突然ですが、
あなたは完璧主義者ですか?
もし完璧主義者という人がいれば、
注意した方が良いです。
完璧主義者の人は
歌が上手くなりにくいです。
完璧主義者のままでは
歌の練習が続きにくくなることがあります。
完璧主義者と歌の関係について
話していきたいと思います。
完璧主義者とは?
完璧主義者という言葉は
心理学でも取り上げられています。
万全を期すために努力し、過度に高い目標基準を設定し、自分に厳しい自己評価を課し、他人からの評価を気にする性格を特徴とする人のこと 。 定められた時間、限られた時間の内にて完璧な状態を目指す考え方や、精神状態のことである。
ーウィキペディア
言葉の意味だけを考えると
決して悪いことではないと思います。
完璧を目指すこと自体を
否定するつもりはありません。
完璧主義者のデメリット
成功するのが難しくなる
ただ現実を考えると、
完璧にできることは少ないです。
完璧にできることはないと言っても
過言ではないでしょう。
何が完璧かハッキリしていれば
まだマシです。
テストで100点満点を取れば
完璧だと言えるでしょう。
ただ毎回確実に100点を
取り続けることは難しいと思いますが…。
さらに深刻な問題が
明確な基準のないものです。
テスト勉強をすること、
計画を立てること、本を書くこと。
世の中には正解がないこと、
終わりのないことがたくさんあります。
そういう物事に取り組んだ時、
完璧主義者はどうなるでしょうか?
答えはとても簡単で、
行動できなくなります。
準備が終わらないので、
行動に移ることができなくなる。
それでは何かを達成することは
不可能でしょう。
途中で投げ出してしまう
また完璧主義者は
100か0で考えるクセがあります。
何でも完璧にやり切りたい。
少しでも完璧でなければ
もうやりたくない。
そう思ってしまうわけです。
私もかつて完璧主義者だったので、
気持ちがよくわかります。
ノートを自分のルール通りに取っていて、
少しでも間違えるとノートを取りたくなくなる。
そんなことは日常茶飯事でした。
歌と完璧主義者の関係
それでは完璧主義者と歌には
どのような関係があるのでしょうか?
音程もリズムもあっていないと
絶対に許せない。
自分が決めたことが達成できないと
もう練習したくなくなる。
それは上手くなるものを
上手くなりません。
歌というのは
少しずつ上手くなっていきます。
音程正答率が60%から
65%になれば十分成長しています。
日々の成長を感じて
認められないと歌は上手くなりません。
1日で音痴がプロ歌手並みの
歌唱力を身につけることはないです。
つまり完璧主義者は
歌の上達を実感しにくくなることがあります。
完璧主義者をやめるには?
不完全を受け入れる
人というのは不完全です。
完全であり完璧であることの方が
よっぽど少ないです。
このことを心から認めるだけで
気持ちがラクになります。
下手でも良いから
とりあえずやろうという気持ちになれます。
ただ夢を見て憧れることよりも
日々の練習の方が価値があるでしょう。
まずは不完全でも良い。
泥臭くやっていくことを
意識しましょう。
過度に期待しない
歌手の歌を聞いて
自分の歌を聞くと落ち込む。
それは他の人と比べて、
自分に期待していることが原因です。
他人は他人ですし、
自分の能力は自分がよく知っています。
過度な妄想や期待は
自分を苦しめるだけです。
完璧主義が妨げになる場面と、活きる場面
完璧を求める性質そのものが悪いわけではありません。同じ性質でも、出てくる場面によって足を引っぱることもあれば、強みとして働くこともあります。「完璧主義だからダメ」と自分を否定してしまうと、活かせるはずの部分まで手放すことになりかねません。場面ごとに切り分けて見てみましょう。
| 場面 | 妨げになる出方 | 活きる出方 |
|---|---|---|
| 曲を選ぶとき | 今の実力で歌える曲が一つもないと感じ、決められない | 曲の難所を事前に洗い出し、練習の順番を組める |
