歌い終わりやサビの最後で、
歌声を伸ばすテクニックをロングトーンと言います。
長くキレイに伸ばしている歌声を聴くと、
「かっこいいなぁ…。」と思います。
実は、ほとんどの曲で
ロングトーンを使うところがあります。
そのため、ロングトーンの練習は
ボイストレーニングの中でも重要です。
そこで、今回は
ロングトーンの練習法をお伝えします。
ロングトーンとは?
ロングトーンとは、
一定の音を長く伸ばすことです。
フレーズの終わりや
サビの最後でよく使われます。
声を伸ばすだけならまだしも、
高音をキープするのはキツイです。
ロングトーンは比較的、高音の部分で
よく使われるのがネックです。
ただ伸ばすだけと思われがちですが、
意外と奥が深いものです。
キレイなロングトーンを出すことは
しっかりとした発声の基礎が必要です。
身につけるメリットと魅力
サビ終わりや間奏に入る前の部分、
歌の最後の部分を長く伸ばしたりするのに
使われるロングトーン。
これがあるとないでは
その歌の魅力が大きく変わってしまいます。
音程がズレることなく伸びのある
艶やかなロングトーンがあると、
それだけで歌全体が良く聞こえてしまうほどの
魅力をつくり出せてしまう
歌の印象を左右しやすい歌唱テクニックの1つです。
ただ、ロングトーンは
しっかりと練習を積まなければ
途中で声がかすれてしまったり、
音程がズレてしまったりするものです。
上記のようなミスは、
歌自体の魅力も一気に下がってしまう
原因にもなります。
それだけ歌のキーポイントとなる部分なのです。
Orangestarさんの「アスノヨゾラ哨戒班」
ASIAN KUNG-FU GENERATIONさんの
「リライト」はロングトーンが効果的に使われています。
実際に聞いてみるとわかるのですが、
ロングトーンが使われているだけで
かなりかっこよく感じます。
特徴的な曲1. アスノヨゾラ哨戒班
0:34〜 「空へ舞う世界の彼方」
特徴的な曲2. リライト
1:14〜 「決して リライトして」
ロングトーンの練習法
それでは、早速、
ロングトーンの練習に入りましょう。
まずは、出しやすい音で
「あー」と息が続くまで長く伸ばします。
なるべく同じ息の強さで、
音程をキープすることを意識しましょう。
時計を見て、どれだけ長くできるか
自分の実力を把握しましょう。
30秒ほど出し続けることができれば
一旦、OKです。
最初はロングトーンを30秒出すことは
難しいかもしれません。
10秒、15秒で
息が切れてしまう方もいるはず。
ロングトーンは継続して練習すれば、
少しずつ長く出しやすくなります。
ぜひ頑張ってください。
30秒キープすることができるようになったら、
音程を変えてみたり、言葉を変えてみましょう。
低い声でも、高い声でも伸ばせて、
キープできるようになればバッチリです。
ロングトーンのポイント・コツ
「必死に頑張って、声を伸ばしてるなあ…。」
聴いている人がそう感じてしまう歌い方は
決して上手いとは言えません。
ロングトーンのポイントは、
キレイに・長く・ブレずに伸ばすことです。
この3点が非常に重要ですので、
必ず頭に入れてください。
キレイに歌声を伸ばすためには、
発声の基礎ができていることが必須です。
喉が開いていて、リラックスができていないと
辛そうな歌声になってしまいます。
無理やり声を伸ばしていても、
かっこいいとは思いません。
また、腹式呼吸ができていないと、
声を伸ばし続けることは難しいです。
途中で息が切れてしまうか、
段々と声が小さくなってしまいます。
そして、同じ音程をキープするのは
かなり難しいです。
同じ音を出しているつもりでも、
実はブレているということがほとんど。
同じ音程を保ち続けるためには、
息と喉まわりの力加減を合わせる練習が必要です。
しっかりと息を吸う
ロングトーンを成功させるためには、
十分な息の量を吸い込むことが必要です。
腹式呼吸単独だと十分息が吸えるのに、
歌の途中では吸い込みが
浅くなってしまうということもあります。
これではロングトーンが続かず、
途中でバテてしまうでしょう。
メトロノームを使いながら
「7拍吐いて1拍吸う」を繰り返してみましょう。
1拍で息を一気に吸い込み、
7拍の間にすべての息を吐き切る。
これは1拍で吸える息の量を
増やすことが目的です。
繰り返すうちに無駄な力が抜け、
瞬間的に多くの息を
吸いやすくなります。
息を吐きすぎない
