福山雅治さんがよく歌っているバラード。
伴奏がギターかピアノだけという
シンプルな作りが雰囲気が出てカッコいいです。
またスローテンポな曲調で、
人の心を揺さぶるような歌と言えるでしょう。
「バラードかっこよく歌いたい!」
と思う人も多いはず。
ただバラードを上手く歌うのって
意外と難しい!
伴奏がシンプルなことが多いので、
歌声を隠すことができません。
音程があっていることはもちろんのこと、
歌声の質もかなり目立ってしまう。
また、テンポがゆっくりなため
ごまかすことができません。
しっかりと伸ばすところを伸ばして、
丁寧に歌う必要があるわけです。
そんなカッコよく歌いこなすためには
難易度の高いバラード。
今回はバラードをカッコよく歌うための
3つのコツをお伝えします!
抑揚を意識して歌う
バラードを上手く歌うには
メリハリをつけることがポイント。
シンプルな曲調なので、
歌声でメリハリをつけなければなりません。
上手いと感じる歌には表現力があり、
メリハリがあります。
特にバラードは静かに歌うところは抑えて、
盛り上がるところは全力で歌うと良いでしょう。
サビで盛り上げるためには、
他のところで抑えて歌う必要があります。
そうすることで、
バラード特有の雰囲気が生まれます。
余韻を残して歌う
語尾を小さくする
バラード特有の歌い方をするためには、
語尾を小さく歌うと良いです。
音がフェードアウトすることで、
余韻を残すことができます。
また、バラードの世界観が伝わり
語りとしての効果も出ます。
語尾を少し伸ばす
バラードは伴奏の音が小さく、
歌声がハッキリと聴こえやすいもの。
またスローテンポなため、
フレーズとフレーズに間があることが多いです。
そこでスパッと歌詞を切るのではなく、
少し歌詞を伸ばすと雰囲気が出ます。
「愛してる。」と歌うのではなく、
「愛してるぅ~」と歌う方が良いでしょう。
モノマネをして歌う
バラードの歌い方は
人によってかなり違いがあります。
それぞれのバラードの歌い方には
それぞれの特徴があります。
そこで自分の理想とする人を決めて、
そのモノマネをして歌ってみましょう。
明確な目標を決めることで、
練習の方向が定まりやすくなります。
自分の理想をイメージすることで
何を練習すればよいかが見えやすくなります。
バラードが難しいと感じる理由
アップテンポの曲は歌えるのに、バラードになると急に自信がなくなる。この感覚には理由があります。バラードはごまかしが効かない構造をしているからです。
| バラードの特徴 | そのせいで起きること |
|---|---|
| テンポが遅い | 1音を伸ばす時間が長く、揺れやブレが目立つ |
| 伴奏の音数が少ない | 声がむき出しになり、音程のズレが隠れない |
| 音量の幅が広い | 小さい声の質と大きい声の質、両方が問われる |
| フレーズが長い | 息が最後まで持たず、語尾が失速する |
| 間(ま)が多い | 無音の時間が長く、切り方・止め方が露出する |
つまりバラードで感じる難しさの正体は、技術がないことではなく、技術がそのまま見えてしまうことです。逆に言えば、バラードで整った歌い方ができるようになると、他のジャンルにもそのまま応用が効きます。バラードを「表現の曲」と捉えるより、まずは基礎が試される曲として向き合うほうが、練習の的が絞れます。
ロングトーンとブレスの配分を設計する
バラードで特に差が出やすいのは、伸ばした音の後半です。歌い出しはきれいでも、伸ばしている間に音程が下がる、音量がしぼむ、声が震える。これは息のコントロールと配分の問題であることが多く、感情の込め方でどうにかなる部分ではありません。
伸ばした音の後半をどう保つか
ロングトーンで意識したいのは、「大きく出す」ことではなく同じ状態を保つことです。息を一気に使うと後半で足りなくなり、慌てて絞ることで音程が不安定になります。伸ばし始めの時点で、最後まで届く量に抑えておくのがコツです。具体的な練習法はロングトーンを綺麗に響かせる練習法とコツにまとめています。
ブレスは「入れられる場所」ではなく「入れる場所」を決める
バラードはフレーズが長いため、行き当たりばったりで息を吸うとどこかで足りなくなりがちです。おすすめは、歌詞カードやメモにブレス位置を書き込んでから練習する方法です。手順は次の通りです。
- 原曲を聴きながら、歌手がどこで吸っているかを確認する
- 自分の息の持ち具合に合わせて、位置を追加・変更する
- その位置を毎回同じにして、10回歌っても崩れない状態にする
- 録音して、決めた場所以外で吸っていないかを確認する
ブレス位置が固定されると、フレーズの終わりまで計算できるようになり、語尾を雑に切ってしまうことが減ります。吸い方そのものが苦しい場合は歌の息継ぎ・ブレスのコツを先に確認しておくと効率的です。
