カラオケにある機能のひとつに
「キー調節機能」というものがあります。
ただ、言葉だけ知っている方や、
使ったことがない方がほとんどなのが実情。
しかし、この「キー調節」はすごくて、
どんな曲でも自分の歌いやすいように変えることができます。
正しく理解して、キーを調節すれば
歌うことをより楽しむことができます。
実際のところ、歌い手さんも
自分の歌いやすいキーで歌っている方がほとんどです。
そこで、今回はキー調節のメリット・デメリットから
どんな風に使うと良いかをお話します。
キー調節とは?
キー調節とは、歌う人の出せる音域・得意な音域に合わせて
曲の高さを調節するの機能です。
カラオケの機種によって表記が違うのですが、
- キーを高くする時は、+か♯
- キーを低くする時は、ーか♭
を押すことで変えることができます。
+1(♯)や-1(♭)を押すことで、
曲全体の音を半音上げたり、下げることができます。
例えば、キーを+1にすると、
「ド」だった音は「ド♯」に変わります。
キー調節のメリット
歌えない曲を歌うことができる
自分が出しやすい音域に調整できるのが
キーを調節する一番のメリットでしょう。
自分がハマっている曲の最高音がすごい高いと、
歌うことが難しいです。
無理やり歌うこともできなくないですが、
かなり苦しいと思います。
どうせ歌うなら、気持ちよく
上手く歌いたいと思うでしょう。
そこで、自分が出せる音に変えることで
好きな曲を思いっきり歌うことができます。
また、男性が女性の歌を歌ったり、
女性が男性の歌を歌うときにも使えます。
高すぎて歌えない、低すぎて歌えないという悩みを
解決するのがキー調節という機能なのです!
気持ちよく歌うことができる
「声はなんとか出せるけど、
すごい気持ちの悪い声になる…。」
「調子良い時だったら、ギリギリ出せるけど、
歌い終わった後、喉壊すんだよなぁ…。」
こんな風に、声を出すことはできるけど、
かなり無理して出しているケースもあります。
キーを自分が出しやすい音域に合わせることで、
気持ちよく歌いこなすことができます。
キレイに出せる音域も
人によってかなり変わります。
出すことはできるけど、きれいに出せない音は
使わない方が良いでしょう。
ほとんどの歌手や歌い手さんは、
自分がきれいに出せる音にキーを調節しています。
キー調節のデメリット
そんな素晴らしい機能の「キー調節」にも、
実はデメリットが存在します。
次はキー調節のデメリットについて
ひとつずつ見ていきましょう。
違和感がする
いつも聴いている曲とは変わってしまうので、
慣れないと違和感がするでしょう。
最初は、音の微妙な違いに
戸惑ってしまう方もいるかもしれません。
とは言っても、繰り返し練習をすることで
違和感は解消することができます。
曲の雰囲気を変えてしまう
一般的に、キーが高いと楽しく明るい感じがして
キーが低いと暗く悲しい感じがすると言われています。
歌詞や曲の世界観を考えると
高い・低いキーは合わない曲もあります。
例えば、アイドルのかわいい曲を
男っぽい低いキーで歌ったり、
逆に失恋の悲しいバラードを
すごい高い声で張り上げるように歌ったり…。
そこまで、大きくキーを調節することはありませんが、
どうしても曲の雰囲気は変わってしまいます。
音質が悪くなることがある
最近のカラオケの音源は、
本当に多くなってきました。
生音源スタンダード、生演奏などなど…。
基本的に、カラオケの音源は
打ち込みという機械の音で作っています。
CDと同じ音にすると、
かなりの容量になってしまう。
また、一般の人でも
歌いやすいように調整するためでした。
ただ、技術が進化して、
CDの生演奏も選択できるようになりました。
それぞれに一長一短があるのですが、
生演奏の場合、キーを変えると音質が悪くなります。
キーを調節する時は、
スタンダードの音源を使うことを強くオススメします。
嫌悪感抱く人がいる
原曲キーで歌うことに強いこだわりを持っている方、
曲の雰囲気が変わることに嫌悪感を抱く方も中にはいます。
個人的には、好きに歌えば良いと思うのですが
そういう方もいることにはいます。
どんな場面でキー調節をするのか?
