「好きな歌を歌ってみると、
棒読みみたいな歌声に聴こえる…。」
「テンポの速い曲を歌うと、
お経みたいな感じになってしまう…。」
こんな悩みを抱えている方は
最後まで読んでください!
日本人はある理由があって、
抑揚をつけるのが苦手な人が多いです。
だから何も意識しないと、
棒読みになるのは仕方ないです。
逆に言えば、
周りと差をつけるチャンスでもあります。
抑揚をつけることができれば、
歌が上手く聴こえます。
抑揚をつけるカギになるのが
今回のテーマのアクセントです。
アクセントとは何か?
どうすればアクセントをつけられるのか?
ひとつずつ話しますので、
最後までついてきてください!
アクセントとは?
アクセントを一言で言うと
音の強弱のことです。
歌詞のフレーズの中で
どこを強調するかということです。
アクセントのつけ方で
聴こえ方は大きく変わります。
普段、会話している時も
自然にアクセントをつけています。
アクセントを全くつけず、
ロボットのように話す人はいないでしょう。
会話の内容に合わせて、
巧みにアクセントをつけています。
強調したい単語を大きくしたり、
あえて小さな声で話すこともあります。
アクセントの例
40mPさんのシリョクケンサを例に
アクセントを解説していきたいと思います。
この曲の歌い出しの歌詞を
強弱に注意して聴いてみてください。
かくした ほうの ひだりめに
どんな ぼくを うつしだすの
上の歌詞の太字の箇所に
アクセントを置いていることがわかります。
アクセントに注意して、
もう一度聴いてみてください。
40mP – シリョクケンサ
(引用元:https://www.youtube.com/watch?v=aB-pIUzPB-I)
アクセントに注意して聴くと、
確かに強弱があるとわかるでしょう。
では、同じ40mPさんの
トリノコシティはどうでしょうか?
この曲の歌い出しも
アクセントがわかりやすいと思います。
アクセントがどこにあるか意識して、
聴いてみてください。
ヒントはアクセントの部分で
ピョンと跳ねるよう聴こえることです。
40mP – トリノコシティ
(引用元:https://www.youtube.com/watch?v=yIQDGwyJpSo)
アクセントをつける意味
歌詞がハッキリと伝わる
人が普通に会話している時に
自然にアクセントをつけています。
アクセントをつけて強調するのは
歌だけの話ではありません。
平べったい棒読みでは
歌詞の意味が伝わりにくいです。
棒読みの方に気が散ってしまい、
内容が頭に入ってきません。
一方、心をつかむ朗読を聴くと、
アクセントのつけ方が上手いです。
声の強弱だけで
その話の情景が浮かんできます。
アクセントをつけることで、
その歌の情景まで伝えることができます。
歌にリズム感が生まれる
冒頭で言ったとおり、
日本人は抑揚をつけるのが苦手です。
日本人に棒読みが多い原因は
ズバリ日本語なのです。
日本語は単語ひとつひとつに
アクセントがありません。
そのため、日本語の発音は
他の言語と比べて淡々としています。
学校の英語の授業で、
アクセントの位置を習ったと思います。
英語はアクセントの位置で、
名詞か動詞か変わってしまいます。
前、外国に住んでいる友だちに
英語はアクセントが一番と言われました。
発音が変でもアクセントが合っていれば
全然伝わるそうです。
アクセントがある言語とない言語の違いが
歌に大きな影響を与えています。
アクセントがある言語の歌は
自然にアクセントがつくわけです。
一方で、アクセントがない言語の歌は
平坦になりやすいのです。
流れるように歌えるのは
日本人の大切な個性でもあります。
ただ、リズム感や疾走感を出したい時は
マイナス要素になります。
日本語の歌でも
リズム感のある歌を歌うのは簡単です。
日本語でも英語のように
アクセントをつけて歌えば良いのです。
アクセントを置くことで、
波打つようなリズム感が生まれます。
リズム感のある歌は
すんなりと耳に入ってきます。
アクセントをつける位置
アクセントをつける位置は
歌によって違います。
歌手や歌い手の歌を聴いて、
アクセントの位置を聴くのが一番です。
ただ、アクセントの位置を決めるにも
一定のルールはあります。
アクセントの位置を決める
原理原則を紹介しようと思います。
手拍子のタイミング
一番わかりやすいのは
手拍子のタイミングだと思います。
「1、2、3、4」とリズムを取る時に、
手を叩くタイミングのことです。
手を叩いた時の音・言葉に
アクセントを入れると良いです。
音楽的にも拍子のタイミングは
アクセントを入れるべき位置です。
フレーズの最初の言葉
他にアクセントを入れるべき場所は
フレーズの最初の音・言葉です。
最初の言葉が小さいと
グダグダした歌になってしまいます。
最初の言葉にアクセントを入れることで、
メリハリがついて聴こえます。
アクセントのコツ・つけ方
アクセントのコツは
言葉を強くしすぎないということです。
ほど良くが一番難しいと言われると
まさしくその通りなのですが…。
声量をグッと大きくするのは、
あまり良くないです。
あからさまに聴こえるか、
不安定な歌に聞こえてしまいます。
アクセントを上手くつけるコツは
言葉を置くように発音することです。
吐く息を少し多くして、
他の音より意識して発音する感覚です。
歌詞のどこを立てるか——4段階で決める手順
