バンド・ロック系のボカロ曲おすすめ15選【疾走感重視・歌ってみた向け】

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「ギターが前に出ているボカロ曲を歌ってみたい。でも、いざ録ってみるとオケに声が埋もれてしまう」——バンドサウンドのボカロ曲に挑戦した方から、よく聞く悩みです。ロック曲は伴奏が鳴り続けているぶん、バラードのように声だけで空間を持たせる作りにはなっていません。歌い方を変えないまま録ると、勢いは出ているのに何を歌っているのか届かない、という状態になりがちです。

この記事では、バンド・ロック系のボカロ曲15曲を負荷のかかり方で3タイプに分けて紹介します。それぞれ曲調と、歌ってみたで気をつけたい箇所——声を張る位置、息継ぎの設計、オケに埋もれないための考え方——をあわせてまとめました。曲名・ボカロP・発表年は複数の資料で確認できたものだけを載せ、再生回数のような変動する数値は比較の根拠にしていません。

ロック系のボカロ曲を選ぶときに見ておきたい3つのこと

同じ「疾走感のある曲」でも、歌い手にかかる負荷はまったく違います。選曲の前に次の3点を確認しておくと失敗が減ります。

1:休符がどれくらいあるか

ロック曲は伴奏が途切れないぶん、歌の側にも休みが少ない曲が多くなります。休符が短い曲は、音域が高くなくても最後まで歌い切れないことがあります。音程の難しさより、息を吸える場所がいくつあるかを先に数えておくほうが実用的です。

2:声を張り続ける必要があるか

サビだけ張ればいい曲と、Aメロから最後まで強い声が求められる曲があります。後者は体力配分の問題になるので、1コーラスだけ試して判断すると読み違えます。通しで歌える範囲かどうかを基準にしてください。

3:バンドの音がどれくらい厚いか

ギターとベースが厚く重なっている曲では、声量を上げても抜けてこないことがあります。声を大きくするのではなく、子音をはっきり出す・言葉の頭を立てるといった処理のほうが効きます。この考え方は「マイクに乗る声」の作り方に詳しくまとめています。

バンド・ロック系のボカロ曲おすすめ15選 早見表

順位づけはしていません。負荷のかかり方でタイプを分け、各タイプの中は発表年の順に並べました(2026年9月時点で確認できた情報に基づきます)。

曲名ボカロP歌ってみた視点でのポイント
天樂ゆうゆ2009疾走型。和の旋律と速いテンポの両立
モザイクロールDECO*272010疾走型。サビで声を張る位置がはっきりしている
パンダヒーローハチ2011疾走型。跳ねたリズムに言葉を乗せる
少年少女カメレオンシンプトムNeru2012疾走型。ストレートなバンドサウンド
ベノムかいりきベア2018疾走型。フレーズの切り方でノリが決まる
裏表ラバーズwowaka2009高速型。休符が少なく息継ぎ設計が要
インビジブルkemu2011高速型。テンポが速く音の動きも大きい
アンノウン・マザーグースwowaka2017高速型。言葉数が多く音域も広め
劣等上等Giga2018高速型。畳みかける譜割りとリズムの精度
ジャンキーナイトタウンオーケストラすりぃ2019高速型。跳ねたビートと早口の組み合わせ
炉心融解iroha(sasaki)2008ドラマ型。抑えた前半とサビの落差
独りんぼエンヴィーkoyori(電ポルP)2012ドラマ型。静かな入りから厚みが増す
敗北の少年kemu2013ドラマ型。速さと展開の大きさが同居
ウミユリ海底譚n-buna2014ドラマ型。浮遊感のあるギターと起伏
妄想感傷代償連盟DECO*272016ドラマ型。テンポは速いが緩急がはっきり

タイプ1:ストレートに疾走するギターロック5曲

変則的な仕掛けが少なく、勢いのまま歌い進められるタイプです。ロック曲の入口として扱いやすい反面、力任せに歌うと音程が上ずりやすいという共通の課題があります。録音後にサビだけ聴き返す習慣をつけると精度が上がります。

天樂/ゆうゆ

2009年にニコニコ動画へ投稿された、鏡音リンを使用した楽曲です。和風の旋律と速いテンポを組み合わせたバンドサウンドで、投稿から時間が経った今も歌ってみたのカバーが続いている1曲です。