基本的に使う場面としては、
- 最高音が高い時
- 最低音が低い時
- 女性が歌っている歌を男性が歌う時
- 男性が歌っている歌を女性が歌う時
が挙げられます。
上手にキー調節を使いこなすコツ
キー調節は正しい使い方をすれば、
歌える曲の幅も増え、楽しく歌うことができるものです。
ただ、使い方を間違えると
曲の雰囲気を壊してしまうことも…。
そこで、最後に
上手くキーを調節するコツをお伝えします。
キーは少しずつ変える
一気に-4とか、+4とか変えてしまうと、
メロディーラインはかなり変わってしまいます。
そうすると、本当に自分に合っているかも
次にどうすれば良いかもわからなくなります。
キーは1ずつ変えていって、
自分に合うところを探っていきましょう。
あらかじめ変えるキーを把握しておく
みんなと歌っている時に、
キーを何回か変えるのはあまり良くないです。
歌の途中でキーが変わると、違和感がかなりします。
また、恥ずかしくて
歌っている時にキーを変えられない方もいます。
そこで、ヒトカラなどで
どれくらい変えればいいかを把握しておくと良いです。
曲を予約する時にキーを変えられるので、
気づかれずに気軽にキーを調節することができます。
自分のキーを知っておく
また、キーを調節するための大前提として
自分の音域を知っておく必要があります。
自分がどれくらいの音域を知らないと
キーを調節することはできません。
自分の音域を知る方法を知りたい方は
こちらの記事をご覧ください!
半音ずつキーを探る具体的な手順
「1ずつ変えて自分に合うところを探す」といっても、実際にはどこを歌って、何を基準に決めるかが決まっていないと判断がぶれます。その場の気分で「なんとなく歌いやすい」と感じたキーは、日を改めると違って聞こえることも珍しくありません。手順を固定しておくと、探る作業が短く済みます。
- 曲の中でいちばん高い箇所といちばん低い箇所を1フレーズずつ選び、その2箇所だけを歌う対象にします
- まず原曲キーのまま、その2フレーズを続けて歌って録音します
- キーを1つ下げて同じ2フレーズを録音します。さらにもう1つ下げて、同じことを繰り返します
- 上げたほうが合いそうな場合は、原曲キーから+1、+2でも同じように録ります
- 録音を並べて聴き、高いほうと低いほうの両方が成立しているキーを選びます
ポイントは、高い箇所だけで判断しないことです。キーを下げれば高音は楽になりますが、そのぶん低い箇所が出しづらくなり、声が細くなったり音程が曖昧になったりします。上下の両端を同時に確認するのは、そのためです。録音の準備はカラオケでの録音のやり方にまとめた方法で足ります。
探る作業は1日で終わらせない
キーを探る日は、声が温まっている状態で行ってください。練習の最初に行うと、まだ声が出そろっていない状態を基準にしてしまい、実際より低いキーを選ぶことがあります。逆に、長く歌ったあとの疲れた状態でも判断が偏ります。いつも歌う条件に近い状態で試すのが目安です。
そのうえで、決めたキーはその日のうちに確定させず、日を変えてもう一度同じ2フレーズを歌ってみてください。体調によって出せる高さは変わるため、1日だけの結果で決めると、調子の良い日を基準にしたキーになってしまうことがあります。2回試して同じ結論になったキーなら、本番でも大きく外れにくくなります。
録音を聴くときのチェック項目
| 聴くところ | 合っていそうな状態 | 合っていない可能性がある状態 |
|---|---|---|
| 最高音のフレーズ | 語尾まで音が保たれている | 語尾で音量が落ちる、音程が下がる |
| 最低音のフレーズ | 言葉が聞き取れる | 息が漏れて言葉が埋もれる |
| サビ前後のつながり | 同じ声の質のまま移れている | 切り替わりの継ぎ目が目立つ |
| 2回通して歌ったとき | 2回目も1回目と同じように出せる | 2回目で明らかに苦しくなる |
