良い歌声になる「鼻腔共鳴」のコツと感覚

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歌声はただ出せばいいのではなく、
響かせることが大切です。

歌声を響かせることで、
膨らみのある温かい歌声になります。

「歌声がなんか平べったい…。」
と悩んでいる方は必見です。

 

歌声を響かせるテクニックも
響かせる場所によって名前がついています。

今回は、その中でも特に大切な
鼻腔共鳴についてお話します。

この鼻腔共鳴を身につけると、自然に声量が上がるだけでなく
声の印象も明るくなります。

 

鼻腔共鳴とは?

鼻腔とは、鼻の穴の奥の空間で
空気の通り道になるところを指します。

この空間に声を響かせることで、
膨らみのある温かい声を出すことを鼻腔共鳴と言います。

 

よく勘違いされやすいのですが、
鼻腔共鳴と鼻声は違います。

鼻声は、鼻に音は伝わってはいるものの、
力が入っているため共鳴しにくくなっています。

そのため、音が広がらず
鼻の中にこもってしまう現象です。

 

なぜ鼻腔共鳴が大切なのか?

一言で共鳴と言っても、共鳴する空間の大きさなどで
響く音域は異なります。

胸腔は低音域でよく響きますが、
高音域ではあまり響きません。

 

それに比べて、鼻腔は
低音でも高音でもよく響きます。

どの音でも同じような歌声を出すためには、
鼻腔共鳴がカギになるわけです。

 

鼻腔共鳴の感覚とコツ

鼻腔共鳴の感覚で大切なのは、
鼻が振動していることです。

鼻のつけ根を指で軽くつまんで、
「んー」と声を出してみましょう。

鼻が震えている感覚がすれば、
それが鼻腔共鳴です。

 

「ん」の音だと比較的出しやすいですが、
「あ」の音は意外と難しいです。

また50音によって、
鼻腔共鳴しやすい音としにくい音があります。

 

そこで、最初は「んー」と声を出し、
その感覚を意識したまま「あー」に変えましょう。

「んーあー」という感じです。

 

慣れるまでは歌っている時に、
鼻のつけ根を指でかるくつまむことをおすすめします。

その振動が一定の強さになっていれば、
きれいな鼻腔共鳴ができています。

個人的には、歌っている時に
鼻から少し息を出すイメージがわかりやすいと思います。

 

鼻腔共鳴の練習法

鼻腔共鳴の練習として、
ハミングがよく挙げられます。

ハミングのポイント・やり方などは
こちらの記事で紹介しています。

声の通りが良くなる!!ハミングの効果・やり方・練習法

2019.12.05

鼻腔共鳴ができているかを確かめるセルフチェック

鼻腔共鳴は「響いている感じ」という主観に頼りやすく、できているつもりでできていないことがよくあります。特別な機材がなくてもその場で確認できる方法がいくつかあるので、練習の前後に挟んでみてください。

チェック方法やり方響いているときの反応
小鼻タッチ小鼻(鼻の左右のふくらみ)に指を軽く当てて「んー」と声を出す指先に細かい振動が伝わってくる
鼻つまみ母音「あ」を伸ばしている途中で、鼻を指でつまむつまんだ瞬間に音色がこもる方向へ変わる
片鼻ふさぎ片方の鼻の穴だけをふさいで「んー」と発声するふさいだ側と反対側で響き方の差を感じる
録音で聴き比べ意識したときとしないときの同じフレーズを録る抜けの良さ・遠くまで届く感じに差が出る

鼻つまみテストの読み取り方

いちばん判断しやすいのが「鼻つまみ」です。声を伸ばしたまま鼻をつまんだときに音色がはっきり変わるなら、その声には鼻腔を通る成分が含まれていると考えられます。逆に、つまんでも音がほとんど変わらないなら、鼻腔にはあまり流れていない可能性があります。

ただし、変化があること自体は「良い声かどうか」とは別の話です。つまんだときにほとんど声が出なくなってしまう場合は、鼻に寄りすぎている状態、つまり後述する鼻声寄りになっていることがあります。「変わるけれど、つまんだままでも声として成立している」あたりが、ひとつの目安になります。

指で触るときのコツ

小鼻に指を当てるチェックは、押し込むと振動が伝わらなくなります。触れるか触れないかの強さで当ててください。また、大きな声を出せば振動は感じやすくなりますが、それは声量で押しているだけのこともあります。ふだん歌うくらいの音量で試すほうが、実践に近い判断ができます。