難しいのは、旋律の細かい動きを速いテンポのまま処理する点です。すべてをきれいに歌おうとすると重くなるので、はっきり出す音と流す音を決めておくと軽さが保てます。

モザイクロール/DECO*27

2010年発表、GUMIを使用した楽曲です。投稿直後から大きく再生数を伸ばした曲として知られ、DECO*27さんの初期を代表する1曲に挙げられます。

構成がはっきりしているぶん、声を張る位置も分かりやすい曲です。Aメロから同じ強さで歌うとサビが立たなくなるため、前半は音量を落として録るほうが全体のまとまりが良くなります。ギターが厚く鳴るサビでは、声を大きくするより言葉の頭を立てるほうが抜けてきます。

パンダヒーロー/ハチ

ニコニコ動画への投稿は2011年1月、GUMIを使用した楽曲です。跳ねたリズムの上に言葉が細かく並ぶ構成で、ハチさん名義の代表曲の一つとされています。

ポイントはリズムの位置です。メロディだけを追うと言葉が伴奏より後ろに流れやすいので、ドラムのどの音に対して言葉を置くのかを意識して練習すると輪郭がはっきりします。

少年少女カメレオンシンプトム/Neru

2012年4月発表、鏡音リンを使用した楽曲です。ストレートなバンドサウンドで、Neruさんの初期作品の中でも歌ってみたで扱われることの多い1曲です。

勢いで押し切れる構成ですが、そのぶん力みが音程に出ます。息を強く当てるほど声は硬くなるので、声量ではなく発音のはっきりさで前に出す意識を持つと、荒くならずに疾走感を保てます。

ベノム/かいりきベア

2018年8月発表、v flowerを使用した楽曲です。ミドルからアップテンポのロックサウンドで、短いフレーズが積み重なる構成になっています。

差が出るのはフレーズの切り方です。語尾をすべて丁寧に伸ばすとノリが鈍るため、短く切る箇所を先に決めておくとリズムが前に出ます。テンポに対して言葉が余ってしまう感覚があるときは、伸ばしすぎが原因のことが多いです。

タイプ2:高速で言葉数の多いロック5曲

テンポが速く、休符が少ないタイプです。練習の前に息継ぎの位置を決めておくことが、このタイプでは最優先になります。歌詞を紙に書き出して吸う場所に印をつける作業を先に済ませておくと、途中で息が尽きる事故を防げます。吸い方そのものは歌の息継ぎ・ブレスのコツを参考にしてください。

裏表ラバーズ/wowaka

2009年8月発表の初音ミク曲です。速いテンポと言葉数の多さを組み合わせた作りで、いわゆる高速ボカロロックの流れをつくった楽曲の一つに数えられています。

この曲でとくに難しいのは休符の少なさです。原曲と同じ位置で吸おうとすると足りなくなることがあるので、ブレスの位置は自分の肺活量に合わせて設計して構いません。区間を8小節ずつに区切って録り、通せた区間をつなげる進め方が現実的です。

インビジブル/kemu

2011年12月発表、GUMIと鏡音リンを使用した楽曲です。速いテンポに音の大きな動きが重なる構成で、kemuさんが広く知られるきっかけになった1曲とされています。

速さに気を取られると音程が甘くなりがちです。原曲より遅い速度で音の位置だけを確認し、正確に歌えるテンポを把握してから少しずつ上げていく順番が確実です。

アンノウン・マザーグース/wowaka

2017年8月発表の初音ミク曲です。wowakaさんが久しぶりに発表したボカロ曲として話題になりました。言葉数が多いうえに音域も広めで、負荷が重なるタイプです。

ここでの課題は、速さと音の高さが同時に来る点です。原曲キーにこだわらず、通しで保てる高さを優先したほうが結果的に聴きやすく仕上がります。判断の手順は自分に合うキーの見つけ方にまとめています。

劣等上等/Giga

2018年7月発表、鏡音リン・レンを使用した楽曲です。作詞をReolさんが手がけており、「マジカルミライ」の鏡音リン・レン 10th Anniversary テーマソングとして発表されました。畳みかけるような譜割りが特徴です。