いちばん見落とされやすいのが最後の項目です。1回だけなら出せるキーでも、曲を通して歌うと後半で保たなくなることがあります。1回出せた高さではなく、繰り返し出せる高さを基準にすると、本番との差が小さくなります。
原曲キーにこだわるかどうかの判断
原曲キーで歌えることには確かに良さがありますが、こだわった結果として毎回苦しくなっているなら、判断を分けて考えたほうが進みます。次の表は、迷ったときの整理に使えます。
| いまの状況 | 判断の目安 | 取れる対応 |
|---|---|---|
| 最高音が数回しか出てこない | その数回のために全体を下げる必要は薄い | 原曲キーのまま、その箇所だけ歌い方を変える |
| 最高音がサビ全体で続く | 後半まで保ちにくいことが多い | 1〜2つ下げて、通して歌えるかを確認する |
| 下げると低音が聞こえなくなる | 下げ幅が大きすぎる可能性がある | 下げ幅を1つ戻すか、上げる方向も試す |
| 原曲キーで歌えるが毎回消耗する | 本番で安定しにくい状態 | 当面は下げて仕上げ、練習で音域側を広げる |
| キーを変えると曲の印象が崩れる | 曲そのものが合っていない場合がある | 選曲を見直す選択肢も持っておく |
下げること自体が妥協というわけではありません。歌える高さで仕上げたほうが、表現に使える余裕が生まれることもあります。そもそもどの高さが自分に向いているのかを整理したい場合は自分に合うキーの見つけ方を、曲のほうを選び直す場合は練習曲の選び方もあわせて確認してみてください。
歌ってみたで音源のキーを変えるときの注意
カラオケの機械でキーを変えるのと、歌ってみた用の音源を扱うのとでは、事情が少し違います。オフボーカル音源は制作者が用意した形のまま使うのが原則で、加工の可否は配布元の条件によって変わります。キーを変えたい場合は、まず配布ページに書かれている利用条件を確認してください。条件の読み方はオフボーカル音源の扱い方にまとめています。
加工が認められている場合に起きやすいこと
編集ソフトで音源の高さを変える処理は、動かす幅が大きくなるほど音の質感に影響が出やすいとされています。伴奏が不自然に聞こえると感じたら、変更幅を小さくするか、別のキーで用意された音源がないかを探すほうが早いことがあります。
また、伴奏側のキーを変えたのに、練習ではカラオケの原曲キーで歌い続けていた、という食い違いも起こりがちです。キーを決めたら、その日から練習もそのキーに揃えるようにしてください。本番だけ高さが変わると、覚えた感覚と実際の音がずれて、録り直しが増える原因になります。
決めたキーは記録として残しておく
曲ごとにキーを変えていると、時間が経ったときにどの高さで歌っていたかがわからなくなります。曲名と一緒に、原曲キーからいくつ動かしたかをメモしておいてください。あわせて、そのときの判断理由——たとえば「サビ後半が保たなかったので下げた」といった一言——を残しておくと、あとで音域が広がったときに戻すかどうかを判断しやすくなります。
この記録は、次に似た曲を選ぶときの材料にもなります。何曲か分がたまると、自分がどのあたりの高さで無理なく歌えているのかが見えてきて、曲を聴いた段階でおおよその見当がつくようになります。毎回ゼロから探るより、探る幅を狭められるぶん時間が節約できます。
曲の途中でキーが変わる曲は、別の考え方が必要
ここで扱ってきたキー調節は、曲全体を同じ幅だけ動かす操作です。これに対して、曲そのものの中で調が変わる「転調」は、音源のキーをいくつ動かしても曲中の段差が残ります。転調する曲の歌い方では、転調と移調の違いを整理したうえで、終盤上げ型・部分転調型・多回転調型の3タイプに分けた対処をまとめています。キーの決め方については、後半(転調後)を基準にして、前半が我慢できる範囲で妥協点を探す、という順番が紹介されています。最後のサビが苦しいからとキーを下げたら前半が低すぎた、という経験があれば参考になります。
























