OBSの画質設定|歌枠に合う解像度と映像ビットレートの決め方

OBSの画質設定|歌枠に合う解像度と映像ビットレートの決め方

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歌枠の映像がぼやけて見える、文字がにじむ、ときどきカクカクする。OBSの画質を上げようとして解像度やビットレートを大きくしたら、今度は配信が止まりやすくなった。画質の設定は、数字を上げればよくなるというものではなく、パソコンの力と回線の速さの範囲で決めるものです。

この記事では、OBSで歌枠の画質を決める設定を、順番に解説します。基本(キャンバス)解像度と出力(スケーリング)解像度の違い、YouTubeの推奨値をもとにした映像ビットレートの決め方、映像エンコーダの選び方、カクカクするときに原因を切り分ける方法をまとめました。歌枠は動きの少ない画面が多いことを前提に、ゲーム配信とは違う考え方で決めていきます。

項目名はOBS Studio 33.0.0(2026年10月時点の最新版)の日本語表示、数値はYouTubeヘルプの推奨値(2026年10月時点)で確認したものです。

結論早見表:歌枠の画質を決める5つの設定

設定場所歌枠での考え方
基本 (キャンバス) 解像度「設定」→「映像」画面を組み立てる台の大きさ。1920×1080(16:9)が扱いやすい
出力 (スケーリング) 解像度「設定」→「映像」実際に送る大きさ。回線やパソコンに余裕がなければ1280×720
FPS 共通値「設定」→「映像」動きの少ない歌枠なら30でも足りることが多い
映像ビットレート「設定」→「出力」YouTubeの最小〜推奨の範囲で、上りの速さに収まる値
映像エンコーダ「設定」→「出力」パソコンの負荷を見て、ソフトウェアかハードウェアかを選ぶ

このほかに音声の設定もありますが、画質とは別に決めます。音声ビットレートの決め方はOBSの音質設定で解説しています。

歌枠の映像は「動きが少ない」前提で考える

画質の設定を調べると、ゲーム配信向けの情報がたくさん出てきます。ゲームは画面全体が速く動くため、高いフレームレートとビットレートが求められがちです。一方、歌枠の画面は、立ち絵や背景の画像、曲名の文字、カメラに映る自分など、大きく動かないものが中心です。

動画の圧縮では、前のコマから変わった部分を中心にデータを使います。そのため動きの少ない画面は、同じビットレートでも粗さが目立ちにくい傾向があります。歌枠では、画質を限界まで上げるよりも、途中で止まらないことと声がきれいに届くことを優先したほうが、リスナーの満足につながりやすいはずです。

とはいえ、文字の多い画面や、立ち絵が細かく動く画面、手元を映すカメラなどは、解像度が低いとつぶれて見えます。画面に何を出すかを決めてから、解像度とビットレートを選びましょう。

解像度:基本(キャンバス)と出力(スケーリング)の違い

OBSの「設定」→「映像」には、解像度が2つあります。

  • 基本 (キャンバス) 解像度:立ち絵や文字などのソースを並べる、作業台の大きさ
  • 出力 (スケーリング) 解像度:配信や録画で実際に送る映像の大きさ

OBSの自動構成ウィザードの説明にも、キャンバス解像度は配信や録画の解像度と同じとは限らず、負荷やビットレートを抑えるために縮小される場合がある、と書かれています。画面は1920×1080で組み立てておき、送るときだけ1280×720に縮める、という使い方ができます。

OBS公式ナレッジベースでは、負荷を下げたいときは出力解像度を下げる方法がすすめられています。キャンバス解像度を下げると、ソースの位置や大きさを全部合わせ直す必要があるため、一般的にはすすめないとされています。キャンバスは1920×1080のままにして、出力解像度で調整するのが扱いやすい方法です。

縦横比は16:9にそろえる

OBS公式ナレッジベースのアスペクト比のガイドでは、1920×1080や1280×720のような16:9で作ることがすすめられています。YouTubeなど多くの配信サービスが16:9を想定しているためです。素材の比率が合わないときは、引き伸ばすと絵がゆがむので、空いた所に画像や文字などを置いて埋める方法が紹介されています。

また、YouTubeヘルプによると、ライブ管理画面から配信すると、初期設定では横向き(16:9)と縦向き(9:16)の配信が同時に始まり、縦向きは横向きの映像の中央を切り抜いたものになると説明されています(2026年10月時点)。スマホの縦画面で見る人にも顔や立ち絵が見えるように、大事なものは画面の中央寄りに置いておくと安心です。

