バラード・スローテンポのボカロ曲おすすめ15選【歌ってみた向け・タイプ別】

※記事内で紹介している商品の価格・在庫状況は変動します。最新の情報は各リンク先(Amazon・楽天市場)でご確認ください。


「速い曲はなんとか形になるのに、ゆっくりした曲を録るとうまく聞こえない」——バラードに挑戦した方から、よく聞く声です。速い曲は勢いやリズムで押し切れる部分がありますが、スローテンポの曲にはその逃げ道がありません。音程のわずかなずれ、伸ばしている間の揺れ、息継ぎの音まで、そのまま聴こえてしまいます。

言い換えると、バラードは技術が見えやすい代わりに、丁寧に作れば差が出やすい種類の曲でもあります。派手な高音や早口がなくても、静かな部分の作り込みだけで印象は大きく変わります。

この記事では、バラード・スローテンポのボカロ曲15曲を、求められる技術のタイプ別に3つに分けて紹介します。曲名・ボカロP・発表年は複数の資料で確認できたものだけを載せています。

バラードで「ごまかしが効かない」のはどこか

スローテンポの曲が難しいと言われる理由は、大きく3つに整理できます。選曲の前に自分の弱点と照らし合わせておくと、無理のない1曲を選べます。

1:伸ばしている間の揺れが聴こえる

音を長く伸ばす箇所では、音程・音量・声質の変化がそのまま出ます。速い曲なら次の音で上書きされる程度のぶれも、バラードでは数秒間さらされ続けます。伸ばしの安定は練習で改善しやすい部分なので、ロングトーンを綺麗に響かせる練習法とコツを先に読んでおくと取り組みやすくなります。

2:息継ぎの音が目立つ

伴奏が薄い曲では、ブレスの音がマイクにはっきり残ります。息を吸う音自体は自然なもので、消す必要はありません。ただし力いっぱい吸うと不自然に大きく入るため、静かな曲では吸う量と速さを意識して調整します。

3:小さく歌うほど技術が要る

「抑えて歌う」は、声を小さくすることとイコールではありません。音量だけを下げると芯が抜けて音程も不安定になります。息の量を減らしつつ声の支えは保つ、という状態を作れるかどうかが分かれ目です。マイクとの距離で音量を調整する考え方は「マイクに乗る声」の作り方で解説しています。

バラード・スローテンポのボカロ曲おすすめ15選 早見表

順位づけはしていません。求められる技術のタイプで分け、各タイプの中は発表年の順に並べました(2026年9月時点で確認できた情報に基づきます)。

曲名ボカロP歌ってみた視点でのポイント
サンドリヨンDios/シグナルP2008伸ばし型。男女デュエット。声を重ねる位置に注意
ハロ/ハワユナノウ2010伸ばし型。素直な旋律ゆえ音程が出やすい
からくりピエロ40mP2011伸ばし型。落ち着いたテンポで語尾の処理が肝
ODDS&ENDSryo(supercell)2012伸ばし型。長尺で後半に山場。体力配分が要
ブレス・ユア・ブレス和田たけあき2019伸ばし型。伸ばしの中で音量を保てるか
夕日坂doriko2008落差型。静かな導入からの盛り上がり
弱虫モンブランDECO*272010落差型。抑えたパートとサビの対比
告白予行練習HoneyWorks2012落差型。語りに近い部分と開ける部分の差
あの夏が飽和する。カンザキイオリ2018落差型。終盤に向けて厚みが増す構成
愛されなくても君がいるピノキオピー2020落差型。抑えた歌い出しの作り込みが要
リグレットメッセージmothy_悪ノP2008静けさ型。短い曲。一音ごとの精度が出る
初恋の絵本HoneyWorks2011静けさ型。素朴な旋律で丁寧さが問われる
愛して愛して愛してきくお2012静けさ型。淡々とした譜割り。表情は息で作る
少女レイみきとP2018静けさ型。アコースティック主体で声が前に出る
ロストアンブレラ稲葉曇2018静けさ型。淡々とした進行。単調になりやすい

タイプ1:ロングトーンで聴かせる5曲

音を長く伸ばす箇所が多く、伸ばしている間の安定がそのまま完成度になるタイプです。伸ばす直前で深く吸い直せるよう、ブレスの位置を先に決めておくと安定します。伸ばしの途中で音量が落ちると失速して聞こえるので、息の量を一定に保つ意識が要ります。

