冬に歌ってみたを出そうと思って曲を探すと、検索結果がクリスマスソングで埋まってしまう——という経験はないでしょうか。12月の25日が過ぎたあとも冬は2か月以上続きますし、1月・2月に投稿するなら、むしろクリスマス色のない曲のほうが使いやすくなります。
この記事では、雪・寒さ・冬の夜・年末年始といったモチーフごとに、ボカロの冬曲を15曲まとめました。曲名・作者・公開年はすべてVocaDBの登録情報で照合し、演奏時間も併記しています。あわせて、冬の曲で引っかかりやすい「息が続かない」「高音がどこに来るか」の確認のしかたも整理しました。
クリスマス曲そのものを探している方は、クリスマスに歌いたいボカロ・冬の定番曲のほうに定番がまとまっています。この記事は、そこに入らない「クリスマス以外の冬」に絞っています。
冬の選曲は「クリスマス」と「クリスマス以外」で分ける
冬のボカロ曲は、大きく2つに分かれます。ひとつは12月のイベントとセットで聴かれるクリスマスソング。もうひとつは、雪や寒さ、冬の夜の空気そのものを描いた曲です。
この2つは、投稿してから聴かれる期間がまったく違います。クリスマス曲は12月25日を過ぎると再生が落ち着きやすい一方、雪や寒さを題材にした曲は1月・2月でも違和感なく聴かれます。冬に1本しか出せないなら、後者のほうが動画の寿命は長くなりやすいと考えてよいでしょう。
以下が、この記事で紹介する15曲の早見表です。演奏時間は、初投稿や短めの動画を作りたいときの目安に使ってください。
| 曲名 | 作者 | 公開年 | 演奏時間 | タイプ |
|---|---|---|---|---|
| 白い雪のプリンセスは | のぼる↑ | 2010年 | 約4分24秒 | 雪・しっとり |
| 雪がとける前に | doriko | 2016年 | 約3分37秒 | 雪・しっとり |
| 白ゆき | ナブナ | 2016年 | 約4分22秒 | 雪・しっとり |
| ユキノヒワルツ | R Sound Design | 2019年 | 約4分13秒 | 雪・しっとり |
| 冬、夜の底で | シーナ | 2024年 | 約3分37秒 | 雪・しっとり |
| スノーマン | halyosy | 2013年 | 約3分49秒 | 明るい冬 |
| ウィンター・ハッピーナイト | Clean Tears | 2012年 | 約4分44秒 | 明るい冬 |
| 冬晴れステップ | きさら | 2023年 | 約2分46秒 | 明るい冬 |
| ふれふれ粉雪 | ウタP | 2010年 | 約5分39秒 | 明るい冬・2人 |
| 冬色ウィスパー | colate | 2019年 | 約4分14秒 | 冬の夜・室内 |
| 寒い部屋 | 薄塩指数 | 2019年 | 約4分24秒 | 冬の夜・室内 |
| コールドオリオン | テンツク | 2018年 | 約4分16秒 | 冬の夜・室内 |
| 今年の終わりと始まりをノラ猫は見ていた | ピノキオピー | 2009年 | 約3分35秒 | 年末年始 |
| 猫、コタツを占拠する | daniwell | 2015年 | 約4分29秒 | 年末年始・2人 |
| スノートリック | すこっぷ | 2010年 | 約4分02秒 | 年末年始 |
雪の情景をしっとり歌う5曲
雪そのものを描いた曲は、テンポがゆるやかなものが多くなります。勢いでごまかせない代わりに、丁寧に歌えばそのまま良さが出る系統です。
白い雪のプリンセスは / のぼる↑(2010年)
初音ミクで2010年2月に公開された曲で、冬のボカロ曲としては長く歌われてきた1曲です。約4分24秒とやや長めなので、集中力が続く範囲で録れるかを先に確かめておくと安心です。
雪がとける前に / doriko(2016年)
初音ミク V4Xで公開された、約3分37秒の曲です。歌詞の1フレーズが長くなる箇所では息が足りなくなりやすいので、歌う前にブレスを入れる場所を鉛筆で書き込んでおく方法をおすすめします。
白ゆき / ナブナ(2016年)
ナブナ(n-buna)名義の曲で、初音ミク V3を使用しています。約4分22秒。言葉数が詰まっている部分は、音程より先に「言い切れるか」を確認すると、あとの録り直しが減ります。
ユキノヒワルツ / R Sound Design(2019年)
タイトルどおりワルツ系のリズムを持つ曲です。3拍子の曲は、日ごろ4拍子ばかり歌っていると出だしのノリがつかみにくいので、ガイドを聴きながら手拍子を合わせてから録ると安定しやすくなります。
冬、夜の底で / シーナ(2024年)
2024年12月公開と新しめの曲です。ボーカルには桃音モモが使われており、初音ミク以外の音源で作られた曲の例としてもわかりやすい1曲です。近年の曲は音源の選択肢が広がっているため、「ボカロ曲」と呼ばれていても使われているソフトは同じとは限りません。
