プロセカの5ユニットの中で、Leo/need(レオニ)は最もバンドサウンド寄りの曲がそろっているユニットです。ギターとドラムが前に出て、歌はその上を走る——という構成が多く、いわゆる「ボカロロック」の系譜をそのまま受け継いでいます。歌ってみたで扱うときも、バラードやアイドルポップスとは違う組み立て方が必要になります。
もうひとつ、Leo/needの曲を紹介するときにつまずきやすいのが「どれが書き下ろしで、どれが既存のボカロ曲のカバーか」という区別です。Leo/needはカバー曲も多く歌っているため、一覧を見ただけでは判断がつきません。書き下ろし曲だと思って概要欄に書いたら実は原曲が別にあった、という取り違えは避けたいところです。
この記事では、Leo/needのために書き下ろされた曲を作者と実装時期つきで整理し、そのうえでバンド・ロック寄りの曲をどう歌うかを発声とリズムの両面から解説します。曲の情報はWikipediaの楽曲一覧とVocaDBの登録情報で照合し、作者と公開時期が一致したものだけを掲載しています。
結論早見表:Leo/need書き下ろし曲のタイプと難所
| タイプ | 代表曲 | つまずきやすいところ | 先に手を打つこと |
|---|---|---|---|
| 疾走系ロック | needLe/Peaky Peaky | バンドに押されて声が埋もれる | 音量ではなく子音と響きで前に出す |
| エモーショナル系 | ステラ/霽れを待つ | 気持ちが入りすぎて音程が揺れる | 盛り上がる箇所ほど支えを固定する |
| 高いテッシトゥーラ | フロムトーキョー/Voices | 最高音は出るのに歌い切れない | 最高音ではなく平均音高で判断する |
| リズム主導型 | 流星のパルス/インテグラル | ノリが走る・もたる | ドラムとベースに合わせて練習する |
| 語り〜叫びの落差 | てらてら/the WALL | 後半で喉が持たない | 張る箇所を絞り、それ以外は抜く |
Leo/needの書き下ろし曲一覧(ゲーム実装順)
以下はいずれもLeo/needのために新しく作られた曲です。既存のボカロ曲をユニットがカバーしたものは含んでいません。カバー曲のほうを探している場合はプロセカのボカロカバー曲|原曲と投稿年まとめを参照してください。
2020〜2021年:バンドサウンドの土台ができた時期
| 曲名 | 作詞・作曲 | ゲーム実装日 |
|---|---|---|
| needLe | DECO*27(編曲:Rockwell) | 2020年9月30日 |
| ステラ | じん | 2020年10月18日 |
| 霽れを待つ | Orangestar | 2021年1月10日 |
| 「1」 | 164 | 2021年4月21日 |
| フロムトーキョー | 夏代孝明/渡辺拓也 | 2021年7月7日 |
| 流星のパルス | *Luna | 2021年9月10日 |
| STAGE OF SEKAI | 針原翼(はりーP) | 2021年11月18日 |
顔ぶれを見ると、じん・Orangestar・164といった、ボカロロックの流れをつくってきた作者が並んでいます。Leo/needの曲がバンド寄りに聞こえるのは編成だけの理由ではなく、作者の選び方そのものがロック寄りに寄せられているためです。
なお「needLe」はゲーム実装が2020年9月30日ですが、DECO*27による初音ミク版は2020年8月14日に公開されています。書き下ろし曲でもゲーム実装より先にボカロ曲として世に出ているケースがあるので、投稿日が古いからカバー曲、と判断しないよう注意してください。
2022年:表現の幅が広がった時期
| 曲名 | 作詞・作曲 | ゲーム実装日 |
|---|---|---|
| Peaky Peaky | みきとP | 2022年2月18日 |
| てらてら | 和田たけあき | 2022年7月21日 |
| Voices | ゆよゆっぺ | 2022年9月7日 |
| the WALL | buzzG | 2022年11月18日 |
ゆよゆっぺやbuzzGといった、バンド寄りのサウンドを得意とする作者が続く時期です。「the WALL」は音数が多く、歌とギターが同じ帯域で重なる箇所があるため、MIXの段階でも処理が必要になりやすい曲です。
2024年:現行のLeo/need曲から
| 曲名 | 作詞・作曲 | ゲーム実装日 |
|---|---|---|
| インテグラル | *Luna | 2024年3月1日 |
*Lunaは「流星のパルス」に続く2曲目の提供です。同じ作者が同じユニットに複数曲を書いている例は珍しくないため、作者名だけを手がかりに書き下ろしかどうかを判断するのは避けたほうが安全です。
バンド・ロック寄りの曲で声が埋もれる理由
ロック系の曲を録音したとき、「自分の声だけ後ろに引っ込んで聞こえる」という相談は非常に多いものです。原因の多くは声量不足ではなく、声とバンドが同じ性質の音になってしまっていることにあります。
