突然ですが、あなたは
どのように声が出ているか知っていますか?
産まれた頃にはもう声を出していたので、
意識したことがないでしょう。
ただ、ボイトレをする上では
絶対に知っておいた方が良いです。
発声の仕組みを知ることで、
良い声を出すためのヒントが隠されています。
また理解して練習をした方が
効果が出やすいです。
そこで、今回は
発声の仕組みを解説しようと思います。
ちょっと理論的なことになりますが、
わかりやすく解説するので安心してください。
発声の仕組みとは?
普段、話している時は
ほとんど無意識に発声しています。
声を出すためには、
4つのステップを踏んでいます。
このステップを知ることで、
上手く歌えない時の解決策のヒントになります。
意識して練習することで、
正しい発声を身体が覚えます。
1:肺から息を出す
空気は肺に貯められていて、
気管支を通って出ていきます。
その空気が声帯のすき間を通って、
音を作り出します。
腹式呼吸という言葉を
よく聞くことがあると思います。
安定した歌声を出すためには
息をコントロールする必要があります。
腹式呼吸について詳しく知りたい方は
こちらの記事をご覧ください。
2:声帯を振動させる
息が声帯のすき間を通る際に
声帯が振動します。
この声帯が振動した音が
声の原型なのです。
声帯がベターっとくっついていると
低い声が出ます。
逆にちょっとしかくっついていないと
高い声を出すことができます。
声帯のすき間の広さやくっついている長さで
様々な音を作ることができます。
3:声を共鳴される
声帯が振動した音は
とても小さくて聴こえません。
そのため身体を使って、
音を響かせる必要があります。
エレキギターとアコギの違いを
考えてもらうとわかりやすいかもしれません。
エレキギターはアンプに繋がないと、
あまり大きな音は出ません。
ただアコギはアンプに繋がなくても、
まあまあ大きい音が出ます。
というのも、アコギには
胴体に空洞があります。
この空洞に音が響くことで、
音が大きくなっているのです。
同様に体にある空洞を使って、
音を響かせて大きくします。
その体にある空洞のことを
共鳴腔と言います。
4:言葉を発音する
身体に響かせた音を
口などを使って発音します。
そうしてやっと、
言葉として認識することができます。
発音は口の形や舌の動きだけでなく
表情などでも変えられます。
発音ひとつとっても、
種類がたくさんあり奥が深いです。
4つのステップから「うまくいかない原因」を切り分ける
発声の流れを知っておくと便利なのは、不調を感じたときに、どこを見直せばよいかの当たりがつけられる点にあります。歌っていて思うようにいかないとき、多くの人は「もっと練習が必要だ」とだけ考えてしまいがちですが、原因になっているステップが違えば、やるべき練習も変わります。よくある症状を、4つのステップに当てはめて整理しました。
| 感じている症状 | 関係しやすいステップ | まず試すこと |
|---|---|---|
| フレーズの後半で音量が落ちていく | 1:息 | 吐く量を一定に保つ練習から入る |
| 語尾が揺れる・音程が下がる | 1:息 | フレーズを短く区切って吐き切らない |
| 息もれが多く、芯が弱く感じる | 2:声帯 | 小さい音量で、はっきりした発音から確認する |
| 高い音で力んで硬くなる | 2:声帯 | 音量を落として同じ高さを出せるか試す |
| 録音すると伴奏に埋もれる | 3:共鳴 | 口の開き・喉の空間を変えて録り比べる |
| こもって聞こえる | 3:共鳴 | 舌が奥に引けていないか確認する |
| 歌詞が聞き取りにくいと言われる | 4:発音 | 子音だけを立てて読む練習を入れる |
| 速いフレーズで言葉が転ぶ | 4:発音 | テンポを落として言葉だけを先に固める |
ここで大切なのは、症状ひとつに対して原因はひとつとは限らないということです。表はあくまで最初に疑う場所の目安として使い、試してみて変化がなければ次のステップを見に行く、という進め方が現実的です。なお、痛みや違和感が続く場合は練習で解決しようとせず、休むことを優先してください。
ステップごとに自分の状態を確かめる方法
感覚だけで判断すると、直したつもりで別のところが変わっていることがあります。録音を使って、ステップごとに切り分けて確認していきます。
息だけを取り出して確かめる
曲に合わせて、声を出さずに「スー」と息だけでフレーズをなぞります。声が乗っていない状態でも息が足りなくなるなら、原因は息の使い方や配分の側にある可能性が高くなります。逆に息だけなら余裕があるのに、歌うと足りなくなる場合は、声にするときの息の消費量が多い状態だと考えられます。
声帯まわりを、音量を落として確かめる
同じフレーズを、ささやくくらいの小さい音量で歌ってみます。音量を下げても音程と発音を保てるかが確認したい点です。小さくすると音程が不安定になる場合、大きな声の勢いでカバーしていた部分があると考えられます。無理に大きな声で押し切る癖がついていないかを見るのに使える方法です。
共鳴を、条件を変えて録り比べる
同じ高さ・同じ音量で、口の開き方だけを変えて2〜3テイク録ります。あくびをするように喉に空間を作った状態と、口をあまり動かさない状態では、録音での聞こえ方が変わります。変えるのは一度に1つだけにしておくと、何が効いたのか分かりやすくなります。録音の条件をそろえる方法はカラオケでの録音のやり方もあわせて確認しておくと再現しやすくなります。
発音を、歌わずに確かめる
歌詞をメロディなしで、リズムだけに乗せて読み上げます。言葉が転ぶ箇所は、歌にする前の段階でつまずいていることが多いためです。読めない言葉は歌えないという前提で、先に言葉のほうを固めてしまうと、練習の効率が上がりやすくなります。
4ステップを使った15分の練習メニュー例
仕組みを知っただけでは練習にならないので、そのまま順番に通せる形にしておきます。時間配分は目安です。
- 息(3分):一定の量で長く吐く。途中で強くならないように保つ。曲に合わせて息だけでフレーズをなぞる
- 声帯(4分):小さい音量で、無理のない高さを行き来する。力まずに出せる範囲を確認する
- 共鳴(4分):同じ音を、口の開きや喉の空間を変えながら伸ばす。響き方の違いを聴き分ける
- 発音(2分):歌詞をリズムに乗せて読む。子音をはっきりさせる
- 通し(2分):1曲またはワンコーラスを通して録音する
最後の通しを必ず録っておくのがポイントです。ステップごとの練習が、実際の歌にどう出たかを確認する材料になるためです。毎回すべて聴き返す必要はありませんが、残しておけば後から比べられます。
順番を入れ替えないほうがよい理由
息 → 声帯 → 共鳴 → 発音という並びは、声ができあがっていく流れそのものです。土台になる息が不安定なまま共鳴の調整をしても、結果が毎回変わってしまい判断が難しくなります。前の段階が安定してから次に進むようにすると、変化の原因が追いやすくなります。
用語が出てきて分かりにくいと感じたときは歌い手用語辞典を、そもそも自分の声に合っていない高さで練習していないか気になる場合は自分に合うキーの選び方を先に確認しておくと、練習が空回りしにくくなります。
話し声と歌声は、何が違うのか
発声の仕組みそのものは同じでも、話すときと歌うときでは使い方が変わります。その違いは歌う声と話し声の違いで扱っています。