なお、バラードではブレスの音そのものが表現になる場面もあります。無音の中に入る息の音は、聴き手に感情の動きを想像させます。意図せず出るノイズと、意図して聴かせる息は別物です。前者は録音のときにマイクの角度や距離で減らせますが、後者は狙って残すもの。この区別がつくと、ブレスを「消すもの」から「使えるもの」に変えられます。
強弱と語尾で「余韻」を作り込む
抑揚をつけようとすると、多くの人は「サビで大きく、それ以外は小さく」という二段階になりがちです。バラードでそれをやると、静かな部分がただ聞こえにくいだけになり、盛り上がりも単調になります。
音量以外で強弱を作る
強弱は声の大きさだけで作るものではありません。同じ音量でも、次の要素を変えると聴こえ方が変わります。
- 息の量:息を多めに混ぜると柔らかく、絞ると芯が出ます
- 響かせる場所:こもらせるか、前に出すかで距離感が変わります
- 子音の強さ:子音をはっきり立てるだけで、音量を上げずに前に出た印象になります
- アタック:音の入り方を柔らかくするか、はっきり当てるかで印象が変わります
この考え方を理解しておくと、「サビで叫ぶ」以外の選択肢が増えます。組み立て方の詳細は歌のダイナミクス(強弱)の付け方が参考になります。
語尾の処理を4種類から選ぶ
バラードでは1フレーズごとの終わり方が印象を決めます。すべて同じ処理にすると単調になるので、意識的に使い分けます。
| 処理 | やり方 | 向く場面 |
|---|---|---|
| 消える | 音量を落としながら自然に切る | 静かなAメロ、曲の終わり |
| 止める | 音量を保ったまま、はっきり切る | 言い切る歌詞、決意の場面 |
| 伸ばす | 次の小節まで少し残す | 間が空くところ、余韻を残したいとき |
| 落とす | 語尾を下方向に軽く滑らせる | ため息のような表現、諦めの場面 |
1曲の中でこの4つを配置していくと、それだけで表情がつきます。それぞれの出し方は歌の語尾をきれいに歌うコツで細かく解説しています。あわせて意識したいのが、フレーズとフレーズの間にある沈黙です。バラードは無音の時間が長く、そこも表現の一部になります。焦って早く歌い出してしまうと、せっかく作った余韻が途中で切れてしまうので、待てるようになること自体がひとつの技術だと考えてください。
遅いテンポでリズムを崩さない
バラードはゆっくりなので拍を取るのが簡単そうに見えますが、実際には逆のことが多いです。1拍の間隔が長いぶん自分の中で拍を見失いやすく、気づかないうちに歌が前に出たり(走る)、後ろにずれたり(もたる)します。伴奏がピアノやギターだけの場面では、ドラムのように拍をはっきり刻む音がないため、ずれに気づきにくいのも特徴です。
拍を細かく割って数える
取り入れやすいのは、1拍を半分に割って数える方法です。「1・2・3・4」ではなく「1と2と3と4と」のように、表拍と裏拍の両方を意識します。伸ばしている音の間も頭の中で数え続けると、次のフレーズの入りが遅れにくくなります。
- 歌わずに原曲を流し、手拍子で表拍を取る
- 慣れたら手拍子を裏拍(「と」の位置)に移す
- 裏拍を感じたまま、小さな声でメロディーをなぞる
- 伸ばす音の長さが原曲と同じになっているかを確かめる
伴奏のどの音を手がかりにするかは伴奏を聴いてリズムを取るコツで扱っています。意図して入りを遅らせる「タメ」と、ただ遅れてしまう「もたり」の違いは歌の「間」の取り方を参考にしてください。
言葉の置き場所と拍の強弱をそろえる
4拍子の曲では一般に1拍目が強く、表拍は裏拍より強く感じられます。歌詞の中で伝えたい言葉が強い拍に乗っているか、逆に助詞のような軽い言葉が強い拍で目立っていないかを見ておくと、同じ音量でも言葉の聴こえ方が変わってきます。
声量を落としても言葉を届ける
静かな部分を歌うとき、声量を下げることと優しく歌うことを同じだと考えてしまうと、言葉がぼやけて聴き手に届きにくくなります。小さい声で歌う場面ほど、崩れやすいポイントを先に知っておくと対処しやすくなります。
| 声量を落としたときに起きやすいこと | 確認したいこと |
|---|---|
| 音程が下がる | 声量と一緒に息の流れまで弱めていないか |
| 歌詞が聞き取れない | 子音が消えていないか、母音の形が崩れていないか |
| 息の音ばかりが目立つ | 息を混ぜる量が多すぎないか |
| サビとの差が出ない | 小さく歌う部分でも声の芯が残っているか |
意識したいのは、音量を下げても息の流れと声の芯は残しておくことです。息を多く混ぜる歌い方は切なさを出しやすい一方で、続けて使うと言葉が届きにくくなります。ここぞという場面に絞って使うほうが、印象に残りやすいとされています。息を混ぜた声の出し方はウィスパーボイスの出し方と練習方法、息がもれすぎてしまう場合は息もれ・かすれ声を減らすコツで扱っています。
