- ポップスと合唱の発声の違い
- どうすればポップスの発声を身につける方法
- ポップスと合唱の両方の発声を練習することによる喉への影響
こんにちは!
歌い手部のりょーやです。
合唱・声楽を習っていた人などに
多いのですが、
「歌い方が合唱っぽくなってしまう…。」
と悩む方が時々います。
そこで、今回は、
ポップス曲の歌い方をお伝えします。
ポップスと合唱の発声の違いについて

まず初めに、
ポップスと合唱の発声の違いについてですが、
ポップスと合唱は発声の感覚が
かなり異なります。
ポップスは基本的に、
- 息漏れの量が少ない声で歌う
- 力強い発声で歌う
- 自分の歌声の個性を出す
という特徴があります。
一方、合唱の発声は、
- 広がりのある柔らかい声で歌う
- 息漏れの量が多い発声で歌う
- 周りの歌声に溶け込めるような発音をする
という特徴があります。
これだけ見ても、ポップスと合唱の発声は
違うことがわかったと思います。
ミックスボイスの割合の違い

ポップスの発声と合唱の発声では、
異なる点が多くありますが、
これらの発声の仕方が
異なることを象徴していると言えるのが、
ミックスボイスの
地声と裏声の割合の違いです。
ミックスボイスが分からない方は
下の記事で紹介しているので見てください!
基本的にポップスの方が
曲やブレスの速度が速いので、
どちらかと言うと、
地声が強いミックスボイスの発声になります。
ポップスをガンガン歌った後に
合唱の発声をするのは難しいのですが、
これはミックスボイスの
地声と裏声の割合の違いが一因だと考えられます。
一方、合唱の発声は、
裏声が強いミックスボイスの発声になります。
このように、
ミックスボイスを構成する地声と裏声の割合が
ポップスの発声と合唱の発声では
かなり異なるのです。
どうすればポップスの発声を身につけることができる?

合唱曲の発声を
とことん練習してきた人は、
ポップスの発声をするのが
苦手な傾向にあります。
そこで。次に、
ポップスの発声を身につける方法をお伝えします。
ポップスの発声を身につけるためには、
バラード系の曲を歌う練習から
始めるようにしましょう。
なぜならば、バラード系の曲を歌うのは、
激しいロック調の曲を歌うのと比べて
合唱と似た発声になります。
どちらかというと、
バラード系の曲の方が歌いやすいです。
初めはバラード系の曲を歌って、
バラード系の曲に慣れてきたら
少しずつ激しい曲を
歌うようにしていきましょう!
ポップスと合唱の両方の発声を練習することについて

「ポップスの発声と合唱の発声の両方を
練習するのは喉に良くないのでしょうか?」
という質問をよくいただきますが、
結論から言うと、
両方とも練習するのは非常に良いです。
両方とも発声の仕方が異なるので、
両方の発声を習得することで
声の使い分けに慣れて、
歌える曲の幅が広がりやすくなります。
なので、最終的には、両方の発声を習得し、
使い分けられることを目指しましょう!
