調整する
すでにある画像のサイズを変えたいときは、ヘルプではWindowsならMicrosoftフォト、Macならプレビューアプリなど、パソコンの画像エディタを使う方法が紹介されています。
書き出した画像は、スマホに送って画面いっぱいに表示し、中央の文字だけを見ても内容が伝わるか確かめておくと安心です。
バナーを設定して、スマホで確認する
パソコン(YouTube Studio)で設定する
- YouTube Studioにログインする
- 左側のメニューで[カスタマイズ]→[プロフィール]を選ぶ
- バナー画像の[変更]をクリックして画像を選ぶ
- プレビューで切り抜きの範囲を調整し、[完了]をクリックする
- [公開]をクリックする
手順4のプレビューで、切り抜きの範囲と文字の位置をよく見ておくと、公開後の手直しが減ります。
スマホ(YouTubeアプリ)で設定する
ヘルプのAndroid版では、YouTubeアプリでプロフィール写真をタップ→[チャンネルを表示]→編集アイコン→バナー画像の順に進み、写真を選んで[保存]する手順が案内されています。画面の表記は端末やアプリのバージョンで異なることがあります。
公開後に確かめること
- スマホのYouTubeアプリで自分のチャンネルを開き、活動名やロゴが切れていないか
- パソコンのブラウザで、ウィンドウの幅を変えても文字が欠けないか
- テレビで見られる環境があれば、全体表示で背景が不自然に途切れていないか
- アイコンやチャンネル名と並んだときに、色や雰囲気がちぐはぐになっていないか
確認は自分の端末だけでなく、可能なら家族や友人のスマホでも見てもらうと、画面サイズによる違いに気づきやすくなります。
あわせて設定したい「動画の透かし」
動画の透かしは、チャンネルの動画の上に小さく表示される画像です。ヘルプでは、チャンネルのブランディングを宣伝するための機能として案内されています。バナーと同じ[カスタマイズ]→[プロフィール]の画面で設定します。
設定の手順
- YouTube Studioの左側のメニューで[カスタマイズ]→[プロフィール]を選ぶ
- 表示タイミングを選ぶ(動画の最後/開始位置を指定/動画全体)
- [変更]をクリックして画像を選び、サイズを調整して[完了]をクリックする
- [公開]をクリックする
画像は150×150ピクセル以上の正方形で、1MB未満という条件があります。小さく表示されるので、細かい文字よりも、アイコンやロゴのように形で分かるものが向いています。
表示タイミングの選び方と注意点
| タイミング | ヘルプの説明 | 歌ってみたでの考え方 |
|---|---|---|
| 動画の最後 | 最後の15秒に表示 | 曲を聴き終えた人に見てもらいやすい |
| 開始位置を指定 | 指定したタイミングから表示 | イントロやクレジットの表示と重ならない位置から出せる |
| 動画全体 | 最初から最後まで表示 | 常に見えるが、動画内の文字と重なっていないか確認が要る |
ヘルプでは、チャンネルの透かしはパソコンとモバイル端末の横向き表示でのみ利用でき、モバイル端末ではタップできないとされています。また、子ども向けに設定した動画では動画の透かしは表示されません。子ども向け設定で何が変わるかはYouTubeの子ども向け設定で解説しています。
透かしからの登録がどのくらいあるかは、YouTubeアナリティクスの[チャンネル登録元]レポートで確認できるとされています。設定したら終わりではなく、しばらくしてから数字を見て、表示タイミングを見直すのもよいでしょう。
歌ってみたの一枚絵をバナーにも使いたいとき
歌ってみた動画のために描いてもらった一枚絵が気に入っていて、チャンネルのバナーにも使いたい。そう思ったときは、画像を作り始める前に、描いてくれた人との約束を確かめておきます。依頼したときの利用範囲が「その動画のサムネイルと動画内」になっていると、バナーへの使い回しは範囲の外になることがあるからです。
| 確かめること | 理由 |
|---|---|
| バナーへの使用が利用範囲に入っているか | 動画ごとの依頼だと、チャンネル全体の看板は別扱いのことがある |
| トリミングや文字の重ね方 | 安全領域に合わせて大きく切り取ると、絵の印象が変わるため |
| クレジットの書き場所 | バナーの画像の中には書きにくく、別の場所に書く必要がある |
動画用の一枚絵は16:9で描かれていることが多く、バナーの推奨サイズと同じ比率です。ただし、スマホで見える安全領域は中央の横長の帯だけなので、そのまま貼ると顔が上下で切れたり、キャラクターが小さく見えたりします。背景を描き足してもらうのか、顔の部分だけを帯に収めるのかを、相談の段階で伝えておくと、仕上がりの食い違いが少なくなります。
クレジットは、YouTube Studioの[カスタマイズ]→[プロフィール]で編集できるチャンネルの説明に「バナーイラスト:〇〇さん」のように書いておくと、見た人が描いた人を知る手がかりになります。表記のしかたも、描いた人の希望を聞いておきましょう。
大きく作る・中央に集める・スマホで確かめる
歌い手のバナー作りで押さえておきたいことを振り返ります。
- バナーは2560×1440ピクセル(最小2048×1152、16:9)、6MB以下で作る
- 読んでほしい文字とロゴは、中央の1235×338ピクセルの安全領域に集める
- 安全領域の外には、切れても困らない背景や絵の続きを置く
- 影や枠線などの装飾はファイルに加えない
- 設定時のプレビューと、公開後のスマホ表示で文字切れを確かめる
- 動画の透かしは150×150ピクセル以上の正方形・1MB未満。表示タイミングは動画の内容に合わせて選ぶ
数値や画面の名前は、YouTube側の変更で変わることがあります。作り直すときは、YouTubeヘルプで最新の仕様を確認してから取りかかってください。



















