【好き嫌いが分かれる!?】息継ぎ音・ブレス音について考察してみる


本題に入る前に、不動の名曲である
平原綾香さんの『Jupiter』を聴いてください。

 

 

いつ聴いても、
素晴らしい曲だと思います。

さすが不動の名曲として、
長い間愛されているだけのことはあります。

 

では、次はブレス音に注意して
この曲を聴いてください。

静かな曲調も相まって、
ブレス音がしっかりと聴こえます。

 

ブレス音について検索してみると、
好き嫌いがハッキリと分かれています。

ブレス音が好きな人は
良い味になっていて、素晴らしいと絶賛。

一方で、ブレス音が嫌いな人は
不愉快で、気になって仕方ないようです。

 

ブレス音の論争は好き嫌いに留まらず、
歌の上手い下手の話にも波及しています。

ブレス音が出る人は
歌が下手という書き込みまであります。

 

そこで、今回は
ブレス音について考えようと思います。

好き嫌いだけでなく、
様々な観点から考察していきます。

 

録音機器・編集技術の進化からの考察

昔の歌手はブレス音がしなかった、
訓練された歌手はブレス音を出さない。

インターネット上では、
そういう意見も少なからずあります。

 

昔の歌手がブレス音を出さなかったのは
録音機器・編集の技術の問題が大きいです。

というのも、昔は編集で、
ブレス音を消すのが大変な作業でした。

だから、録音をする時点で
ブレス音を極力入れたくなかったのです。

 

 

録音機器・編集技術が
著しく進化した現代ではどうでしょうか?

録音した後でも、
ブレス音を消すことが容易になりました。

その結果、ブレス音を消す努力を
あえてする必要がなくなったと言えます。

 

昔の歌手の方が歌の技術が優れていて、
今の歌手が劣っているわけではないのです。

 

発声の観点からの考察

ボイストレーニング、歌の世界には
都市伝説のようなものがあります。

その中のひとつが、
「息は鼻から吸ったほうが良い」という説です。

ブレス音を入れないために
息は口ではなく、鼻から吸うべきだという説です。

 

これは元を正すと、前の章で説明した
録音機器の問題からきた話です。

録音機器・編集技術が上がった今では、
そうしなければいけない理由はありません。

 

そして、ブレス音が入るのは
歌が下手だからという意見もあります。

個人的に、この意見は
半分合っていて、半分間違っていると思います。

 

ブレス音がコントロールできないのは
あまり良くないと思います。

どんな曲調でも、
ブレス音が出てしまうのは問題でしょう。

 

声量が小さい人は
ブレス音が聴こえやすくなります。

一方で、声量がある人は
ブレス音が入りにくくなります。

 

やたらとブレス音がする人は
腹式呼吸ができてない可能性が高いです。

また共鳴を使えておらず、
マイクの音量を上げざるを得ない人もいます。

 

大半の人が不快に感じるブレス音は
このパターンだと思います。

発声の技術が足りないために、
出ているブレス音は不快に感じやすいです。

 

表現の観点からの考察

ただ、ひとつ言いたいのは
ブレス音が入ること自体が悪ではありません。

ブレス音は歌のアクセントとなり、
良い味を引き出すもの。

表現のひとつとしてのブレス音は
認められて良いと思います。

 

supercellのryoさんの曲のひとつに
『ODDS&ENDS』という曲があります。

この曲はボカロで作られているため、
自然にブレス音が入ることはありません。

 

ただ、この曲はブレス音が入っていて、
ryoさんは意図的に入れたということになります。

ボカロのパッケージの中に
ブレス音が入っているのは感慨深いです。

ブレス音が表現のひとつとして
認められている証拠ではないでしょうか?

 

 

また、ブレス音が好きだという人も
少なくありません。

人が歌っている感じがする、
世界観を引き出してくれるとか。

CDとライブの迫力の違いも
ブレス音から来る部分もあると思っています。

 

特にバラード調の曲や
感情的な歌詞の曲にはピッタリです。

他にも、艶めかしいような
エロチックな雰囲気も出すことができます。

 

まとめ

発声の技術が足りないせいで、
ブレス音がコントロールできないのは問題。

ただ、ブレス音を消すために
あえて訓練する必要はないと思います。

 

コントロールできるようになり、
要所で出せるようになれば良いと思います。

歌の世界観をグッと引き出す
アクセントとして良い味を出してくれます。



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