共鳴できているか確かめる方法|響いている声のセルフチェック

共鳴できているか確かめる方法|響いている声のセルフチェック

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「共鳴を意識して歌いましょう」と言われても、特に困るのは自分がいまできているのかどうか分からないことではないでしょうか。響いている気はする、でも気のせいかもしれない。練習を続けていいのか、やり方が間違っているのか判断がつかない。よくある行き詰まり方です。

結論から書くと、共鳴は「気持ちよさ」では判定できません。判定に使えるのは振動の位置、鼻をつまんだときの音色の変化、そして録音での聴こえ方の3つです。どれも自宅で、機材なしか、スマホ1台で確認できます。

この記事は「できているかどうかを確かめる」ことだけに絞ってまとめます。できていなかった場合の直し方は、それぞれの原因に対応した記事へご案内します。仕組みそのものを先に知りたい方は共鳴腔とは?声が響く仕組みと3つの共鳴腔【ボイトレ基礎】からどうぞ。

結論:判定に使えるのは「振動」「音色の変化」「録音」の3つ

歌っている本人は、自分の声を空気の振動と骨伝導の両方で聞いています。骨伝導の分は他人には届かないので、本人の耳には響いて聞こえるのに録音では痩せている、ということが普通に起こります。逆に、本人は物足りないのに録音だと十分鳴っている場合もあります。

だからこそ、感覚だけに頼らない判定材料が必要になります。3つの材料の性質は次のとおりです。

チェック分かること必要なもの所要
手を当てて振動を探すどこが鳴っているか(位置)手だけ1分
鼻をつまむ鼻の奥を通っているか指だけ1分
録音して聴き比べる他人にどう届いているかスマホ5分

上から順に、確実さが増していきます。手を当てる方法は手軽ですが主観が混じりやすく、録音は主観の入りにくい材料です。時間があるなら3つ全部、なければ録音だけでも価値があります。

もう一つ覚えておきたいのは、共鳴は「できている/できていない」の二択ではないということです。低音では胸がよく鳴るのに高音になると何も感じない、という人はたくさんいます。判定するときは音域をひとまとめにせず、低音・中音・高音を分けて確認すると、自分の弱点がどこにあるのかがはっきりします。以下のチェックも、できれば3つの音域でそれぞれ試してみてください。

チェック1:手を当てて振動の位置を探す

基本になる確認です。声を出しながら、次の3か所に手や指を軽く当てます。強く押さえると振動が伝わりにくくなるので、触れる程度にしてください。

胸(鎖骨の下あたり)

低めの音で「んー」とハミングします。手のひらにビリビリした振動が返ってくれば、胸のあたりが鳴っている状態です。低音域で何も感じない人は、胸の響きが使えていない可能性があります。この場合は胸腔共鳴(チェストレゾナンス)の感覚とやり方【低音・中音に厚みを出す】へ。

鼻の脇(小鼻の横)

中くらいの高さで同じくハミングし、小鼻の横に人差し指を添えます。細かい振動を感じれば、鼻の奥を音が通っている合図としてよく紹介されます。

頬骨のあたり

少し高めの音で試します。高音域では振動を感じる位置が上や奥に移っていく、という感覚表現がよく使われます。胸から頬へ、音程に応じて感じる場所が動くなら、響きの移動ができている目安になります。

判定の基準は「振動があるか」より、「音程を変えたときに位置が動くか」です。どの音でも同じ場所しか震えない場合は、響きを1か所で固定して歌っている可能性があります。

チェック2:鼻をつまんで音色が変わるかを見る

鼻の奥を通っているかを確かめる、短時間で違いが分かりやすい方法です。手順はシンプルです。

  • 「あー」または「おー」を、いつもの歌声で伸ばす
  • 伸ばしたまま、指で鼻を軽くつまむ
  • 音色が変化するかを聴く

つまんだ瞬間に音がこもる、あるいは詰まった音に変わるなら、鼻の奥を音が通っていた証拠とされます。まったく変化がない場合は、鼻の共鳴を使っていない状態と考えられます。

ただしこのチェックには注意点があります。「ま行」「な行」「ん」はもともと鼻を通る音なので、これらで試しても全員が変化します。判定には使えません。必ず母音で試してください。

また、つまんでいない状態ですでに鼻づまりのような音がしているなら、それは共鳴ではなく鼻声寄りになっているサインかもしれません。両者の違いと直し方は良い歌声になる「鼻腔共鳴」のコツと感覚で扱っています。

