「ニコニコにも縦型のショートが来たらしいけれど、歌ってみたはどうやって出せばいいのか」——2026年4月に「ニコニコショート」が始まってから、そんな声を聞くようになりました。TikTokやYouTubeショートとは投稿画面もルールも違うため、いざ出そうとすると手が止まりがちです。
しかもニコニコショートには専用の投稿ボタンがありません。条件を満たした動画が自動的にショートとして扱われる仕組みなので、条件を知らないまま出すと、縦型のつもりが通常動画になっていた、ということも起こります。
この記事では、2026年9月時点の公式ヘルプ・公式インフォで確認できた仕様を整理したうえで、横長の歌ってみた動画から縦型を切り抜く手順、短い尺で音をどう聴かせるか、ショートから長尺の本編へ視聴者を送る導線の作り方をまとめます。仕様は更新されやすい領域なので、数値や画面名は投稿前に公式ヘルプで最新の内容を確認してください。
結論早見表:ニコニコショートの基本仕様(2026年9月時点)
公式ヘルプ・公式インフォで確認できた範囲をまとめます。以下はすべて2026年9月時点の記載にもとづくもので、今後変更される可能性があります。
| 項目 | 内容(2026年9月時点) |
|---|---|
| ショートになる条件 | 長さ3分以内、かつアスペクト比が縦長または正方形。両方を満たすと自動的にショート扱いになります |
| 投稿する場所 | 「ニコニコガレージ」右上の「投稿する」。通常の動画と同じ手順です |
| 判定の確認方法 | 「動画情報入力画面」の「サムネイルを変更」の下にある「動画の種類」の項目 |
| 制限事項 | 長さ180秒以下/解像度2160×4096以下/ファイルサイズ6GB以下/60fps以下 |
| 推奨フォーマット | MP4、映像はH.264(AVC)のHigh profileで24・30・60fpsの固定、音声はAAC-LC・48kHzまたは96kHz・192kbps以上(通常動画と共通) |
| ショートにならないケース | ニコニコチャンネルからの投稿は、条件を満たしてもショートになりません |
| ランキング | 掲載されません |
| 本編への導線 | ショート投稿時に「ピン留め動画」を設定し、視聴画面から別の動画へリンクできます |
ここに書いていない項目(露出の仕組み、おすすめに乗る条件、奨励金の単価など)は公式に公開されていません。投稿前には必ずニコニコヘルプ「ショートを投稿する」「ニコニコ動画の投稿仕様について」で最新の仕様を確認してください。
なお、長尺の歌ってみたをニコニコへ投稿する手順そのもの(タグ設計、親作品登録=コンテンツツリー、説明文の定番フォーマットなど)はニコニコ動画に歌ってみたを投稿する方法で解説しています。この記事は縦型ショート固有の話だけを扱います。
ショートになる条件と、ショートで制限される機能
条件は「3分以内」×「縦長または正方形」の2つだけ
公式ヘルプによれば、ショートになる条件は「動画の長さ3分以内」と「アスペクト比が縦長または正方形」の2つです。両方を満たせば自動でショート扱いになり、満たさない場合は通常の動画になります。特別な設定は不要、という書き方です。
実務上、気をつけたいのは尺のギリギリを攻めないことです。公式インフォには「エンコード時に動画の再生時間がわずかに変動する場合があるため、動画尺に余裕を持たせた作成をおすすめします」という注意書きがあります。2分59秒台のつもりが3分を超えると、ショート判定から外れてしまいます。フルコーラス近い長さを狙う場合は、数秒の余裕を残しておくと安心です。
投稿前に「動画の種類」で判定を確認する
自動判定なので、確かめる手段も用意されています。公式ヘルプでは、「動画情報入力画面」の「サムネイルを変更」の下にある「動画の種類」の項目で、投稿前に確認できると案内されています。縦型のつもりが黒帯入りの16:9のままだった、という事故はここで防げます。投稿ボタンを押す前にこの項目を必ず見る習慣にしておきましょう。
ショートで使えない機能を先に把握しておく
通常動画で使える機能のうち、ショートでは制限されるものがあります。歌い手が影響を受けやすいのは「ランキングに載らない」「投稿者コメントが使えない」の2点です。
| 機能 | ショートでの扱い(2026年9月時点) |
|---|---|
| ランキング | ショートはランキングに掲載されません |
| ライブ公開 | 利用できません |
| 投稿者コメント | 利用できません |
| ニコスクリプト | 利用できません |
| 上書き修正 | ショートの条件(3分以内・縦長または正方形)を満たす動画のみ可能。プレミアム会員限定の機能です |
| ピン留め動画 | ショート投稿時のみ設定できます |
| コマンド機能(コメントの色・サイズ変更) | ショート専用プレーヤーでは一部非対応 |
| フルスクリーン | ショート専用プレーヤーでは非対応 |
