別撮りした歌声と動画を合わせる方法|音声と映像の同期の取り方

別撮りした歌声と動画を合わせる方法|音声と映像の同期の取り方

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歌ってみたの声はオーディオインターフェースとマイクでしっかり録り、映像はスマホで撮る。顔出しや手元の映像を入れたいとき、こうした「別撮り」はよく使われる方法です。ところが、編集ソフトに並べてみると口の動きと声が合わない、合わせたつもりでも後半になるとずれてくる、という壁にぶつかりがちです。

この記事では、別々に録った歌声と映像を合わせる方法を、撮影前の準備、編集ソフトでの合わせ方、口パクで撮る場合のコツ、長い動画でずれていくときの確認の順に解説します。一枚絵のMVの作り方や、書き出し設定が原因の音ズレについては別の記事にまとめているので、ここでは「別撮りした音と映像の同期」に絞ってお話しします。

手順そのものはシンプルです。撮る前に一つ準備をしておくだけで、編集での手間は大きく減らしやすくなります。

結論:合図を入れて撮り、波形で合わせ、最後まで確かめる

別撮りの同期は、次の3つの段階で考えると迷いにくくなります。

段階やることポイント
撮る前録音とスマホ撮影の両方に、同じ合図の音を入れる手拍子を1回、カメラに手が映る位置で
編集で合わせる合図の位置、または波形の形で音と映像の位置をそろえる自動同期の機能があれば先に試す
確かめる冒頭・中盤・終盤の3か所で口の動きと声を見比べるプレビューではなく書き出したファイルで判断する

手間を減らす近道は、スマホ側でも音を録っておくことです。スマホのマイクで録れた音は作品には使いませんが、本番の歌声と位置を合わせるための「目印」として役に立ちます。

撮る前の準備:両方に「同じ音」を入れる

スマホの音は消さずに録っておく

スマホで撮影するときは、カメラアプリの音声もそのまま録っておきましょう。スマホのマイクにも、あなたの歌声が小さく入ります。この音とインターフェースで録った歌声は同じ演奏なので、編集ソフト上で波形の形を見比べれば、どこで重なるかを見つけやすくなります。

始める順番を決めておく

毎回同じ順番で始めると、合図を入れ忘れにくくなります。おすすめの流れは次のとおりです。

  1. DAW(またはレコーダー)で録音を開始する
  2. スマホで撮影を開始する
  3. カメラに手が映る位置で、手拍子を1回はっきり鳴らす
  4. 少し間をあけてから、伴奏を流して歌う
  5. 歌い終わったら、撮影を止めてから録音を止める

手拍子は、映画の撮影で使われるカチンコの代わりです。音の波形では鋭い山として、映像では手が合わさった瞬間として、両方に同じタイミングの目印が残ります。歌い終わりにもう1回手拍子を入れておくと、あとで最後のほうのずれを確かめるときに役立ちます。

撮影の設定もそろえておく

スマホの録画設定は、フレームレートを30fpsなどに固定しておくと編集が楽になります。スマホの録画はフレームレートが一定でない場合があり、編集ソフトによっては後半に向けてずれる原因になります。この点は歌ってみた動画(MV)の作り方の音ズレの節で詳しく解説しています。画角や明るさ、スマホでの音の録り方はオーディションの歌唱動画の撮り方も参考になります。

編集ソフトで合わせる3つの方法

方法1:手拍子の位置で手動で合わせる

どの編集ソフトでも使える基本の方法です。

  1. 映像(スマホの音付き)と、インターフェースで録った歌声を別々のトラックに並べる
  2. タイムラインを拡大し、両方の波形で手拍子の鋭い山を探す
  3. 歌声のクリップを動かし、2つの山の位置をそろえる
  4. 映像を1コマずつ送り、手が合わさった瞬間と音の山が合っているかを確かめる

多くの編集ソフトでは、クリップを選んで矢印キーを押すと1フレームずつ動かせます。30fpsの動画なら1フレームは約33ミリ秒なので、波形の山がほぼ重なったら、あとは1フレーム単位で前後させながら口の動きと見比べます。

方法2:波形による自動同期を使う

編集ソフトによっては、2つの音の波形を比べて自動で位置を合わせる機能があります。たとえばDaVinci Resolveでは、メディアプールで映像と音声のクリップを選んで自動同期を実行するときや、タイムライン上でクリップを整列するときに、タイムコードか波形かを選べます。Blackmagic Designの新機能ガイドによると、バージョン19からは波形で合わせる際にどの音声チャンネルを比較に使うかも選べるようになりました。

自動同期がうまくいかない場合は、スマホ側の音が小さすぎる、部屋の雑音が多い、といった原因が考えられます。手拍子の位置で手動合わせに切り替えれば、ほとんどの場合は対応できます。