「鼻腔共鳴」と「鼻声」を分けているもの

この2つを混同したまま練習すると、鼻に寄せれば寄せるほど歌が聞きづらくなる、という遠回りをしがちです。ここは丁寧に切り分けておきましょう。

比べる点鼻腔共鳴鼻声(閉鼻声・開鼻声)
口の中の状態口腔にも空間があり、両方が鳴っている口腔がつぶれ、鼻の通り道だけが目立つ
音の印象芯があり、前へ抜けていくこもる、または「アヒルっぽい」平たさが出る
子音の聞こえ言葉がはっきりしているマ行・ナ行以外もナ行寄りに聞こえがち
力の入り方あご・舌の根元がゆるんでいる舌の奥や軟口蓋あたりに力が入りやすい

「口腔が先」という考え方

ボイストレーニングの解説では、鼻腔共鳴は口腔共鳴が成り立っている上に乗るものと説明されることが多くあります。口の中の空間がつぶれた状態で鼻にだけ息を送ると、鼻声側に振れやすい、という整理です。鼻に響かせようとしてうまくいかない人は、鼻を頑張る前に口の中の空間を確保するほうが近道になることがあります。口の中の作り方は口腔共鳴のやり方で、3つの共鳴腔全体の関係は共鳴腔とは?声が響く仕組みと3つの共鳴腔で解説しています。

なお、鼻づまりがあるときは鼻腔側の響きが得にくくなります。体調によって感覚が変わるのは自然なことなので、うまくいかない日を「下手になった」と受け取らないでください。調子が戻ってから改めて確認してみてください。

ハミングから母音につなげる4ステップ

「んー」では響くのに、歌詞になると消えてしまう——これは鼻腔共鳴でいちばん多い相談です。ハミングと歌の間には距離があるので、途中の段階を用意して橋を架けます。

ステップ内容確認すること
1口を閉じて「んー」。ラクな中音域で10秒小鼻に振動があるか
2「んー」のまま3音のスケールを上下する音が変わっても振動が消えないか
3「んーあー」「んーおー」と母音へ移行口を開いた瞬間に響きが落ちないか
4マ行・ナ行の多い歌詞で1フレーズ歌うフレーズの途中で保てるか

移行でつまずいたときの中間ステップ

ステップ3で急に響きが落ちる場合は、「ん」と「あ」の間に狭い母音をはさむとつながりやすくなります。「んーうー」「んーいー」のように口の開きが小さい母音を経由し、そこから少しずつ開いていく順番です。いきなり「あ」まで開くと口の中の形が大きく変わるため、響きが途切れやすいのだと説明されます。

ステップ4で使う歌詞は、鼻音(マ行・ナ行)を多く含む言葉を自分で作ってしまってかまいません。「まみむめも」「なにぬねの」を音程に乗せるだけでも練習になります。ハミングそのものの詳しいやり方はハミングの効果・やり方・練習法にあります。

うまくいかないときのチェックポイント

手順どおりにやっても感覚がつかめないときは、鼻より手前に原因があることがほとんどです。上から順に確認してみてください。

  1. あごに力が入っていないか——歯を軽くかみしめたまま発声していると、口の中の空間が確保できません。あごの力を抜き、指1本分ほど奥歯を離した状態で試します
  2. 舌の奥が持ち上がっていないか——舌根が上がると口腔がふさがり、音が鼻側にしか行き場を失います。舌先を下の前歯の裏に軽く置くところから確認します
  3. 息を強く出しすぎていないか——響きは息の勢いで作るものではありません。息だけ増やすと、鼻から抜ける音が荒くなりがちです
  4. 喉が締まっていないか——喉まわりが固まると、共鳴させる空間そのものが小さくなります。あくびをする直前のような、喉の奥が広がった状態から入り直すと変わることがあります
  5. 音域を欲張っていないか——いきなり高音で試すと、他の要素が邪魔をして判断できません。まずはラクに出る中音域で感覚を固めます

「響かせすぎ」にも注意する

鼻腔共鳴は多ければ多いほど良い、というものではありません。鼻側に寄せすぎた声は、単体で聞くと響いているようでも、オケに混ぜると抜けはするけれど芯が足りないという結果になることがあります。実際の歌では、曲調やパートに応じて鼻腔・口腔・胸腔のバランスを変えるのが一般的です。使い分けの考え方は鼻腔・口腔・胸腔共鳴の使い分け方を参照してください。

どうしても感覚がつかめないまま行き詰まったときは、別のアプローチをまとめた鼻腔共鳴ができない場合のトレーニングのやり方・コツや、鼻声側から整える鼻声になる原因と治し方もヒントになるはずです。



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