チェック3:録音して明るさと距離感を聴き比べる

信頼度の高い方法です。スマホのボイスメモで十分なので、同じフレーズを2パターン録って並べます。

手順1:普通に歌う版と、響きを意識した版を録る

同じ曲の同じ8小節を、続けて2回録ります。マイクとの距離は必ず同じにしてください。距離が変わると比較になりません。

手順2:明るさを比べる

響いている声は、高い成分が増えて明るく聞こえる傾向があると言われます。どちらが明るいか、片方がこもって聞こえないかを確認します。

手順3:離れて聴く

スマホを部屋の反対側に置いて再生してみてください。響いている声は距離が離れても輪郭が残り、響いていない声は急に痩せて聞こえるという違いが出やすくなります。「近くでは大きいのに、離れると消える」なら、音量はあっても響きが足りていない状態と考えられます。

手順4:伴奏と重ねる

オケに乗せて聴き、声が埋もれないかを見ます。埋もれる場合、音量を上げる前に響きを疑ってみる価値があります。音が平べったく感じるなら響きのある歌声を手に入れよう!平べったい歌声の治し方が参考になります。

判定を間違えやすい3つの落とし穴

セルフチェックでつまずきやすいポイントを先に挙げておきます。

落とし穴何が起きているか
大きい声で判定してしまう音量を上げると振動は増えるので、響きの有無と区別がつかなくなる。小〜中音量で判定する
自分の耳だけで判断する骨伝導の分が乗るため、実際より響いて聞こえやすい
鼻声と混同する鼻に寄せすぎた音を「響いている」と誤認しやすい

特に1つ目は多いです。判定のときだけは、あえて小さめの音量で試してみてください。小さい音でも響きの位置が分かる状態が、練習としては扱いやすい状態です。

できていない場合によくある3パターン

チェックの結果、響きが感じられなかった場合、だいたい次のどれかに当てはまります。それぞれ対処が違うので、該当する記事へ進んでください。

パターンA:喉だけで鳴らしている

どこに手を当てても振動が薄く、少し歌うと喉が疲れるタイプです。声の通り道が狭いまま出している状態と説明されます。まずは胸の振動から探すのが取りかかりやすいとされます。低音域なら誰でも比較的つかみやすく、そこで「響いている状態」の見本を体で覚えてから上の音域へ広げていく、という順番が現実的です。

パターンB:鼻に寄りすぎている

鼻をつまむと大きく変化するが、音色がこもって聞こえるタイプです。共鳴ではなく鼻声寄りになっている可能性があります。見分けの目安は、口を大きく開けたときに音色が明るくなるかどうかです。開けても変わらず鼻寄りの音が続くなら、鼻に音が寄りすぎていると考えられます。

パターンC:息が逃げている

息もれの音が多く、振動も音色の変化も弱いタイプです。この場合は共鳴より先に、息と声帯のバランスを見たほうが早いことがあります。鼻腔の響きが掴めない状態が続くなら鼻腔共鳴ができない場合のトレーニングのやり方・コツのトレーニングから試してみてください。

判定に迷ったときの確認順序とまとめ

最後に、迷ったときになぞる順序を置いておきます。

  • 1. 低音ハミングで胸に振動があるか(なければ胸から着手)
  • 2. 母音で鼻をつまんで音色が変わるか(変わらなければ鼻の響きが未使用)
  • 3. 音程を上げたとき、振動の位置が移動するか(動かなければ固定して歌っている)
  • 4. 録音を離れて聴いて輪郭が残るか(残らなければ響き不足)
  • 5. オケに重ねて埋もれないか(埋もれるなら音色の密度不足)

1つでも引っかかれば、そこが今の課題です。全部クリアしていれば、共鳴については十分な土台ができていると考えてよいと思います。なお、ミックスボイスが出せているかどうかの判定は基準が別になります。そちらは本当に出せている?ミックスボイスの判定方法とセルフチェック法をご覧ください。

判定は1回で終わらせず、月に1回、同じフレーズを同じ方法で録って残しておくのがおすすめです。日々の変化は小さくても、3か月前の録音と並べると差が見えます。それが、感覚に頼らずに上達を確認できる確実性の高いやり方です。喉に痛みや違和感があるときは練習も判定も中断し、長引くようなら専門家に相談してください。

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