歌ってみた1本の作り方【全工程フロー】選曲→録音→MIX→動画→投稿まで

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「歌ってみたを投稿してみたい」と思って調べ始めると、選曲・オフボーカル音源・録音・MIX・動画・概要欄……と、次々に新しい言葉が出てきます。一つひとつの解説記事はたくさんあるのに、結局どの順番でやればいいのかが分からず、机の前で止まってしまう——これは初めての1本でとても多いつまずき方です。

この記事は、歌ってみた動画を1本完成させるまでの制作フローを、7つの工程として通しで整理したものです。各工程で「何を決めるのか」「どこでつまずきやすいのか」だけに絞って書いているので、まずはここで全体の地図をつかんでください。

そして、それぞれの工程には詳しい解説記事へのリンクを置いています。いま自分がどこにいて、次に何を読めばいいかが分かる目次のように使ってもらえれば大丈夫です。なお、歌い手として活動していくこと全体の話は歌い手の始め方 完全ロードマップにまとめてあります。この記事はそのうちの「動画1本を作り切る部分」を詳しく分解したものだと考えてください。

結論早見表:7工程で何を決めるか

全体像を先に見てしまいましょう。各工程で決めることと、初めての人がつまずきやすい場所をまとめました。

工程ここで決めることつまずきやすい点
1. 選曲・キー決め歌う曲、キーを変えるかどうか好きな曲と歌える曲を混同する
2. 音源準備・権利確認使うオフボーカル音源、投稿先で使えるか利用条件を読まずに進めてしまう
3. 練習・録音準備録る場所、機材、歌い方の方針練習不足のまま録り始めて何十回も録り直す
4. 録音テイクの数、ハモリを入れるか録音レベルの設定ミスで全部録り直し
5. MIX自分でやるか、AIか、依頼するか手段を決めないまま時間だけ過ぎる
6. 動画・サムネイラスト、動画の形式、サムネの文字イラストの用意で止まる
7. 投稿投稿先、タイトル、概要欄、公開日時クレジット記載の漏れ

初めての1本にかかる期間は人によって差がありますが、数週間ほどを見ておくと気持ちに余裕が持てます。特にイラストを外部に依頼する場合は、そのやりとりに時間がかかることを見込んでスケジュールを組んでおくと安心です。

ここからは各工程を順に見ていきます。すでに終わっている工程は飛ばして、必要なところから読んでください。

工程1〜2:曲を決めて、音源をそろえる

工程1:選曲とキー決め

最初の分かれ道が選曲です。ここで決めるのは「歌う曲」と「キーを変えるかどうか」の2つだけ。ただし、この2つがその後の全工程の難易度を決めてしまいます。

よくあるつまずきは、好きな曲と、いま自分が歌い切れる曲を同じものだと思ってしまうことです。大好きな曲ほど原曲のイメージが強く、そこに届かない自分の歌に納得できず、録音の段階で何十テイクも重ねて疲れてしまう——というパターンが起きやすくなります。

1本目は「歌いたい曲」より「最後まで気持ちよく歌い切れる曲」を選ぶほうが、完成までたどり着きやすいです。曲の選び方の考え方は歌ってみたの選曲のコツで詳しく整理しています。

もう一つがキーです。原曲キーで無理に張り上げるより、自分に合う高さに下げた(あるいは上げた)ほうが、結果的に良い歌になることは珍しくありません。キーを変えること自体は、ごく普通に行われている選択です。何個下げるかの決め方は自分に合うキーの見つけ方を参考にしてください。

工程2:オフボーカル音源の準備と権利の確認

曲が決まったら、伴奏だけのオフボーカル音源(カラオケ音源)を用意します。ボカロ曲の場合、作者が公式に配布しているものを使うのが基本の流れです。

ここで決めるのは「どの音源を使うか」と「その音源と楽曲を、投稿先で使ってよいか」の2点。つまずきやすいのは後者で、配布ページに書かれた利用条件を読み飛ばしたまま進めてしまうケースです。

条件は配布元によって異なり、収益化の可否やクレジット表記の書き方まで指定されていることがあります。後から確認するより、この段階で読んでおくほうが結果的に楽です。音源の探し方と扱い方はオフボーカル音源の探し方と使い方に、投稿先ごとの権利の考え方は歌ってみたと著作権まとめにまとめています。

公式のオフボーカルが見つからない曲もあります。その場合の選択肢や注意点についても、上記2記事で触れているので確認してみてください。

工程3〜4:練習して、録音する

工程3:練習と録音の準備

意外と軽視されがちなのがこの工程です。ここで決めるのは「どこで録るか」「何で録るか」「どう歌うか」の3つ。

録音は「歌えるようになってから」始めるほうが、結果的に早く終わります。歌詞やリズムが曖昧なまま録り始めると、録音・確認・録り直しのループに入り、そこで気力を使い切ってしまいがちだからです。オフボーカル音源に合わせて通しで数回歌えるようになってからマイクを立てる、くらいの目安がちょうどいいでしょう。

録る場所については、部屋のどこで録るかを変えるだけで音の印象が変わります。壁際を避ける、クローゼットの前で録る、毛布を垂らす、エアコンを止める——お金をかけずにできることが多いので、録り環境の作り方を先に読んでおくと録り直しが減らせます。音漏れそのものが気になる場合は宅録の防音対策を、自宅での録音が難しい場合はカラオケボックスでの録音という選択肢もあります。

機材については、1本目からフルセットをそろえる必要はありません。スマホだけで最後まで作る方法もあるので、まずはスマホだけで歌ってみたを作る方法で全工程を一度体験してから、足りないと感じた部分に投資するほうが無駄が出にくいです。