アクセントを付けようと思っても、いざ歌詞を前にすると「どの言葉を立てればいいのか」で止まってしまう方が多いはずです。ここは感覚だけで選ぼうとすると毎回変わってしまうので、決める順番を持っておくと安定します。次の4段階で絞り込んでみてください。
- 1フレーズを声に出さずに読む。まず会話として読み、意味の中心になる言葉に印を付けます。この段階ではメロディーを考えません
- 印が2つ以上あるフレーズは、1つに絞る。1フレーズにいくつも立てると、結果としてどれも立たなくなります
- メロディーに乗せて、印の位置が拍と合っているかを見る。合っていれば迷わず立てられます
- 合っていない場合、どちらを優先するかを決める。意味を優先するか、拍を優先するかは曲調によります
この手順の要は、歌う前に読むことです。メロディーを聴きながら考えると、既にある歌手の歌い方をなぞる形になりやすく、自分で選んだ位置になりません。文章として読んだときに自然と強くなる場所は、歌でもたいてい成立します。
立てる言葉・落とす言葉の目安
| 歌詞の中の要素 | 扱い | 理由 |
|---|---|---|
| 動きを表す言葉、様子を表す言葉 | 立てる候補になりやすい | 情景が動く部分で、聴き手の注意が向きやすい |
| フレーズの中で一度しか出てこない言葉 | 立てる候補になりやすい | 繰り返されない語ほど情報として強い |
| 「が」「を」「に」などの助詞 | 基本は落とす | ここを立てると意味の切れ目が分かりにくくなる |
| 接続の言葉(だから、でも など) | 軽く扱う | つなぎの役割なので、立てると流れが止まる |
| 同じ語の2回目・3回目 | 1回目より弱くするか、逆に強くする | 同じ強さで繰り返すと単調に聞こえやすい |
いちばん効きやすいのは3つ目です。日本語の歌は助詞が拍の頭に来ることがあり、そこを何となく強く歌ってしまうと、意味とずれた場所が立ってしまいます。助詞は軽く通過すると決めておくだけでも、言葉の輪郭が変わります。
「立てすぎ」を避けるための配分
アクセントは、置いた場所ではなく置かなかった場所によって聞こえます。周りが同じ強さなら、どれだけ強く出しても差が生まれません。付ける練習と同じくらい、抜く練習が必要になります。
| 範囲 | 立てる数の目安 | 崩れたときの聞こえ方 |
|---|---|---|
| 1フレーズ(息継ぎから息継ぎまで) | 1つ | 3つ以上あると、ぶつ切りに聞こえる |
| Aメロ全体 | 少なめ。後半に寄せる | 最初から多いと、サビで上げる余地がなくなる |
| サビ全体 | フレーズの頭を中心に | 全部を強く出すと、押しているだけに聞こえやすい |
この「1フレーズに1つ」という考え方は、慣れるまでは物足りなく感じます。ただ、録音して聴き返すと、自分が思っているよりも差は伝わっていることがほとんどです。歌っている本人には小さく感じられる差が、外から聴くとはっきり分かる、というずれはよく起こります。
強くする以外の立て方
アクセントというと音量を上げることだと思われがちですが、目立たせる手段はほかにもあります。曲調によっては、音量を変えないほうがうまくいく場面もあります。
- ほんの少し遅らせて入る……前の音との間に隙間ができ、そこだけ浮き上がって聞こえます
- 子音をはっきり出す……音量はそのままでも、言葉の立ち上がりが変わります
- 直前を弱くする……立てたい音の手前を落とすと、差が生まれます
- 音を短く切る……伸ばさずに置くと輪郭が出ます
言葉の立ち上がりが思うように出ない場合は、口まわりの動きが原因のこともあります。その場合は滑舌が良くならない原因と改善する方法のほうから入ると手がかりが得られます。
決めた配置を録音で検証する
アクセントは、置いたつもりと聞こえ方がずれやすい要素です。決めた配置が機能しているかどうかは、自分の声を外から聴いて判定するしかありません。次の手順で確かめてみてください。
- アクセントを付けずに、平坦に1コーラス録る
- 決めた配置で、同じ箇所をもう1テイク録る
- 2つを続けて再生し、違いが分かるかを確かめる
- 違いが分からなければ、差が足りていないと判断する
- 逆に不自然に感じるなら、立てた数を減らす
手順1の平坦なテイクを残しておくのがこつです。比べる相手がないと、変化があったのかどうかを判断できません。2つ並べて初めて、自分の付け方が効いているかが分かります。
なお、アクセントの位置が拍とずれていると、抑揚ではなくリズムの乱れとして聞こえることがあります。録音を聴いて「強弱というよりタイミングが気になる」と感じた場合は、扱う対象がリズム側かもしれません。ズレの場所を絞り込む手順はリズム感を鍛える方法で扱っているので、そちらと役割を分けて使ってみてください。曲そのものが自分に合っているかを見直したい場合は歌ってみたの選曲もあわせてどうぞ。
立てる言葉が決まっても、入り方と終わり方は残っている
どの言葉を立てるかを決めても、その一音をどう出し始め、どう終えるかまでは決まりません。同じ強さで歌っても、子音から鋭く入るのと息から柔らかく入るのとでは、聴き手が受け取る印象が変わります。入り口の作り分けは声のアタックの付け方を用意しました。鋭く立てる手順と柔らかく入る手順を、それぞれの注意点つきで並べています。反対に音の終わり側、短く止めてメリハリを出す話は音を切る・歯切れよく歌うコツが引き受けています。スタッカートや語尾カットのやり方に加えて、切りすぎてブツ切りに聞こえるときの見直し方も併記しています。