投稿者コメントが使えないということは、「歌:○○ mix:○○」といった投稿者コメントでのクレジット表示ができないということです。クレジットは動画内のテロップと説明文に入れる前提で作ると、あとから困りません。
また、ランキング掲載がないぶん、露出はショート専用エリアからの流入が中心になります。公式インフォによれば、アプリ版のショート専用視聴画面は2026年4月15日、PC版は2026年6月15日にリリースされ、PCでもマウスホイールや矢印キーで次々に動画が切り替わる作りです。「飛ばされない冒頭」を作る意識は他のショートと同じだと考えてください。
既存の歌ってみた動画から縦型を切り抜く手順
ゼロから縦型を撮り下ろすのは負担が大きいので、まずは投稿済みの歌ってみたから切り抜くのが現実的です。公式インフォでも、自分の著作物であれば「本機能リリース以前に投稿されていた自身の動画の一部を切り抜いて、新たにショートとして投稿したもの」はクリエイター奨励プログラムの対象になると明記されています。
どこを切り出すか:「一番おいしい15秒」から逆算する
切り出す候補は、次の順で探すと迷いにくくなります。
- 自分の声が一番よく出ている一節を1つ決める。サビの後半、落ちサビ、Dメロなど。
- その一節の直前のフレーズから切り出す。助走が1〜2秒あると、聴き手が耳を合わせやすくなります。
- 全体で30〜60秒に収める。3分まで使えますが、長いほど最後まで見てもらいにくくなります。
- 終わりはフレーズの切れ目で終える。ショートはデフォルトでリピート再生になる仕様のため、切れ目が悪いとループの継ぎ目が耳につきます。
「サビ頭からいきなり」が定番ではありますが、歌ってみたは1曲から複数本を作れるのが強みです。同じ本編から「1番サビ」「落ちサビ」と切り口を変えれば、素材はそのままで本数を増やせます。
横16:9を縦9:16に作り直す:4つの型
横長の動画をそのまま縦枠に入れると、上下に黒帯が入って情報量が足りない画になります。歌ってみたの素材でよく機能するのは次の4パターンです。
| 型 | 作り方 | 向いている素材 |
|---|---|---|
| 上下2分割 | 上半分に映像(イラスト・実写)、下半分に歌詞テロップとクレジットを置く | 一枚絵のイラストMV。絵の見せたい部分を上に置ける |
| 中央トリミング | 横長映像の中央をズームして9:16に切り出す | 人物が中央に写っている実写・立ち絵 |
| 上下ぼかし埋め | 同じ映像を拡大・ぼかして背景に敷き、中央に元の16:9を重ねる | 構図を崩したくない映像。作業が最も速い |
| 歌詞主体 | 背景は単色や薄い映像にして、歌詞テロップを画面中央に大きく置く | 映像素材が弱い曲。音を聴かせたいとき |
どの型でも共通するのは、画面の上下端に文字を置かないことです。視聴画面ではコントローラーやタイトル、コメント入力欄などが重なる可能性があります。歌詞やクレジットは中央寄りに置くと、環境が変わっても読めます。
編集の流れ
- 本編のプロジェクトを複製し、切り出す区間だけを残す。
- プロジェクト設定を縦(9:16)に変更する。1080×1920なら、公式のサーバーエンコード仕様でフルHD画質(1080p)の配信データが生成される条件(幅1080px以上または高さ1920px以上)を満たせます。
- 上の表の型に沿って構図を組み直し、歌詞テロップとクレジットを入れる。
- 冒頭の1〜2秒に「曲名/自分の名前」が一目で分かる要素を置く。
- MP4(H.264・AAC)で書き出す。尺は3分の上限に対して余裕を持たせる。
- ニコニコガレージから投稿し、「動画の種類」でショート判定を確認する。
縦型の一枚目をどう見せるかという発想は、サムネイル作りとほぼ同じです。考え方は歌ってみたのサムネイルの作り方も参考になります。
音の作り方:短い尺で「聴かせる」ための書き出し設定
本編のMIXをそのまま使うか、作り直すか
基本は本編の2MIX(マスター済みの音源)をそのまま切り出して問題ありません。ただし切り出した先頭と末尾には、数十ミリ秒のフェードを必ず入れてください。波形の途中でぶつ切りにすると「プツッ」というノイズが乗り、リピート再生でその音が繰り返し聞こえてしまいます。
また、ショートはスマホの内蔵スピーカーやイヤホンで、周囲に音がある環境で聴かれることが多くなります。低域が豊かなMIXほど、小さいスピーカーでは芯が細く聞こえがちです。書き出したファイルをスマホ実機で一度再生し、ボーカルが埋もれていないかを確認する工程を1つ足しておくと安心です。
書き出し設定の目安
公式ヘルプに記載されている推奨フォーマットは、ショートでも通常の動画と同じとされています。
| 項目 | 公式ヘルプの推奨・制限(2026年9月時点) | 歌ってみたでの目安 |
|---|---|---|
| ファイル形式 | MP4(推奨) | MP4で書き出す |
| 映像コーデック | H.264(AVC)のHigh profile(推奨) | 「H.264/高品質」プリセットでほぼ該当します |