違うのは発声だけではない——歌の設計そのものが違う
合唱とポップスの差は、地声と裏声の割合だけではありません。そもそも何を良しとするかの前提が違うため、母音の作り方から語尾の処理まで、細かいところが一つずつずれてきます。ここを整理しておくと、「合唱っぽい」と言われたときに直す場所を探しやすくなります。
| 項目 | 合唱でよく求められること | ポップスでよく求められること |
|---|---|---|
| 母音の作り方 | 全員でそろえるため、縦に開いた形に統一する | 話し言葉に近い形で、歌詞が言葉として届くようにする |
| 語尾 | 指揮に合わせてそろえて切る | 抜く・伸ばす・切るを歌い手が決める |
| ビブラート | そろわなくなるため、控えめにすることが多い | 表現の一部として、掛ける場所を選んで使う |
| ブレスの音 | 聞こえないように処理する | あえて残して勢いや余韻に使うこともある |
| 音量の設計 | ホール全体に届くことが前提 | マイクが拾うことが前提で、小さい声も使える |
| 個性 | 周囲に溶け込むことを優先する | 自分の声だと分かることを優先する |
合唱の歌い方が劣っているという話ではありません。どちらも目的に合わせて磨かれた歌い方です。歌ってみたを録るときは、この表の右側が求められている、と切り替えられれば十分です。
「合唱っぽい」と言われたとき、実際に何が起きているか
指摘そのものは曖昧なことが多く、何を直せばいいのか分からないまま終わりがちです。よくある言われ方を、確認できる形に置き換えてみます。
| 言われがちなこと | 考えられる要因 | まず試したいこと |
|---|---|---|
| 「歌い方がきれいすぎる」 | 語尾を毎回そろえて処理している | フレーズごとに、抜く・伸ばす・切るを変えてみる |
| 「言葉が入ってこない」 | 母音を縦に開いた形に統一している | 一度しゃべってから、そのままの口の形で歌ってみる |
| 「息っぽくて芯がない」 | 息漏れを含んだ発声のまま歌っている | 音量を落として、息の量から見直す |
| 「オケに埋もれる」 | ホールで響かせる前提の出し方になっている | マイク前提の距離感と音量に切り替える |
| 「感情が乗っていない」 | そろえることを優先する癖が残っている | 1フレーズだけ、あえて崩して録り比べる |
母音がそろいすぎることについては、逆に母音を揃えるコツのほうで扱っている観点も参考になります。ポップスでも揃えたい場面はあるので、統一するか、言葉として崩すかを場面ごとに選べるのが理想的な状態です。語尾については、まず「そろえない選択肢もある」と知っておくだけでも、フレーズごとの判断が変わってきます。
マイクを前提にした歌い方へ切り替える
合唱の経験がある方がいちばん戸惑いやすいのが、ここだと言われています。合唱は自分の声だけでホールの奥まで届かせるのが前提ですが、歌ってみたの録音では、マイクとその後の処理が届ける役割を担います。同じ感覚で声を張ると、力んで聞こえたり、逆に音量ばかり大きくて内容が伝わらない録音になったりします。
- いつもどおりの声量で1コーラス録る
- 音量を半分くらいに落として、同じ場所をもう1テイク録る
- 2つを同じ音量に揃えて聴き比べる
- 言葉が聞き取りやすいほう、力みが少ないほうを採用する
多くの場合、思っているより小さい声のほうが録音では良く聞こえます。マイクに向けたときの声の作り方は「マイクに乗る声」の作り方で、距離と強弱の付け方は歌ってみた録音での声量コントロールで扱っています。合唱で身につけた「息の音を立てない」処理はそのまま活かせるので、ブレスノイズを消すコツと合わせると、目立たせる場所と消す場所を選べるようになります。
1曲を使って切り替えを練習する
いきなり全部を変えようとすると、何が変わったのか自分でも分からなくなります。1曲を通して変える要素を1つに絞るやり方にすると、変化を確認しやすくなります。バラードから始める、という記事本文の考え方に、次のような手順を重ねてみてください。
- 1週目は語尾だけを意識して1曲を通す。他は普段どおりで構いません
- 2週目は母音の形だけを、しゃべるときに近づけて通す
- 3週目は音量設計だけを変え、サビとAメロの差を付ける