録音する場合は、マイクとの距離も声量の一部として考えられます。小さく歌う部分では少し近づき、張る部分では少し離れると、無理に声量の差を作らなくても自然な強弱に聴こえることがあります。
長いフレーズを支える姿勢と腹式呼吸
ブレスの位置を決めても息が最後まで続かない場合、配分ではなく息の入れ方そのものが浅いことがあります。バラードの解説で繰り返し挙げられているのが、腹式呼吸を土台にした「支え」と、それを邪魔しない姿勢です。静かな曲ほど、気持ちを込めようとして胸や喉に力が入りやすく、呼吸が浅くなりやすいと言われています。
| 見るところ | 崩れたときに起きやすいこと | 確かめ方 |
|---|---|---|
| 背中・首 | 猫背やあごが前に出た姿勢で、息が入りにくくなる | 壁に背をつけて立ち、そのまま1フレーズ歌ってみる |
| 肩・胸 | 吸うときに肩が上がり、伸ばす音の後半で苦しくなる | 鏡の前で吸い、肩の高さが変わらないかを見る |
| お腹 | 吐き始めてすぐお腹がしぼみ、語尾まで持たない | お腹に手を当て、伸ばしている間にゆっくり戻っていくかを確かめる |
| 息の出し方 | 強く押し出して、出だしだけ大きくなる | 「押す」ではなく「流し続ける」つもりで同じ音を伸ばす |
腹式呼吸の基本の身につけ方は正しい腹式呼吸を身につけよう、立ち方・座り方は歌う時の正しい姿勢にまとめています。力みが抜けない場合は、歌う前に肩を回す、大きくため息をつくなど、体をゆるめる時間を少し入れてから始めると、呼吸が入りやすくなることがあります。
伸ばす音をどう飾るか:まっすぐ・ビブラート・フェードイン
バラードの感情表現として、多くの解説がビブラートを挙げています。ただし、伸ばす音すべてに揺れを付けると、かえって表情が一本調子になります。伸ばす音ごとに、「飾らない」も含めた選択肢から1つを選ぶと考えると整理しやすくなります。
| 伸ばし方 | 聴こえ方 | 置きやすい場所 |
|---|---|---|
| まっすぐ伸ばす | 素直で落ち着いた印象 | Aメロなど、言葉を淡々と置きたいところ |
| 後半だけビブラート | 伸ばした音の終わりに余韻が残る | フレーズの終わり、サビの最後の音 |
| フェードイン(だんだん大きく) | 気持ちが高まっていく流れが出る | Bメロの終わりなど、次の盛り上がりへつなぐところ |
| 最初から最後までビブラート | ドラマチックだが、多用すると重くなる | 曲の中で1〜2か所に絞る |
まずは「まっすぐ伸ばす」を基本にして、揺らす場所を曲の中で数か所だけ決めておく進め方が取り組みやすいです。まっすぐ伸ばせない段階でビブラートを足すと、意図しない揺れと混ざって、録音を聴いても区別しにくくなります。揺らし方そのものはビブラートの出し方と練習方法で、3つの出し方から解説しています。
選曲と、録音で確認するポイント
バラードは技術が見えやすい分、曲選びの影響が特に大きいジャンルです。背伸びした曲を選ぶと、最初から最後まで余裕のない歌になってしまいます。
選曲で見るところ
- 最高音より、サビで一番長く出る音:一瞬出る最高音より、繰り返し使われる高さのほうが負担になります
- フレーズの長さ:息が持たない長さが続く曲は、慣れるまで避けても構いません
- 最低音:バラードは低い音も多く、キーを下げすぎると今度は低音が聞こえなくなります
- 歌詞の量:文字数が多い曲は、遅いテンポでも滑舌の処理が必要になります
キーが合っていないだけで難しく感じている場合も多いので、まずは自分に合うキーの見つけ方で調整してみてください。原曲キーのまま無理をするより、半音〜1音下げたほうが表現に回せる余裕が生まれることは珍しくありません。
また、練習用に選ぶ曲と、人に聴かせるために選ぶ曲を分けて考えるのもおすすめです。練習用は今の自分より少しだけ難しい曲、公開用は安定して歌い切れる曲。この2本立てにしておくと、背伸びした録音を出してしまう失敗が減ります。
録音を聴き返すときのチェックリスト
バラードは自分の耳で歌いながら判断するのが特に難しいジャンルです。1コーラスでいいので録音して、次の順番で確認してみてください。
- 伸ばした音の終わり:音程が下がっていないか、音量がしぼんでいないか
- ブレスの位置:決めた場所以外で吸っていないか、吸う音が大きすぎないか
- Aメロとサビの差:実際に差がついているか(自分では付けたつもりでも録音では平坦なことがよくあります)
- 語尾:全部同じ処理になっていないか
- 言葉が聞き取れるか:小さく歌った部分の歌詞が届いているか
チェックの進め方そのものは録音でセルフ添削するやり方が使えます。一度に全部直そうとせず、1テイクにつき1項目だけ直すつもりで回すほうが、結果的に早く仕上がります。