| 日々の練習 | 1回でもミスすると、その日の練習をやめてしまう | 雑に流さず、細かい違いに気づける |
| 録音・テイク選び | 納得できるテイクが出ず、録り直しが終わらない | 聴き分けの精度が高く、良いテイクを見抜ける |
| MIX・編集 | 細部をいじり続けて、いつまでも完成にならない | ノイズや違和感を丁寧に処理できる |
| 投稿・公開 | 「まだ出せる状態じゃない」と延期し続ける | 公開前のチェックが行き届き、ミスが残りにくい |
表を横に見ていくと、共通点が見えてきます。妨げになるのは「終わりを自分で決められない」ときで、活きるのは「基準がはっきりしている」ときです。つまり必要なのは完璧主義をやめることというより、終わりの線を先に引いておくことだと整理できます。
「まだ出せない」から抜けるための手順
歌い手として活動するうえで、いちばんもったいないのは作ったものが公開されないまま止まることです。手元にあるだけでは、反応も得られず、次の判断材料も増えません。線を引くための具体的なやり方をいくつか挙げます。
- 公開日を先に決める——完成したら出すのではなく、その日に出すと決めます
- 公開の合格ラインを紙に書く——「音程が明らかに外れた箇所がない」「ノイズが目立たない」など、3〜5項目に絞ります
- その項目だけをチェックする——書いていないことは、気になっても今回は直しません
- 直したい点は次回のメモに回す——消すのではなく、次の作品の課題として残します
- 予定日に公開する——項目を満たしていれば、気持ちが乗らなくても出します
2番の合格ラインは、自分で書いておくことに意味があります。頭の中の「完璧」は際限なく上がっていきますが、紙に書いた項目は増えません。基準を自分の外に置くことで、判断が揺れにくくなります。
尺を短くするという選択肢
1曲まるごとを完成させようとすると、直したい箇所も比例して増えます。最初のうちは、ワンコーラスやサビだけといった短い尺で公開してみるのも一つの方法です。短ければ完成までの距離が近く、公開までのサイクルを回しやすくなります。短尺での投稿についてはTikTok・YouTubeショートで歌ってみたを伸ばせる方法にまとめています。
やり直しをどこで止めるか
録音とMIXは、完璧主義がいちばん時間を吸われやすい工程です。どちらも「もう少し良くできるかもしれない」と思える余地が常に残るため、自分で止めないと終わりません。あらかじめ制限を設けておくと、判断を先送りしにくくなります。
| 工程 | 先に決めておくこと | 迷ったときの決め方 |
|---|---|---|
| 録音 | テイク数の上限(例:1フレーズ5テイクまで) | 上限に達したら、その中から選ぶ。翌日に持ち越す |
| テイク選び | 選ぶ基準を1つに絞る(音程かニュアンスか) | 基準に合うものを選ぶ。全部良くなくてよい |
| MIX | 作業時間の上限を決める | 時間が来たら書き出す。追加の修正は次回へ |
| 最終確認 | 聴き返す回数(例:2回まで) | 3回目以降は判断がぶれやすいので聴かない |
特に効きやすいのが「翌日に持ち越す」という方法です。同じ日に何度も聴き返すと、耳が慣れて良し悪しの判断がつきにくくなると言われています。時間を空けてから聴き直したほうが、直すべき箇所と気にしすぎている箇所を分けやすくなります。
MIXの工程そのものが重い、という場合は、作業量を減らす方向で考える手もあります。基本の手順は歌ってみたMIXのやり方・手順完全版に、自動処理を使う選択肢はAIでMIXはどこまでできる?にまとめています。工程が軽くなれば、いじり続ける時間そのものが減ります。
基準を数字ではなく「変化」で見る
完璧主義の方は、上達を「できている/できていない」の2択で見てしまいがちです。ここを前回との差で見るように切り替えると、続けやすくなる場合があります。同じ曲を月に一度録音して並べておくと、その差が音として残ります。