サンドリヨン/Dios/シグナルP

2008年8月発表、初音ミクとKAITOを使用した楽曲です。作詞はorangeさんが担当しています。男女で歌い分ける構成で、デュエット企画やコラボでも扱われてきました。

1人で録る場合も2人で録る場合も、課題は声を重ねる位置です。片方が伸ばしている間にもう片方が動く箇所があるため、先に音源を作ってから合わせるより、両パートの位置関係を把握してから録るほうが噛み合います。

ハロ/ハワユ/ナノウ

2010年7月発表の初音ミク曲です。落ち着いたテンポと素直な旋律が特徴で、ボカロのバラードとして長く歌われてきた1曲です。

旋律が素直なぶん、音程のずれが分かりやすい曲でもあります。難しい跳躍はないので、テクニックより一音ずつの精度を上げるほうが効きます。

からくりピエロ/40mP

2011年7月発表の初音ミク曲です。落ち着いたテンポの上に、伸ばしの多い旋律が乗る構成になっています。

肝になるのは語尾の処理です。伸ばした最後を切るのか、少し細くして残すのかで印象が変わります。すべて同じ処理にすると単調になるため、フレーズごとに決めておくと表情がつきます。

ODDS&ENDS/ryo(supercell)

2012年発表の初音ミク曲です。ゲーム『初音ミク -Project DIVA- f』のオープニングテーマとして書き下ろされました。5分半を超える長さで、後半に大きな山場が置かれています。

課題は体力配分です。前半で出し切ると最後まで保ちません。最終盤を先に歌ってみて、そこが成立する高さと出力を確認してから全体を組み立てると失敗が減ります。キーの決め方は自分に合うキーの見つけ方を参考にしてください。

ブレス・ユア・ブレス/和田たけあき

2019年5月発表の楽曲で、「初音ミク マジカルミライ 2019」のテーマソングとして提供されました。伸ばしを聴かせる箇所がはっきりしている構成です。

意識したいのは、伸ばしている間に音量が痩せないことです。息が減っていくと自然に小さくなってしまうため、伸ばす長さを把握したうえで、吸う量を先に確保しておくと安定します。

タイプ2:静と動の落差で聴かせる5曲

抑えたパートと開けるパートの差が大きいタイプです。盛り上がりを強くするより、静かな部分を小さくするほうが対比はつきます。声量で差をつけようとすると音程が不安定になりやすいので、息の量とマイクとの距離で調整してください。

夕日坂/doriko

2008年3月発表の初音ミク曲です。バラード調の楽曲として知られ、初期のボカロ曲の中でも長くカバーが続いている1曲です。

静かな導入をどれだけ丁寧に作れるかで、後半の印象が決まります。最初から声を張ると伸びしろがなくなるため、前半は抑えて録るほうが全体がまとまります。

弱虫モンブラン/DECO*27

2010年4月発表、GUMIを使用した楽曲です。DECO*27さんの初期を代表する1曲に挙げられ、抑えたパートとサビの対比がはっきりしています。

気をつけたいのは、サビで力任せに張ってしまうことです。前半をきちんと抑えられていれば、サビは普通に歌うだけでも十分な落差になります。張り上げるほど音程は上ずりやすくなるので、録音後にサビだけ聴き返す習慣をつけると精度が上がります。

告白予行練習/HoneyWorks

2012年10月発表、GUMIを使用した楽曲です。HoneyWorksさんの「告白実行委員会」シリーズの中核となった楽曲の一つとされています。

語りに近い落ち着いたパートと、開けるパートの差が特徴です。落ち着いたパートを歌い上げてしまうと全体が平坦になるため、話し声に近い距離感で録る箇所を決めておくと、対比が出しやすくなります。

あの夏が飽和する。/カンザキイオリ

2018年8月発表、鏡音レン・リンを使用した楽曲です。終盤に向けて厚みが増していく構成で、静と動の幅が広く取られています。

盛り上がりは後半に置かれています。序盤を小さく歌えるかどうかで終盤の印象が決まるので、抑えるパートの作り込みに時間をかけるほうが効果的です。

愛されなくても君がいる/ピノキオピー

2020年発表の初音ミク曲で、「初音ミク マジカルミライ 2020」のテーマソングとして配信されました。抑えた歌い出しから、後半にかけて広がっていく構成になっています。

歌い出しの作り込みが結果を左右します。静かな箇所で息を混ぜすぎると芯がなくなり、逆に張ると落差が消えます。息の量を減らしながら支えは保つ、という状態を探す練習に時間をかけてください。