縮小フィルタの選び方

出力解像度をキャンバスより小さくすると、「縮小フィルタ」を選べるようになります。OBSの画面の説明では、それぞれ次のように書かれています。

  • バイリニア:処理は軽いが、スケーリングするとぼやける
  • バイキュービック:先鋭化スケーリング、16サンプル
  • ランチョス:先鋭化スケーリング、36サンプル
  • エリア:加重合計、4/6/9サンプル

文字や立ち絵の線をくっきり見せたい歌枠では、まずバイキュービックで始め、パソコンに余裕があればランチョスと見比べてみるとよいでしょう。解像度が同じなら縮小は行われないので、フィルタの選択は不要です。

映像ビットレートの決め方

映像ビットレートは、1秒あたりに送る映像のデータ量です。大きいほど細かい部分まで残りやすくなりますが、そのぶん回線の上りの速さを使います。YouTubeヘルプに載っているH.264の場合の値は、次のとおりです(2026年10月時点)。

解像度・フレームレート最小推奨
1080p・60fps6Mbps17Mbps
1080p・30fps5Mbps14Mbps
720p・60fps/30fps3Mbps8Mbps

H.265やAV1の場合は、同じヘルプで1080p・30fpsの最小4Mbps・推奨10Mbpsのように、H.264より低い範囲が示されています。

決めるときは、次の順で考えると迷いにくくなります。

  1. 回線の上りの速さを測る(測り方は歌枠に必要な回線速度の目安)
  2. 出力解像度とフレームレートを決める
  3. 表の最小〜推奨の範囲で、映像と音声の合計が上りの75%程度に収まる値を選ぶ

たとえば上りが安定して8Mbps程度なら、75%は6Mbpsです。1080p・30fpsの最小5Mbpsにはぎりぎり届きますが余裕は少ないので、720p・30fpsで4〜5Mbpsにするほうが安定しやすいと考えられます。

OBSでの入れ方とそのほかの推奨値

出力モードが「基本」なら、「設定」→「出力」の「映像ビットレート」にkbpsで入力します(5Mbpsなら5000)。YouTubeヘルプでは、ビットレートのエンコードはCBR(固定ビットレート)、キーフレーム間隔は2秒が推奨されています。出力モードを「詳細」にしている場合は、「レート制御」をCBRに、「キーフレーム間隔 (0 = 自動)」を2にしておくと、推奨値に合わせられます。

配信サービスにビットレートの上限が決められている場合、OBSで上限を超える値を入れると、上限の値に設定される旨の警告が出ます。「配信サービスの推奨設定値を無視する」にはチェックを入れないままにしておきましょう。なお、手元に残す録画の画質は配信とは別に決められ、回線の速さにも左右されません。投稿用に動画を書き出すときの考え方はエンコードのやり方で紹介しています。

映像エンコーダの選び方

「映像エンコーダ」は、映像を圧縮する仕組みです。OBSの基本モードでは、パソコンによって次のような選択肢が表示されます。

  • ソフトウェア (x264):CPUで圧縮する
  • ハードウェア (NVENC、QSV、AMD、Appleなど):GPUなどに内蔵された専用の回路で圧縮する

OBSの画面の説明では、ハードウェアエンコードはCPU使用率がほとんどなくなる一方で、同じくらいの品質を得るにはより多くのビットレートが必要になる、とされています。歌枠では、マイクの音にかけるフィルタやプラグイン、BGMの再生などもパソコンが同時に処理しています。CPUの使用率が高いと感じる場合は、ハードウェアの選択肢があれば試してみる価値があります。

ソフトウェア (x264) を使う場合は、「CPU使用プリセット」で負荷と品質のバランスを変えられます。初期値はveryfastで、OBSの説明では「中程度のCPU使用率、標準品質」とされています。YouTubeが受け付ける映像の形式はH.264・H.265(HEVC)・AV1で、選んだエンコーダが配信サービスに対応していない場合は、OBSが対応する形式への変更を確認してきます。迷ったら、対応している機器が多いH.264から始めると安心です。