- 同じ曲・同じキーで、月に1回だけ録音する
- 日付をファイル名に入れて保存しておく
- 3か月分たまったら、順番に再生して聴き比べる
- 良くなった点を1つ、まだ課題の点を1つだけ書き出す
この方法の利点は、判断の対象が「理想との距離」ではなく「過去の自分との差」になることです。理想と比べる限り差はいつまでも残りますが、過去との比較なら変化が見えます。録音を長期間ためておくにはファイル管理が必要になるので、録音データ管理・バックアップ術もあわせてご覧ください。
なお、完璧を目指すこと自体は、目的がはっきりしていれば強みとして働きます。問題になりやすいのは、目的があいまいなまま「とにかく完璧に」と考えてしまうときです。目的の立て方と、練習後に確認できる形への言い換えについては質の高い練習をするためには?で扱っています。
心理学では完璧主義をいくつかの側面に分けて考える
心理学の研究では、完璧主義は「ある・ない」の1つの性質ではなく、いくつかの側面の組み合わせとして扱われています。国内の例として、桜井茂男・大谷佳子(1997)は自分に向ける完全主義を次の4つの側面でとらえる尺度を作成しています(心理学研究 第68巻第3号)。
| 側面(論文での名称) | おおまかな意味 | 歌の練習での出方の例 |
|---|---|---|
| 完全主義への欲求 | 完璧でありたいという気持ち | 1曲を最初から最後まで仕上げてからでないと次に進めない |
| 個人的基準 | 自分に高い目標を課すこと | 難しい曲に挑む、細かな違いを聴き分けようとする |
| 誤りへの懸念 | ミスを強く気にすること | 1回外すと、その日の練習をやめたくなる |
| 行為の疑念 | 自分のやったことに確信が持てないこと | 録ったテイクを何度聴いても決められない |
この研究では、「個人的基準」と、「誤りへの懸念」「行為の疑念」とでは、ほかの心理的な指標との関係の現れ方が異なると報告されています。海外でも、高い基準を目指す側面と、ミスや他人の評価を気にする側面を分けて考える見方が整理されています(Stoeber・Otto, 2006)。
歌に置き換えると、高い目標はそのまま持ち、ミスへのとらわれだけを減らす、という方向で考えられます。なお、これらは性格の傾向を研究するためのもので、自分を当てはめて判定するためのものではありません。
ミスを「止まる理由」から「記録する情報」に変える
ミスへのとらわれが強いと、練習中のミスそのものが手を止める原因になります。ミスが起きたときの扱い方を先に決めておくと、止まらずに続けやすくなります。
- 練習中は1コーラス通すまで止めない。外した場所は歌いながら覚えておく
- 通し終わったら、外した場所と「どう外れたか(高い・低い・遅れた)」をメモする
- メモの中から1か所だけ選んで、その部分を切り出して練習する
- 次の通しでは、その1か所がどうなったかだけを確認する
ミスの回数ではなく、ミスの種類を見るのがポイントです。同じ種類のミスが続く場所は、次に取り組む課題がはっきりしている場所でもあります。失敗の扱い方は良い失敗と悪い失敗の違いでも取り上げています。
人前で歌う場面での完璧主義
ライブや配信、カラオケなど人前で歌う場面では、録り直しができません。録音では強みになる細かさが、本番では「1か所外したら全部だめ」という受け止め方につながりやすくなります。
| 本番で起こりがちなこと | 練習の段階でできること |
|---|---|
| 1か所のミスで、その後も崩れる | ミスしても止まらずに歌い切る通し練習を入れておく |
| 出だしの1音にとらわれる | 最初のフレーズだけを繰り返し、入りで迷わない状態にしておく |
| 終わってから反省点ばかり思い出す | 振り返りは「良かった点1つ・次の課題1つ」に限る |
緊張への向き合い方は緊張で上手く歌えないときの対処法、配信で歌うときの準備は生放送のコツも参考にしてください。