吐く息の量をコントロール
することも重要です。
サビの部分をたっぷりと
歌い上げるためには、
フレーズの最後まで息が続くように
頭に入れて息をコントロールしなければなりません。
この場合にも、「ロングトーンの練習では
息が続くのに、歌になると続かない」
という場合があります。
「この曲ではロングトーンを
使うことがあるから、
それまでの部分は息を
使いすぎないようにしよう」
と軽く意識するだけでも違います。
動きを止める
一定量で吐く息に声を乗せるためには、
声帯を動かす筋肉の力加減を
息の量に合わせることが重要です。
声帯に力を入れすぎると
息の量が多く必要になり、
力が弱いと声が切れてしまいます。
力の入れ具合をうまく
コントロールするためには、
声帯周りに余計なストレスを可能な限り
与えない工夫が必要です。
体や顔を動かすと声帯にも
力が加わってしまい、
息の量とのバランスが取りにくくなります。
ロングトーンの練習中にはできるだけ
身体を動かさないようにしましょう。
ロングトーンができない原因
「ロングトーンを出そうとしても、
弱々しくなってしまう…。」
「最後までしっかり伸ばしきれない…。」
ロングトーンが上手くできない場合は
何らかの原因があります。
よくある原因としては、
- 息を使いすぎている
- 余計な力が入っている
の2つが挙げられます。
ロングトーンを長く伸ばすためには、
必要最低限の息で声を出す必要があります。
また、喉の周りが力んでいると、
パワフルなロングトーンは出ません。
まずは腹式呼吸ができているかどうか、
チェックしましょう。
また、一定の息の量を出す練習として
リップロール・タングトリルがあります。
合わせて練習することで、
ロングトーンの練習も進めやすくなります。
詳しくはこちらをご覧ください。
練習のロングトーンと、曲の中のロングトーンは別物
「練習では伸ばせるのに、曲になると最後まで持たない」という相談はよくあります。これは練習が足りないというより、条件が違うために起きます。練習では息を吸い切った状態から始められますが、曲の中では直前のフレーズを歌い終えた残りの息で伸ばすことになるからです。
そして実際の曲で必要な長さは、思っているほど長くありません。伸ばす箇所の多くは数秒から十数秒の範囲に収まります。練習で伸ばせる秒数は、本番で余裕を持つための幅だと考えると、曲に落とし込みやすくなります。
- 伸ばす箇所の直前で、息がどれくらい残っているかを確かめる
- その手前のフレーズで息を使いすぎていないかを見直す
- 吸う場所を1か所ずらすだけで足りることもある
息を吸う場所そのものの作り方はブレスノイズを消すコツで扱っています。
「伸びない」と「揺れる」は分けて考える
ロングトーンがうまくいかないと感じるとき、長さが足りないのか、長さは足りているのに音が落ち着かないのかで、次にやることが変わります。自分がどちらなのかを先に決めてしまうほうが、遠回りが減ります。
| 感じていること | 近い問題 | 進む先 |
|---|---|---|
| 途中で息が尽きる | 息の配分 | この記事の練習法を、短い秒数から |
| 音が細かく波打ってしまう | 安定のしかた | ロングトーンの揺れを止めるコツ |
| 意図して揺らしたい | 表現の選択 | 3種類のビブラートの使い分け |
まっすぐ伸ばすことと、意図して揺らすことは別の技術です。順番としては、まっすぐ保てる状態を先に作ってから揺らす側に進むほうが整理しやすいと説明されることが多いです。意図しない揺れをそのままビブラートとして使おうとすると、揺れ幅も速さも毎回変わってしまい、歌の中で扱いにくくなります。
伸ばした音を自分で確かめる
伸ばしている最中は、自分の声が思ったほど正確には聞こえていません。頭の中で鳴っている音と、外に出ている音がずれるためです。確かめ方をひとつ決めておくと、毎回の練習を同じものさしで比べられるようになります。
- 同じ高さ・同じ長さを、毎回同じ距離で録っておく
- 聴き返すときは、出だし・中間・終わり際の3か所に分けて聴く
- 日付を入れて残し、1日ごとではなく週単位で並べて眺める
終わり際を分けて聴くのがおすすめです。息が減ってくる最後の1、2秒で音程が下がったり、息の音だけが残ったりしていないかは、歌っている最中には気づきにくい部分です。録音を使った見直しの手順は録音でセルフ添削するやり方にまとめています。
結局、肺活量は必要?