寒い季節を明るく鳴らす4曲
「冬=暗い曲」ではありません。歌枠やコラボで場を温めたいときは、こちらの系統が使いやすくなります。
スノーマン / halyosy(2013年)
カイトV3で公開された曲です。約3分49秒。男声音源で作られていますが、音源が男声か女声かは、そのまま自分のキーの目安にはなりません。ボカロは人の声と発声の前提が違うため、必ず試し歌いでキーを決めてください。決め方は自分に合うキーの見つけ方にまとめています。
ウィンター・ハッピーナイト / Clean Tears(2012年)
蒼姫ラピスで公開された約4分44秒の曲です。テンポが速めの曲は、サビで息を吸う余裕が短くなります。Aメロのうちに吸いだめしておく、という発想ではなく、短く何度も吸うほうが最後まで持ちやすくなります。
冬晴れステップ / きさら(2023年)
約2分46秒と、この記事の中でいちばん短い曲です。初投稿や、ショート動画に切り出す前提の1本目としては扱いやすい長さです。短い曲から始めたい人は、この枠から入ると完走しやすくなります。
ふれふれ粉雪 / ウタP(2010年)
鏡音レンと巡音ルカの2人で歌われている曲です。パートが分かれているぶん、コラボや2人歌枠に向きます。約5分39秒と長いので、分担を決めてから録音に入ると1人あたりの負担は下がります。
冬の夜と部屋の中に寄せる3曲
外の雪ではなく、寒い部屋・冬の夜空といった内向きの景色を扱った曲です。声量で押すより、ささやき寄りの表現が合いやすい系統になります。
冬色ウィスパー / colate(2019年)
初音ミクで2019年12月に公開された、約4分14秒の曲です。ささやき系の表現は録音時のノイズが目立ちやすいので、エアコンを止める・マイクとの距離を一定に保つなど、録音環境の下準備を先に済ませておくと仕上がりが変わります。
寒い部屋 / 薄塩指数(2019年)
ボーカルに重音テトが使われている約4分24秒の曲です。重音テトはVOCALOID製品ではなく別系統の歌声合成で作られた音源で、ボカロ曲としてまとめられていても、使われている音源は1種類ではありません。
コールドオリオン / テンツク(2018年)
冬の星座であるオリオンを題材にした、約4分16秒の曲です。静かな曲は音程のズレが目立ちやすいぶん、録音後の補正に頼りすぎると不自然になりがちです。どこまで直すかの考え方はピッチ補正はどこまで?を参考にしてください。
年末年始・冬のイベントで使える3曲
今年の終わりと始まりをノラ猫は見ていた / ピノキオピー(2009年)
2009年12月23日公開、約3分35秒。年の変わり目をテーマにした曲なので、12月末から1月頭の投稿・歌枠にタイミングを合わせやすい1本です。
猫、コタツを占拠する / daniwell(2015年)
初音ミクと桃音モモの2人で歌われている約4分29秒の曲です。こたつという日常寄りのモチーフなので、冬の企画枠や、重くない雰囲気で1本挟みたいときに向きます。
スノートリック / すこっぷ(2010年)
初音ミクで2010年2月に公開された約4分02秒の曲です。雪をモチーフにしつつ重くなりすぎないので、しっとり枠と明るい枠の間をつなぐ曲として歌枠のセットリストに入れやすくなります。
冬の曲でつまずきやすい難所と、候補の広げ方
難所1:息が続かない
冬の曲はテンポがゆるやかなものが多く、1フレーズあたりの時間が長くなります。同じ文字数でも、速い曲より息が必要になるということです。対策は単純で、歌詞を印刷してブレス位置に印を付け、その位置で必ず吸うと決めてしまうこと。感覚で吸っていると、録音のたびに位置が変わって編集時に苦労します。
難所2:高音がどこに来るか
静かな曲ほど、最高音が「サビの頭」ではなく落ちサビや最後のフレーズに置かれていることがあります。冒頭だけ試し歌いしてキーを決めると、終盤で届かなくなるという失敗が起きがちです。キーを決めるときは、必ず曲の最後まで通して確認してください。
候補をもっと広げたいとき
冬の曲は「雪」「冬」という単語以外にも、夜・星・白といった言葉で探すと候補が増えます。テンポの遅い曲をもっと見たい場合はバラード・スローテンポのボカロ曲おすすめ15選が近い内容です。他の季節は秋にぴったりなボカロ曲・春に歌いたいボカロ曲にまとめています。
まとめ
冬のボカロ曲を選ぶときは、まずクリスマス曲かそれ以外かを分け、1月・2月まで聴かれる曲を狙うのが効率的です。そのうえで、雪の情景・明るい冬・冬の夜・年末年始のどの枠に置くかを決めると、歌枠のセットリストも組みやすくなります。
選んだあとは、ブレス位置と最高音の位置という2点だけ先に確認しておいてください。この2つを詰めておくと、録音の回数がはっきり減ります。冬は準備期間が取りやすい季節でもあるので、11月のうちに候補を絞っておくと余裕を持って仕上げられます。



