工程4:録音

いよいよ録音です。ここで決めるのは「何テイク録るか」「ハモリや重ねを入れるか」

最大のつまずきポイントは、録音レベル(ゲイン)の設定ミスです。大きすぎれば音が割れ、小さすぎればノイズが目立ちます。そして厄介なことに、どちらも後から完全にはやり直せません。歌い切ってから気づいて全部録り直し、というのは避けたいところなので、本番前に1コーラスだけ録って確認する習慣をつけてください。設定の合わせ方は録音レベル(ゲイン)設定で解説しています。

録り方の進め方としては、まず通しで3〜5テイク録るのが扱いやすいです。1フレーズずつ完璧を目指すより、通しの中から良いテイクを選び、気になる箇所だけ後から録り足すほうが、歌の流れが自然になりやすいとされています。

ハモリや重ね(ダブル)は、1本目では無理に入れなくても構いません。メインを1本きれいに録るほうが優先です。マイクとの距離や声量の付け方に迷ったら録音での声量コントロールもあわせてどうぞ。

録り終えたら、データを必ず別の場所にもコピーしておいてください。制作途中のデータが消えて心が折れる、というのは実際によくある事故です。録音データ管理・バックアップ術に具体的なやり方をまとめています。

工程5:MIX(ミックス)

録った歌声とオフボーカル音源を1つの音にまとめる工程です。ここで決めるのは、正直なところ「誰がやるか」の一点に尽きます。選択肢は3つ。

選択肢向いている人気をつける点
自分でやる時間をかけて覚えたい人最初の1本は学習に時間がかかる
AIツールを使うまず形にしたい人ツールごとに得意不得意がある
MIX師に依頼する完成度を優先したい人納期と費用、素材の渡し方の準備が必要

つまずきやすいのは、この3つのどれにするかを決めないまま時間が過ぎてしまうことです。「自分でやってみて、難しかったら依頼する」でも構わないので、いったんどれかに決めて動き出すほうが前に進みます。

自分でやる場合の手順は歌ってみたMIXのやり方、AIを使う場合はAI MIX入門、依頼する場合はMIX依頼の準備ガイドをそれぞれご覧ください。特に依頼する場合は、渡すデータの形式や要望の伝え方を事前に整えておくと、やりとりの往復が減ります。

工程6〜7:動画にして、投稿する

工程6:動画とサムネイルを作る

音が完成したら、映像を付けます。ここで決めるのは「イラストをどうするか」「どんな形式の動画にするか」「サムネに何と書くか」の3つです。

最も止まりやすいのがイラストです。自分で描く、素材を使う、絵師さんに依頼する、といった選択肢がありますが、依頼する場合は納期が読みにくいため、他の工程と並行して早めに動いておくとスケジュールが崩れにくくなります。他人の作品を許可なく使うことはできないので、素材を使う場合も利用条件の確認は必須です。

動画の形式は、1枚のイラストに歌詞を乗せるシンプルなものから始めて問題ありません。編集ソフトの選び方と作り方の手順は歌ってみた動画(MV)の作り方にまとめています。

そして意外と結果を左右するのがサムネイルです。一覧に並んだときにクリックするかどうかを判断される場所なので、小さく表示されても読める文字量に絞るのがコツ。具体的な作り方はサムネイルの作り方で解説しています。

工程7:投稿する

最後の工程です。ここで決めるのは「投稿先」「タイトル」「概要欄の中身」「公開日時」

つまずきやすいのは概要欄で、クレジット表記の漏れが起きがちです。原曲の情報、オフボーカル音源の提供元、イラスト、MIX担当——関わった人と素材をきちんと書くことは、マナーであると同時に、配布条件として求められている場合もあります。テンプレートを用意しているので、概要欄の書き方を見ながら埋めていくのが早いです。

タイトルは、曲名と自分の名前が入っていれば最低限は成立します。凝った文言より、検索したときに見つけてもらえることを優先しましょう。

投稿後の広げ方としては、ショート動画を切り出す方法もあります。本編とは別の入口として機能することがあるので、余力があればショート動画の攻略も検討してみてください。

つまずきやすいポイントの総まとめ

7工程を通して、初めての1本で止まりやすい場所をもう一度並べます。

  • 選曲で背伸びしすぎる → 1本目は歌い切れる曲を選ぶ
  • 音源の利用条件を読んでいない → 使う前に配布ページを確認する
  • 練習不足のまま録り始める → 通しで歌えるようになってからマイクを立てる
  • 録音レベルの設定ミス → 本番前に1コーラス録って確認する
  • MIXの手段を決めない → 自分でやる/AI/依頼のどれかにいったん決める
  • イラスト待ちで止まる → 依頼するなら他工程と並行して早めに動く
  • データが消える → 各工程が終わるたびに別の場所へコピーする

逆に言えば、この7つを避けるだけで完走できる確率はかなり上がります。すべてを最初から完璧にこなす必要はありません。

まとめ:1本目は「完成させること」が目的

歌ってみたの制作フローを7工程で整理してきました。最後にもう一度、進み方の考え方をまとめます。

  1. 順番を守る:選曲→音源→練習・準備→録音→MIX→動画→投稿。前の工程の決定が次の工程を楽にします
  2. 1本目は完成度より完走:一度通しでやると、自分がどこで詰まるかが分かります。2本目からはそこに時間を配分すればいいだけです
  3. 詰まったら該当工程の記事へ:この記事は地図なので、深い話はリンク先で拾ってください

「うまく歌えたか」より「投稿まで終わったか」を1本目のゴールにすると、次に進みやすくなります。歌い手としての活動全体の設計——名前の決め方、SNSの使い方、その先の伸ばし方——については、歌い手の始め方 完全ロードマップで扱っています。用語で引っかかったときは歌い手の用語辞典もあわせてどうぞ。



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