| フレームレート | 24・30・60fpsの固定(推奨)、60fps以下(制限) | 本編と同じfpsを維持する |
| 音声 | AAC-LC、48kHzまたは96kHz、192kbps以上(推奨) | 48kHz/256〜320kbps |
| 解像度 | 2160×4096以下(ショートの制限) | 1080×1920 |
| 動画の長さ | 180秒以下(ショートの制限) | 30〜60秒 |
公式のサーバーエンコード仕様には、投稿動画の音声形式に応じて生成される音質が変わるという記載があります。歌ってみたは音が主役なので、音声ビットレートを絞らずに書き出しておくほうが無難です。生成条件は変更される場合があると公式にも書かれているため、こだわる場合はヘルプ「ニコニコ動画の投稿仕様について」で最新の表を確認してください。
長尺本編への導線:ピン留め動画と説明文
「ピン留め動画」で本編へ送る
歌い手にとって最も大きい機能が「ピン留め動画」です。公式インフォによれば、ショートの視聴画面に別の動画へのリンクを表示できる機能で、ショート投稿時のみ設定が可能とされています。設定は「動画情報編集ページ」の「ピン留め動画の設定」から行うと案内されています。
公式の説明でも「ショートで興味を持った視聴者に、本編も見てもらいたい」「元となった本家動画へ誘導したい」という用途が想定されています。歌ってみたの切り抜きはまさにこの用途に当てはまるので、切り抜き元の本編をピン留めするのを投稿時の定型作業にしてしまいましょう。
切り抜き元がない撮り下ろしの場合も、直近で伸ばしたい本編をピン留めしておくと導線が途切れません。
説明文の書き方
投稿者コメントが使えないため、クレジット類はすべて説明文に集約します。ショート専用プレーヤーでも、投稿者説明文は右側のメニューから確認できる作りです。次の要素は入れておきましょう。
- 本家(オリジナル楽曲)へのリンクと、作者名の表記
- 使用したオフボーカル音源の提供元
- MIX・イラスト・動画など、関わった人のクレジット
- 本編(長尺)へのリンク
- 自分のSNSやチャンネルへのリンク
説明文の型は歌ってみたの概要欄の書き方にテンプレートがあります。ショートでは表示面積が小さいので、上から2〜3行に本編リンクとクレジットを置くという優先順位だけ変えて使ってください。
収益化と権利まわりで確認しておくこと
ショートもクリエイター奨励プログラムへの作品収入申請が可能である、と公式インフォに記載されています。ショート特有の点として、公式が明記している内容は次のとおりです(2026年9月時点)。
- 収益化の対象条件は、通常の動画と同じ条件が適用されます。
- 自分が過去に投稿した動画の再投稿、また自分の過去動画の一部を切り抜いて新たにショートとして投稿したものは、プログラムの対象になります。
- 第三者の著作物の全転載や一部を切り出した転載、それに軽微な編集を加えただけのものは対象外です。
- ツールなどで自動出力された生成物をそのまま投稿したものも対象外とされています。
- 「再生数などの盛り上がり・子作品手当」に応じた奨励金は2026年6月1日から反映が開始され、5月31日までに得た分は反映されないと告知されています。
注意したいのは、「切り抜いてよい」のはあくまで自分の動画であるという点です。歌ってみたは楽曲・音源・イラストなど他者の権利が重なる作品なので、切り抜き元が自分の投稿であっても、使用している音源やイラストの許諾条件は本編と同じように確認が必要です。権利関係の考え方は歌ってみたと著作権に、収益化の全体像は歌い手の収益化ガイドにまとめています。
なお、TikTokやYouTubeショートを含めたプラットフォームごとの使い分けや、伸びる型の作り方は歌ってみたのショート動画攻略で扱っています。この記事はニコニコ固有の仕様と切り抜き実務に絞っているので、複数のプラットフォームへ同時に出す設計はそちらを参照してください。
まとめ:仕様は必ず公式で最新を確認する
ニコニコショートは「3分以内」「縦長または正方形」の2条件を満たすだけで自動的にショートになります。投稿手順は通常の動画と同じなので、歌い手側でやるべきことは切り抜く区間を決めること、縦枠に構図を作り直すこと、ピン留め動画で本編へ送ることの3つに集約されます。
一方で、おすすめに表示される仕組み、ショート専用ランキングの有無、奨励金の具体的な計算方法、アプリ側の投稿画面の項目名などは、公式に公開されていないか執筆時点で確認できませんでした。数値や画面名は更新も入りやすいため、投稿前にニコニコヘルプ「ショートを投稿する」「ニコニコ動画の投稿仕様について」および公式インフォで最新の記載を確認してください。
まずは、いちばん自信のある一節を1本切り抜いてみるところから始めてみましょう。長尺の投稿手順を復習したい方はニコニコ動画に歌ってみたを投稿する方法へどうぞ。


