タイプ3:静けさそのものを聴かせる5曲

大きな盛り上がりを持たず、淡々と進むタイプです。抑揚が少ないぶん、一音ごとの精度と表情の付け方がそのまま出ます。平坦に歌うと単調になりやすいので、一音ごとの入り方や語尾の処理で変化をつける意識が有効です。

リグレットメッセージ/mothy_悪ノP

2008年5月発表、鏡音リンを使用した楽曲です。「悪ノシリーズ」の一曲として知られ、短い尺の中で静かに進む構成になっています。

短い曲ほど、1か所のミスが全体の印象を左右します。難所らしい難所はないぶん、音程と発音の精度がそのまま出ます。

初恋の絵本/HoneyWorks

2011年11月発表、GUMIを使用した楽曲です。前掲の「告白予行練習」と同じシリーズの起点となった楽曲とされ、素朴な旋律が特徴です。

技術的な難所は少ない一方、丁寧さがそのまま出る曲です。装飾を加えるより、まっすぐ歌ったほうが曲調に合います。歌い込みすぎると重くなるので、力を抜いた状態で録る意識を持つと近づきます。

愛して愛して愛して/きくお

2012年11月にYouTubeでMVが公開された初音ミク曲です。淡々とした譜割りと独特の質感を持つ楽曲で、歌ってみたのカバーが数多く投稿されてきました。

難しいのは、抑揚が少ない中で表情をつける点です。フレーズごとに語尾の残し方や発音の丁寧さを変えていくと、音量を動かさなくても変化を出せます。

少女レイ/みきとP

2018年7月発表の初音ミク曲です。アコースティックギターを主体にしたアレンジで、みきとPさんの近年の代表曲の一つに挙げられます。

伴奏が薄いぶん、声がそのまま前に出ます。ごまかしが効かない代わりに、丁寧に録れば手応えが分かりやすい曲でもあります。息継ぎの音や口を開く音も入りやすいので、マイクの角度を少しずらして録ると気になりにくくなります。

ロストアンブレラ/稲葉曇

2018年2月発表、歌愛ユキを使用した楽曲です。淡々とした進行が特徴で、稲葉曇さんが広く知られるきっかけになった1曲とされています。

そのまま歌うと単調になりやすい曲です。強弱をつけようとして音量を動かすと不安定になるため、息の量とマイクとの距離で表情を作るほうが向いています。淡々とした曲ほど、ノイズ処理の丁寧さが仕上がりに直結します。

バラードを録るときに押さえておきたいこと

選曲が決まったあと、録音・投稿までにつまずきやすい点を整理しておきます。

  1. 録音環境を先に整える:伴奏が薄い曲では、エアコンの音や外の音がそのまま残ります。録る前に無音で30秒ほど録音し、何が入っているかを確認してください
  2. キーは低音側も含めて決める:バラードは低いパートが長いことがあり、キーを下げすぎると声が沈んで聞こえなくなります。手順は自分の音域の調べ方・測り方にまとめています
  3. ブレスは消さずに整える:息の音は自然なものです。全部消すとかえって不自然になるので、大きすぎるものだけを下げる方向で調整してください
  4. 編集で直しすぎない:音程補正を強くかけると、静かな曲では機械的な質感が目立ちます。録音の段階で精度を上げておくほうが自然に仕上がります

まとめ:静かな曲は「抑える技術」で差がつく

  • バラードは伸ばし型・落差型・静けさ型に分けて考えると、自分に合う曲を選びやすくなります
  • 伸ばし型は息の配分、落差型は静かな部分の作り込み、静けさ型は一音ごとの精度がそれぞれ鍵になります
  • 抑揚は声量ではなく息の量とマイクとの距離で作るほうが、音程が安定します
  • 伴奏が薄い曲ほど録音環境の影響が大きいので、録る前の確認に時間をかける価値があります

低めの音域を活かして選びたい方は低い声で歌えるボカロ曲おすすめ15選を、まず1曲を完成させたい方は歌ってみた初心者でも歌いやすいボカロ曲おすすめ15選もあわせてご覧ください。



歌い手部公式ボイトレテキスト
絶対歌唱力トレーニングブック

歌い手部公式のボイストレーニング教本がついに登場!「歌が上手くなりたい!」という人の夢を叶える最初の一歩になるべく、歌で最も大切な「絶対歌唱力」を徹底的に身につけられる内容にしました。期間限定で無料プレゼント中なので、今すぐ手に入れよう!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です