カクカクするときの切り分け

映像がカクカクする原因は、大きく分けて3つあります。OBSのメニュー「表示」→「統計」を開き、どの数字が増えているかで見分けます。

増えている数字原因主な対処
レンダリングラグにより逃したフレーム画面を組み立てる処理(主にGPU)が追いつかない重いソースを減らす、GPUを使うほかのソフトを閉じる
エンコードラグによりスキップされたフレーム映像の圧縮が追いつかない出力解像度やFPSを下げる、プリセットやエンコーダを変える
ドロップしたフレーム (ネットワーク)回線が送る量に追いつかない映像ビットレートを下げる、有線にする

パソコン側が原因のとき

OBS公式ナレッジベースのエンコード負荷の案内では、OBSは画面の合成と描画にGPUを使うため、GPUに負荷がかかりすぎると出力がカクつくと説明されています。対処として挙げられているのは、次のような方法です。

  • Windowsでは、OBSを管理者として実行する(OBSがGPUの処理を確保しやすくなる)
  • GPUを大きく使っているほかのソフトを閉じる(自分で開いたものだけ)
  • 出力解像度を下げる、フレームレートを60から30に下げる
  • シーンを簡単にする。ソースは1つ1つが処理を使うため、使わないものは減らす

圧縮が追いつかないときは、OBSの画面下に「エンコードが高負荷です! 映像設定を下げるかより高速なエンコードプリセットの使用を検討してください。」という警告が出ることがあります。パソコンの性能そのものが足りない場合は、歌ってみた・DTM向けPCの選び方も参考にしてください。

録画でもカクつくなら、回線ではない

同じ設定で録画だけをしてみて、録画した映像でもカクつくなら、原因は回線ではなくパソコン側です。録画はネットを通らないためです。逆に録画はなめらかで配信だけカクつくなら、回線を疑います。回線の確かめ方と設定を下げる順番は、先ほど紹介した回線速度の記事で解説しています。

なお、YouTubeは受け取った配信をいくつもの画質に変換して届けます。リスナーの回線が遅いと、その人の画面だけ低い画質で再生されることもあります。1人だけ「画質が悪い」と言う場合は、YouTubeのプレーヤーの画質設定を確かめてもらうのも一つの方法です。YouTubeとの接続設定はOBSでYouTubeの歌枠を始める設定にまとめています。

雑談中はきれいなのに、歌い出すと画面が粗くなるとき

待機画面や雑談の間はくっきり見えていたのに、曲が始まると立ち絵のまわりがブロック状に崩れる。アーカイブで見返すと、サビのたびに画面がざらついている。歌枠では、こうした「歌っている時間だけ画質が落ちる」場面があります。

この記事で見たとおり、動画の圧縮は前のコマから変わった部分にデータを使います。歌枠の画面でも、音に反応して動く演出を入れていると、歌っている間だけ動く量が一気に増えます。

歌うと動きが増えるもの試せること
声に合わせて口や体が動く立ち絵揺れの幅を小さくする、立ち絵の表示サイズを少し小さくする
音に反応する波形やビジュアライザー表示する範囲を画面の一部に絞る、色の変化を控えめにする
サビで光る・粒が舞うなどのエフェクト画面全体ではなく端だけに出す
ループする背景動画歌枠用のシーンでは静止画に切り替えて比べる

確かめるときは、本番と同じシーンで「雑談1分→1コーラス」を限定公開のテスト配信で流し、アーカイブで見比べます。歌の部分だけ粗くなるなら、演出の動きを減らす、映像ビットレートを最小〜推奨の範囲で上げる、出力解像度を1280×720にする、といった順で調整します。上りの速さに余裕がないときは、ビットレートを上げるより動きを減らすほうが、止まりにくさを保ったまま見やすくできます。

止まらない範囲で、見せたいものがつぶれない設定を選ぶ

  • キャンバスは1920×1080(16:9)のまま、負荷や回線に合わせて出力解像度を1280×720などに下げる
  • 動きの少ない歌枠なら、フレームレートは30でも足りることが多い
  • 映像ビットレートはYouTubeの最小〜推奨の範囲で、上りの速さの75%程度に収める。CBR・キーフレーム間隔2秒
  • CPUに余裕がないときは、ハードウェアエンコーダも試す
  • カクカクしたら「統計」を開き、レンダリング・エンコード・ネットワークのどれが原因かを見分ける

画質の設定は、一度決めたら録画で見返して、文字や立ち絵がつぶれていないか確かめるのがおすすめです。止まらずに届く設定を土台にして、少しずつ調整していきましょう。



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