ギターの歪みとドラムのシンバルは、中高域に幅広く音が乗ります。ここに、同じように太く厚い声をぶつけても、音量を上げただけでは分離しません。分離をつくるのは音量ではなく、輪郭です。
1. 子音をはっきり出す
言葉の頭の子音は、バンドの音とは性質が違うため埋もれにくい要素です。「か」「た」「さ」行の頭をわずかに強めるだけでも、声の位置が前に出て聞こえやすくなります。全部の言葉で行う必要はなく、各フレーズの頭だけで十分な場合が多いところです。
2. 張り上げずに響きを上げる
バンドに負けまいとして音量で押すと、喉が締まってサビの後半が持たなくなります。先に試すのは、響く位置を少し上げて明るさを足すことです。手順は高音になると声量が落ちる原因|細くならずに張れる声を作るで解説しています。
3. 張る箇所を絞る
ロック系の曲を最初から最後まで全開で歌うと、ほぼ確実に後半で持たなくなります。「てらてら」「the WALL」のように語りと叫びの落差がある曲では、張るのはサビと落ちサビ前だけにして、Aメロは抜いて通すほうが構成として成立しやすくなります。
リズムは「歌に合わせる」ではなく「ドラムに合わせる」
バンド曲でノリがはまらないとき、原曲のボーカルに合わせようとしているケースがよくあります。ところが原曲ボーカルは、すでに前後に揺れた状態で録られています。それを真似ると揺れが二重になり、走ったりもたったりしやすくなります。
基準にするのはドラムとベースです。とくにスネアの位置(多くの場合2拍目と4拍目)を体で取れるようになると、歌の出だしが安定しやすくなります。練習の手順は伴奏を聴いてリズムを取るコツ|ドラムとベースに合わせる練習法にまとめています。
「流星のパルス」「インテグラル」のようにリズムが主導する曲では、この差がそのまま完成度に出ます。音程が合っていてもノリが合っていないと、原曲と並べたときに違和感が残りやすくなります。
選曲でいちばん多い失敗は「最高音だけを見ること」
ロック系の曲は、サビの最高音だけを見ると「出せそう」と判断しがちです。ところが実際に通してみると、最高音は出るのに歌い切れない、という結果になることがあります。原因は最高音ではなく、曲全体の平均的な音の高さ(テッシトゥーラ)が高いことにあります。
Leo/needの書き下ろし曲には、サビ以外の箇所でも高めの音が続く曲が含まれています。選ぶときは、最高音が1回出せるかではなく、その付近の音が何秒続くかを見るほうが判断を誤りません。考え方は最高音は出るのに歌いきれない曲|音域ではなく平均音高で選ぶで詳しく扱っています。
ロック系のボカロ曲全般から練習曲を探したい場合は、バンド・ロック系のボカロ曲おすすめ15選もあわせて見てみてください。
歌ってみたで扱うときの実務的な注意点
バージョンを先に決める
プロセカの曲にはユニットが歌うセカイver.とバーチャル・シンガーver.があり、曲によってキーやアレンジが異なる場合があります。練習でガイドにするバージョンと、録音の基準にするバージョンをそろえておかないと、音程が合わない原因になります。違いの確かめ方はセカイver.とバーチャルシンガーver.の違いを参照してください。
バンドサウンドはMIXでも手間が増える
ギターが厚い曲では、歌と伴奏が同じ帯域でぶつかりやすくなります。録音の段階で声の輪郭が作れていないと、MIXで持ち上げてもノイズや不自然さが増えるだけになりがちです。MIXで直すより録り直したほうが早い場面が多いのは、このタイプの曲の特徴です。
音源の利用条件は公式の案内を確認する
オフボーカル音源の入手方法や、ゲーム楽曲を歌ってみたで扱うときの条件は、運営や権利者の案内によって定められています。内容は時期によって変わることがあるため、投稿前に必ず公式の案内を確認してください。
最初の1曲を選ぶなら
ロック系に慣れていない段階なら、テンポが極端に速くなく、張る箇所がはっきり分かれている曲から入るのが無難です。「ステラ」「霽れを待つ」あたりは、感情の流れが素直で、どこを張るかの判断がしやすい構成になっています。
疾走感やリズムの精度を鍛えたい段階に来たら、「needLe」「Peaky Peaky」「流星のパルス」のように前へ進み続ける曲が題材になります。1曲に詰め込まず、目的をひとつに決めて選ぶほうが上達の手応えは得やすくなります。
まとめ
- Leo/needの書き下ろし曲は、じん・Orangestar・164・ゆよゆっぺなどロック寄りの作者が多く参加している
- 書き下ろし曲でもボカロ版が先に公開されている場合があり、投稿日だけでカバーと判断しない
- バンドに埋もれる原因は声量ではなく輪郭。子音と響きで前に出し、張る箇所は絞る
- リズムは原曲ボーカルではなくドラムとベースを基準にする
- 選曲は最高音ではなく、高い音がどれだけ続くかで判断する
- バージョンは録音前に決め、音源の利用条件は公式の案内を確認する
曲の情報は2026年9月時点で確認したものです。実装済み楽曲は今後も追加されるため、最新の一覧はゲーム内の楽曲リストで確認してください。



