- それぞれの週の録音を残し、最後に並べて聴く
期間はあくまで目安で、1つが手応えのある状態になってから次へ進めば問題ありません。切り替えの土台になる地声と裏声の行き来については裏声と地声をなめらかに切り替えるコツで、つなぎ目の扱い方を確認できます。
なお、長く合唱をやってきた方ほど、自分では変えたつもりでも録音では変わっていない、ということが起こりやすいところです。染みついた歌い方は本人の耳では気づきにくいので、判断に迷ったら自分以外の耳を1つ足すのが現実的な方法になります。身近に頼める相手がいない場合は、歌い手向けボイトレ教室10校の比較で体験レッスンのある教室を見ておくのも、第三者に聴いてもらう方法のひとつです。何をどこまで変えるかの判断だけ外から一度もらえると、その後の練習を自分で進めやすくなることがあります。
リズムの乗り方も切り替える
合唱からポップスに移るとき、発声と同じくらい差が出やすいのがリズムの感じ方です。合唱では指揮やピアノ伴奏に合わせてテンポを共有するのが基本ですが、ポップスではドラムとベースが刻むビートが基準になります。音程は合っているのに「なんだか重い」「前に進まない」と言われるときは、発声よりもリズムの置き方に原因があることも考えられます。
| 項目 | 合唱で身につきやすい感覚 | ポップスで求められやすい感覚 |
|---|---|---|
| テンポの基準 | 指揮とピアノに合わせる | ドラムとベースのビートに乗る |
| 拍の感じ方 | 小節の頭(表拍)を中心に数える | 「1と2と」の「と」にあたる裏拍も感じながら歌う |
| 言葉の置き方 | 音符の長さどおりに均等に置く | 少し早めに入る、あえて遅らせるなど、言葉ごとに位置を調整する |
| 伴奏の聴き方 | 和音やほかのパートを聴く | リズム楽器を聴く |
| 休符 | フレーズをつなぐための間 | 切れ目の短さも含めてリズムの一部として扱う |
リズムを切り替える練習の手順
- 1曲決めて、メロディを付けずに歌詞だけをリズムに合わせて読む
- 原曲に合わせて手拍子を打ち、慣れてきたら裏拍で手を打つ
- 裏拍の手拍子を続けたまま、サビだけを歌ってみる
- 原曲を聴くときに、歌ではなくドラムとベースだけを追いかける時間をつくる
カラオケは原曲に近いビートが鳴っているので、この手順をそのまま試す場として使えます。リズム感そのものを鍛えるメニューはリズム感を鍛える方法にまとめています。
ポップスの歌唱テクニックを1つずつ足す
合唱では全員の声をそろえるため、音の出だしや終わりに個人の揺らぎを入れないことが多くあります。一方ポップスでは、音程を少し動かす装飾が表現として使われます。合唱経験がある方は「楽譜どおりに歌う」感覚が強いぶん、装飾を入れること自体に抵抗を感じやすいところです。
| テクニック | どんなものか | 合唱経験者が試すときのポイント |
|---|---|---|
| しゃくり | 目的の音より少し低いところから入り、持ち上げる | サビの頭など、1か所だけに入れてみる |
| フォール | 音の終わりで音程を下げながら抜く | 語尾を「そろえて切る」癖の代わりに試す |
| ウィスパーボイス | 息を多めに混ぜた柔らかい声 | 合唱の息っぽい声と混ざりやすいので、使う場所を決めてから録る |
全部を一度に入れると、どれが効いているのか判断しにくくなります。1曲につき1種類、1〜2か所から始め、入れたテイクと入れないテイクを録音して聴き比べてください。やり方はしゃくりの出し方・使い方、フォールの意味と出し方、ウィスパーボイスの出し方で扱っています。
最後に
いかがでしたか?
ポップスと合唱曲を歌う際の発声の違い
について分かったと思います。
合唱曲を多く練習してきた人が
ポップスを歌いこなすには少し時間がかかりますが、
しっかりと練習を重ねることで
ポップスも歌えるようになりますので、
焦らず練習を重ねていくようにしましょう!
- 合唱とポップスの発声はミックスボイスの割合が違う。
- バラードの曲から練習し始めて少しずつ激しい曲に移っていくと、ポップスの歌い方に慣れていきやすい。
- 合唱とポップスの両方の発声を練習することで歌える曲の幅が広がる。























