歌っていて、「パッ」や「ペチャ」など
唇や口の雑音が入ってしまうことはありませんか?
唇の開閉音や口や舌を動かした時に生じた
ちょっとした雑音が気になることもあるでしょう。
雑音が入ると、聞き心地が悪くなり、
歌ってみたのクオリティーが落ちてしまいます。
また、リップノイズが入るとMIXで除去する必要があるため
そもそも出ないように対策しておくのが理想です。
今回はリップノイズが生じる原因から
改善方法・対策方法まで徹底的に解説します!
リップノイズとは?
リップノイズとは、発声時に
口や舌を動かして生じる雑音のことです。
例えば、唇を開けた時の「パッ」という音や
口や舌を動かす時の「ペチャ」という音です。
このような雑音をマイクが拾ってしまうと、
肝心の歌声が伝わりにくくなることに加えて
不快な気分にさせてしまうこともあります。
実際、リップノイズは不快に感じる人が
かなり多いように感じます。
一方、自分のリップノイズは
録音して聴かないとなかなか気づきにくいです。
歌ってみた動画を仕上げるために
MIXやマスタリングで音圧をぐっと上げた時に
初めてリップノイズに気づくこともよくあります。
そうなると、修正の手間が増えてしまうため、
リップノイズを発声させないことが重要になります。
歌を録音した際は、リップノイズが入っていないか
注意深く聴くようにしましょう!
リップノイズとポップノイズの違い
リップノイズとよく一緒に出てくるノイズとして
ポップノイズというものがあります。
ポップノイズは
- マイクに息が当たった時に生じる「バフッ」や「ボフッ」という音
- オーディオ機器の電源を入れる時やスイッチを切り換える時に出る「ボフッ」という音
のことを言います。
リップノイズは発声時に口内や唇で発生する雑音で、
ポップノイズはマイクに息が当たることで発生する雑音です。
ポップノイズはマイクの位置調整や
ポップガードで対策することができます。
リップノイズが起こる原因
口の中が乾燥している・水分が多すぎる
口の中が乾燥しているドライマウスの状態だと、
口内の粘膜同士がくっつきやすくなります。
言葉を発声する上では、
粘膜同士の接触は避けられません。
粘膜同士がくっついて離れる際に
リップノイズが発生します。
一方、水分が多すぎても
リップノイズは発生してしまいます。
水分と空気が混ざって気泡となり、音が出ることもあれば
また、粘膜同士が離れる時に音が出ることもあります。
唾液が多い・粘り気のある唾液が出ている
唾液が多かったり、粘つきが多いと
「ペチャ」という雑音が起こりやすいです。
食事の後や甘い飲み物を飲んだ後などは
唾液が多く、粘つきやすいので要注意です。
唇が乾燥している・ベタついている
上下の唇が乾燥で離れにくい状態になっていると
唇が離れる時に「パッ」という雑音が起こりやすいです。
唇が張り付いた感触やノイズが乗ったことは自覚しやすいので
舌で唇を湿らせたり、リップクリームを塗ったりしますが、
湿らせすぎには注意しましょう。
唇がベタつきすぎても、同様に離れにくい状態になり
唇が離れる時に「パッ」という雑音が起こりやすいです。
発声が良くなく、口内が狭い
ボイストレーニングをあまりしていない方の場合、
上記3つの原因に加えて、基礎発声力の不足が挙げられます。
例えば、発声で喉周りにムダな緊張がある人は
口の中が慢性的に狭くなっていることが多いです。
不必要な粘膜の接触が起こりやすく、
リップノイズが生じる可能性が高まります。
また、姿勢が悪かったり、腹式呼吸ができていないと
身体にムダな力みなどストレスが生じます。
身体がストレスを感じていると交感神経が優位になり、
唾液は粘性が増し、ノイズの原因にもなります。
リップノイズを改善する方法
口の中のうるおいを適度に保つ
唾液が原因で発生するリップノイズを防ぐには、
口の中のうるおいを適度に保つことが大切です。
水分をこまめに摂って粘膜同士がくっつかないようにし、
スムーズに発声できる状態にしましょう。
糖分が入った飲み物や油分を流す烏龍茶などは避け、
純粋な水をおすすめします。
唇のうるおいを適度に保つ
前述の通り、上下の唇が離れにくい状態になっていると
「パッ」という雑音が起こりやすいです。
リップノイズ対策として唇の乾燥やベタつきを防ぎ、
適度に保湿する必要があります。
基本的な発声を身につける
- 腹式呼吸をする
- 喉を締めない発声をする
- 正しい姿勢で歌う
など基本的な発声を身につけることも重要です。
ボイストレーニングはこちらの記事で
まとめていますので、あわせてご覧ください。
リップノイズの対策
声を出す少し前から水分を摂る
口の中にうるおいを与えるため
声を出す少し前から水分を摂るようにしましょう。
唾液の粘つきや乾きを防いで、
リップノイズの発生を軽減します。
また、歌っていると水分が失われるので
乾燥してきたらこまめに飲み物を飲みましょう。
飲むものとして、純粋な水が良いです。
甘いジュースやスポーツドリンクなど
糖分が多い飲み物は口の中を粘つかせるため、
リップノイズが起こりやすくなります。
- コーヒー:唾液と絡んで口内に残る
- 糖分の多い飲み物:口内がネバつく
- お茶:口内の油分を奪い、舌がくっつきやすくなる
口の中の油分を適度に保つ
口の中の油分が少ないと、舌と粘膜が離れにくくなり、
リップノイズが生じる要因となります。
例えば、烏龍茶は油を流す作用があるので
飲みすぎには注意しましょう。
また、油分の多いチョコレートを食べると
リップノイズを防げるという話もあります。
糖度の高いチョコレートはベタつきにつながるので
食べる時はブラックにするか、食後に水などで口をすすぎましょう。
飲食物に関しては、個人差もあるので
色々と試してみて、自分に合ったものを見つけましょう。
歯を磨く
口内を清潔に保つことも大切です。
食事の後では、唾液が多く分泌されるため
歯磨きをしてリセットするようにしましょう。
口の中の粘ついた唾液や汚れをとることで、
リップノイズが発生しにくくなります。
リップクリームを塗る
唇が乾燥している時は、
リップクリームで唇にうるおいを与えましょう。
上下の唇がスムーズに離れるようになり、
リップノイズが発生しにくくなります。
ただし、塗りすぎはベタついて逆効果なので
適量を塗ることを意識してください。
一気にたくさん塗るのではなく、
歌いながらちょっとずつ塗って適量を探りましょう。
適度にお腹を満たしておく
空腹の状態は、唾液の分泌量が減って
口の中が乾燥しやすくなります。
また、食事をして満腹だと
眠くなったり腹式呼吸がしづらくなります。
そのため、空腹や満腹は避けて
腹6分目くらいまで適度に満たすようにしましょう。
最後に
リップノイズは原因を知って対策を取ることで
十分に防ぐことができます。
ノイズが入ってしまうと、どんなに歌が上手くても
台無しになってしまうので要注意です。
今回お伝えした対策と基本的な発声を身につけて、
魅力的な歌い手になれるように頑張りましょう!