音程よりリズムの精度で印象が変わる曲です。細かい言葉が続く箇所は、メトロノームに合わせて歌詞を音読する練習を先に入れておくと、録音時のずれを減らせます。

ジャンキーナイトタウンオーケストラ/すりぃ

2019年12月発表、鏡音レンを使用した楽曲です。跳ねたビートの上を早口で進む構成で、すりぃさんの代表曲の一つに挙げられます。

跳ねたリズムと早口が同時に来ると、どちらかが崩れやすくなります。まずリズムだけを体に入れてから言葉を乗せる順番にすると、両方を追いかけずに済みます。

タイプ3:展開の大きいドラマ型ロック5曲

静かなパートと厚いパートの差が大きいタイプです。速さそのものより、抑えるところをどれだけ小さく歌えるかで仕上がりが決まります。声量で差をつけようとすると音程が不安定になりやすいので、息の量とマイクとの距離で表情を作るほうが安定します。

炉心融解/iroha(sasaki)

2008年12月発表、鏡音リンを使用した楽曲です。作詞はkumaさんが担当しています。抑えた前半からサビで開ける構成で、初期のボカロ曲の中でも長くカバーが続いている1曲です。

山場はサビの入りです。前半から声を張ると落差がつかないため、Aメロは息を多めに混ぜて軽く歌い、サビで芯のある声に切り替える組み立てが機能しやすくなります。

独りんぼエンヴィー/koyori(電ポルP)

2012年11月発表、初音ミクを使用した楽曲です。静かな入りから徐々に厚みが増していく構成で、バンドサウンドの盛り上がりがはっきりしています。

難所は、盛り上がる箇所で力任せに張ってしまうことです。序盤を小さく歌えていれば、サビは普通に歌うだけでも十分な対比になります。

敗北の少年/kemu

2013年5月発表、GUMIを使用した楽曲です。速いテンポを保ちながら大きな展開を持つ構成で、kemuさんの作品の中でも起伏の大きい部類に入ります。

速さと展開が同居しているため、通しで練習すると疲れだけが残りやすい曲です。パートごとに区切って録り、うまく歌えたテイクを残していく方法をおすすめします。

ウミユリ海底譚/n-buna

2014年2月発表の初音ミク曲です。浮遊感のあるギターサウンドと大きな起伏を組み合わせた構成で、n-bunaさんの名前を広く知らせた1曲とされています。

意識したいのは音色の統一です。静かなパートと開けるパートで声の出し方が変わりすぎると、別の人が歌っているように聞こえることがあります。強さは変えても、響かせる場所は揃えておくとまとまります。

妄想感傷代償連盟/DECO*27

2016年11月発表の初音ミク曲です。テンポは速いものの、緩急がはっきりしたロックサウンドになっています。

この曲で差が出るのは、抑えるパートの作り込みです。全体が速いぶん、どこで力を抜くかを決めておかないと平坦に聞こえます。1回目のサビと最後のサビで出力を変える設計にすると、曲の形が見えやすくなります。

ロック系の曲を録音するときに気をつけたいこと

選曲が決まったあと、録音・投稿までにつまずきやすい点を整理しておきます。

  1. 録音レベルはいちばん大きく歌う箇所に合わせる:ロック曲はサビで音量が跳ね上がります。最終サビを一度歌ってレベルを決めてから、本番の録音に入ってください
  2. ブレスの位置は先に紙に書き出す:速い曲ほど、歌いながら考える余裕はありません。吸う場所を決めてから練習に入ると、後戻りが減ります
  3. キーは通し録りを前提に決める:1コーラス歌えることと、最後まで声が保てることは別の話です
  4. オフボーカル音源の配布条件を先に確認する:カラオケ音源の有無や利用条件は曲ごとに異なります。オフボーカル音源の探し方と扱い方で確認の手順をまとめています

まとめ:ロック曲は「勢い」より「設計」で決まる

  • ロック系のボカロ曲は、疾走型・高速型・ドラマ型に分けて考えると、自分に合う曲を見つけやすくなります
  • 高速型は息継ぎの設計が最優先です。練習より先に、吸う位置を決める作業を済ませてください
  • オケに埋もれると感じたときは、声量を上げるより子音をはっきり出すほうが効きます
  • ドラマ型は、盛り上がりを強くするより静かな部分を小さくするほうが対比がつきます

さらに歌いごたえのある曲を探している方は歌いごたえのある難しいボカロ曲を、近年の曲を中心に探すなら2020年代のボカロ曲おすすめ15選もあわせてご覧ください。



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