「歌っていると、息が続かなくなって
どんどん苦しくなってしまう。」
「本当はしっかり伸ばさないといけないのに、
息がもたなくてすぐに切ってしまう。」
なんとか息が続いても、声が裏返ったり
苦しそうな歌声になる。
こういう悩みを抱えている人は
意外と多いのではないでしょうか?
息が続かないという話になると、
肺活量という言葉をよく耳にします。
「肺活量がないから息が続かない。」
「肺活量があれば、伸ばすことができる。」
肺活量はないよりはあった方が良いですが、
肺活量が原因ということはほとんどありません。
むしろ、発声があまり良くないことの方が
圧倒的に多いです。
そこで、今回は息が続かない原因から
息を続かせるテクニックをお伝えします。
息が続かない原因
胸式呼吸になっている
歌う時は腹式呼吸で歌いましょうと
よく言われます。
腹式呼吸で歌うメリットのひとつは
多くの空気を取り入れられることです。
一方、胸式呼吸と言われる呼吸法は
あまり空気を取り入れることができません。
歌っていて、息が続かない場合
腹式呼吸ができているかを確認した方が良いです。
胸式呼吸と腹式呼吸の違い、
腹式呼吸のやり方はこちらの記事をご覧ください。
息を吐いていない・吸っていない
息を少し吸って、すぐに吐く動作を
30秒ほどやってみてください。
かなり苦しくなると思います。
この息の吸い方・吐き方では
肺の容量をほとんど使っていません。
息を続かせることで大切なのは
吸うことよりも吐くことなのです。
しっかりと息を吐ききることで、
息を取り込むスペースを開けなければいけない。
息を吐ききってない状態で息を吸う人が
意外と多いのです。
肺の狭いのスペースしか使えてないので、
息が苦しくなってしまいます。
息をムダにしている
声が出る原理を
簡単におさらいしましょう。
喉に声帯という2枚のひだがあります。
この2枚のひだは
くっついたり、離れたりします。
そして、この2枚のひだの間を
空気が通っています。
ひだがくっついた状態で空気が通ると、
ひだが振動します。
この声帯が振動した音が
声の正体です。
つまり、声帯のとじ具合によって
声を出すための息の量は変わります。
声帯がゆるく閉じていると、
声帯を振動させるためには多くの息が必要です。
一方、声帯がしっかり閉じていれば
必要最低限の息の量で声を出すことができる。
息が長く続かない人は、
息を無駄使いしている可能性があります。
息を長く続かせるコツ
よく吐く・よく吸う
何も意識をしないと、人は
生きるために必要な量しか息を吸いません。
それ以上の息を吸うことは
エネルギーのムダになるからです。
しかし、生きるために必要な息の量では
しっかり歌うことが難しいです。
そのため、息を吐く・吸うことを意識して
呼吸をする必要があります。
息を吐ききって肺の容量をあけて、
腹式呼吸で息をしっかりと取り込む。
このことを意識するだけで
本当に大きく変わります。
効率的な声の出し方を身につける
声帯があまり閉じていないと、
声を出すために多くの息が必要になります。
また、身体で音を響かせていないと
声量を出すためにも多くの息が必要になります。
息をムダに使っていると、
すぐにスタミナが切れてしまうもの。
そのため、効率的な息の使い方を身につけ
省エネな発声をする必要があります。
まず、声帯をしっかりと閉じる
声帯閉鎖を身につけること。
そして、声を響かせて大きくする
鼻腔共鳴を身につけること。
詳しくは下の記事に書いてあるので、
そちらを参考にしてください。
息を長く続かせるための練習
省エネな声の出し方を身につける
簡単な練習法をお伝えします。
それは小声で歌うことです。
カラオケでマイクを通して歌ったり、
高い声を出そうとすると声は大きくなるもの。
そこで、今回は声量を抑えることを
意識して歌ってみましょう。
音程もなるべく合わせ、
伸ばすところもしっかり伸ばす。
この練習をすることで、
息が続く感覚を身につけることができます。