方法3:耳で「二重に聞こえない」位置を探す

スマホの編集アプリなど、波形が見にくい環境では耳も頼りになります。スマホの音と歌声を両方鳴らした状態で歌声の位置を少しずつ動かすと、ずれているときは声が2回聞こえ、近づくにつれて1つの声に重なっていきます。ぴったり重なると、こもったような独特の響きに変わるので、そこが合った位置の目安です。

位置が決まったら、スマホ側の音はミュートするか削除しておきましょう。残したままだと、部屋の響きが混ざった音が重なって聞こえてしまいます。iMovie(Mac)のように、映像クリップから音声を切り離す機能(「オーディオを切り離す」)があるソフトでは、切り離してから音量を0にすると扱いやすくなります。

口パク(当て振り)で撮る場合のコツ

録音を先に済ませ、完成音源を流しながら撮る

歌いながら撮影するのが難しい環境では、先に録音とMIXを済ませ、その完成音源を流しながら口の動きを撮る方法もあります。この場合も、撮影中に流している音源をスマホのマイクに拾わせておけば、編集で波形を見比べて合わせることができます。

  • 音源は、編集で使う完成音源と同じファイルを流す(テンポや長さが違う版を流すと後半でずれる)
  • 曲の頭に数秒の無音とカウントを入れておくと、撮影のタイミングを取りやすい
  • 声を出さずに口だけ動かすより、小さく実際に歌ったほうが口の形や喉の動きが自然に見えやすい

子音の口の形を意識する

見ている人が音と口のずれに気づきやすいのは、「ぱ」「ま」「ば」のように唇を閉じる音です。口パクで撮るときは、こうした音で唇がはっきり閉じるように意識すると、編集で合わせたときにずれが目立ちにくくなります。弾き語りで手元を映す場合は、指の動きと音のずれも目立ちやすいので、弾き語りの歌い方入門もあわせて確認してみてください。

長い動画で少しずつずれていくときの確認

冒頭・中盤・終盤の3か所で見る

冒頭を合わせて安心してしまうと、後半のずれに気づけないことがあります。合わせたあとは、曲の冒頭・中盤・終盤の3か所で、口の動きと声を見比べましょう。歌い終わりにも手拍子を入れておけば、最後の位置でずれていないかをすぐに確かめられます。

だんだんずれる主な原因

冒頭は合っているのに後半に向けてずれが大きくなる場合、主な原因は次の2つです。

  • スマホ動画のフレームレートが一定でない:編集前に固定のフレームレートに変換すると解消しやすくなります。
  • 機器ごとの時計のわずかな差:スマホとオーディオインターフェースは、同じ48kHzの設定でも内部の時計がわずかに違うことがあり、長い収録ではその差が積み重なるとされています。

数分程度の歌ってみたなら、目立つほどのずれにならないことも多いですが、気になる場合は、ずれ始めた位置で歌声のクリップを分割し、後半だけ位置を合わせ直す方法があります。編集ソフトに速度を細かく調整する機能があれば、映像の長さを歌声に合わせて微調整する方法もあります。

判断は書き出したファイルで

編集画面のプレビューは、パソコンの処理が追いつかないとコマを落として再生することがあります。ずれているように見えても、書き出したファイルでは合っている場合があるので、最終的な判断は書き出したファイルで行いましょう。

よくある質問

Q. 音が早いのと遅いのでは、どちらが気になりやすいですか?

一般に、音が映像より先に聞こえるずれのほうが気づかれやすいとされています。放送分野の勧告(ITU-R BT.1359)では、音が映像より約45ミリ秒先行する、または約125ミリ秒遅れるあたりから、ずれに気づかれやすくなるとされています。どうしても合わせきれないときは、音を前に出すより、ほんの少し後ろに置くほうが違和感は出にくいと考えられます。

Q. 手拍子を入れ忘れました。どうすればいいですか?

スマホ側で音を録っていれば、歌い出しや伴奏の目立つ音(ドラムの一打など)を目印に合わせられます。波形の形が似ている部分を探して、方法1と同じ手順で位置をそろえてください。スマホ側の音を録っていない場合は、口の動きを見ながら耳で合わせることになるので、次回は手拍子を入れる流れを習慣にしておくと安心です。

Q. 顔を出さずに手元だけ映してもいいですか?

手元や後ろ姿だけでも、別撮りの同期の手順は同じです。顔出しをするかどうかで迷っている場合は、顔出しする・しないの考え方も参考にしてください。

撮る前と合わせた後のチェックポイント

別撮りした歌声と映像を合わせるコツは、撮る前に両方へ同じ合図を入れておくことです。スマホ側の音を消さずに録り、手拍子を1回入れて撮影し、編集では合図の位置か波形で合わせる。合わせたあとは冒頭・中盤・終盤の3か所を確かめ、最終判断は書き出したファイルで行う。この流れを習慣にすれば、同期の作業にかかる時間は減らしやすくなります。

まずは短いワンフレーズで、手拍子を入れて撮り、合わせるところまで試してみてください。一度流れをつかんでおくと、本番の1曲でも落ち着いて作業を進められるはずです。



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