タイトルの問いに答えると、肺活量が大きいことは不利にはなりませんが、ロングトーンの長さは、吸える量よりも「伸ばしている間にどれだけ息を使うか」に左右されやすいと説明されることが多いです。同じ量を吸っていても、息が声にならずにもれていれば、そのぶん早く尽きます。
自分がどちらに近いかは、次の比べ方で目安がつきます。
- 楽に吸ってから、歯のすき間から「スー」と細く吐き、続いた秒数を測る
- 同じように吸ってから、楽な高さで「アー」と伸ばし、秒数を測る
- 2つの秒数を比べる
| 結果 | 考えられること | 見直す先 |
|---|---|---|
| 「スー」も「アー」も短い | 吸う量や吸い方 | 息が続かない原因と続かせるコツ |
| 「スー」は長いのに「アー」だけ短い | 声にするときに息がもれている | 息の支え・声の支えとは |
| どちらも長いのに曲では続かない | 曲の中での息の配分 | 上の「練習と曲は別物」の節 |
伸ばす長さと終わり方を、先に決めておく
ロングトーンが不安定に聞こえる理由の一つに、どこで終えるかが決まっていないことがあります。息がなくなったところで終わる伸ばし方だと、語尾の音量や音色が毎回変わってしまいます。
原曲を聴いて、伸ばしている音が何拍ぶん続くかを数えておくと、練習でも本番でも同じ長さで切りやすくなります。次のフレーズの前で吸う必要があるときは、少し早めに切るのも選択肢です。
| 終わり方 | 聞こえ方 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 音量を保ったまま切る | はっきりした印象 | 切る瞬間に息を押し出さない |
| 少しずつ小さくして消す | 余韻が残る | 小さくしながら音程を下げない |
| 最後に息を混ぜて抜く | やわらかい印象 | 毎回使うと癖に聞こえやすい |
音量を変えても音程を保てるかは、同じ高さで「大きく→小さく」と伸ばして録音すると確かめられます。伸ばしたあとの休符の使い方は歌の「間」の取り方でも扱っています。
歌詞の母音のまま練習しておく
練習では「あ」で伸ばせるのに曲だと崩れる場合、伸ばしている歌詞の母音が違うことがあります。「い」「う」は口の開きが小さく、「あ」「お」と同じつもりで伸ばすと響き方が変わって聞こえやすくなります。曲で伸ばす箇所が決まったら、その母音のまま秒数を伸ばしておくと、本番との差が小さくなります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
この記事を読んで、
ロングトーンを練習したくなった、
ロングトーンが良くなるための
ヒントを得られたのであれば幸いです。
ロングトーンが使えるようになると
とても強い武器になります。
歌い手は競合が多く、
頭ひとつ抜けるためには
他にはない魅力で圧倒する必要があります。
ぜひかっこいいロングトーンを手に入れて
あなただけの歌い手としての
武器を手に入れてください!

























