「えっ今なんて言った?」
私はよくこんな風に
聞き直されることが多いんです。
自分ではハキハキ話しているつもりなのに
声が届いていない…
こんなことが続くと会話のテンポも悪くなり
話しづらくなってしまいますよね。
歌声だけでなく話声でも良く通る
抜けのある声は身に着けたいですよね。
今回は聞き取りやすい
抜ける声について紹介します。
是非チェックしてみてください。
声の抜けが悪い原因と改善方法

抜けの悪い声とは
体の中で無駄な共鳴が起き
重低音の倍音が増えすぎた発声です。
これはマスキングと呼ばれ、発声の良い声
の上に中低音が被ることで、ぼわぼわした
印象の声になってしまうんです。
余計な共鳴がどこで起きているか把握し
中低音の共鳴を抑える必要があります。
口があまり開いていない方は口腔で余計な
共鳴が起き、こもった声になっています。
これは口角を斜め上外に広げ笑顔で
発声すると、こもりが和らぎやすいとされています。
この時、口を縦ではなく
横に広げることが大切です。
胸から首周辺で余計な共鳴が起きている場合
目線より少し上を向いて歌うと、変化を感じやすいとされています。
鼻を触って「なにぬねの あいうえお」
と発声してみましょう。
鼻腔で余計な共鳴が起きている場合
あいうえおの部分でも鼻が振動しています。
このような鼻にかかった声は目頭辺りの高さ
に声を当てるイメージで発声すると、変わりやすいとされています。
抜ける声を出す練習方法

上の前歯に人差し指を当て
発声してみましょう。
人差し指に声を当てるイメージを持つこと
早く発声することがポイントです。
この時の自分の声と普段の自分の声を
録音し聴き比べると、違いに驚きますよ。
ハミング
ハミングで唇を振動させましょう。
その感覚のまま、口を開け歌うと普段よりも
はっきりした抜けやすい声を少ない空気量で
出せるようになっています。
ハミングのやり方について詳しくはコチラ
リップロール
40秒くらいのリップロールをすると
表情筋がほぐれやすくなります。
すると楽に発声しやすくなります。
自然に滑らかで抜ける声も出るように
なっていますよ。
リップロールについて詳しくはコチラ
鼻腔共鳴を意識
人間には共鳴腔という声を響かせる構造が
いくつかあります。
胸腔、口腔、咽頭、鼻腔などです。
鼻腔共鳴を意識した発声ができると
ナ行やマ行の発声が通りやすくなります。
これを生かし、クラシックの世界では
「ガー」と発声する所を
「ンガー」という風に鼻腔共鳴を意識して
発声するようです。
鼻腔共鳴について詳しくはコチラ
「鼻に抜ける声」と「鼻に空気が抜ける」
マライアキャリーやセリーヌディオンなど
優れた歌手は「鼻に抜けるような声」
を持っているとよく言われます。
しかし、この「鼻に抜けるような声」は
誤解され、「鼻から息を通す声」と
捉えられることが多いんです。
意識するポイントは鼻に空気は流さず口から
上咽頭に響かせるイメージです。
この時、鼻の力みと息もれに注意して
発声しましょう。
「抜けない」と言われるとき、実際に起きていること
声が抜けないという悩みは、原因がひとつではありません。周りからの言われ方が違えば、直すべきところも変わります。まずはどう言われているかを手がかりに、当たりをつけるところから始めると、練習が的外れになりにくくなります。
| 周りからの言われ方 | 起きていると考えられること | 先に試したいこと |
|---|---|---|
| 「歌詞が聞き取れない」 | 子音が弱く、母音だけが伸びている | 歌詞を歌わずに読み、子音をはっきり立ててから歌に戻す |
| 「オケに埋もれる」 | 音量ではなく、目立つ帯域の成分が足りていない | 声を張らずに、響かせる場所を変えて録り比べる |
| 「近くで聞くと大きいのにこもる」 | 口の中の空間の作り方で音がふさがれている | 口の開き・舌の位置を変えて同じフレーズを録音する |
| 「語尾が消える」 | フレーズの終わりで息が続かなくなっている | フレーズを短く区切り、語尾まで同じ音量で終える練習をする |
| 「暗く聞こえる」 | 低い成分の割合が多く、明るい成分が少ない | 音を当てる位置を少し前・少し上に置くイメージで試す |
注意したいのは、どの症状も「もっと大きな声を出す」では解決しにくいという点です。音量を上げれば数字の上では大きくなりますが、聞き取りやすさは別の軸で決まるとされています。声量そのものが課題なのかどうかを切り分けたい場合は、声量が足りない原因はどれ?タイプ別診断と練習法で自分がどのタイプに近いかを確認してみてください。
言葉の届き方を整える
抜ける声というと響きの話に寄りがちですが、実際に聞き取りやすさを左右しているのは子音と語尾の扱いであることが多くあります。ここは共鳴の練習とは別枠で取り組んだほうが結果が見えやすい部分です。
子音を立てる
歌になると、多くの人は母音を長く伸ばすことに意識が向き、子音が短く弱くなります。次の順で確認してみてください。
- 歌う予定の歌詞を、メロディなしで声に出して読む
- タ行・カ行・サ行・パ行が、はっきり聞こえているかを録音で確認する
- 同じ歌詞をメロディに乗せ、読んだときと同じ子音になっているか聴き比べる
- 弱くなっている行だけを取り出し、その部分だけ繰り返す
読んだときと歌ったときで差が大きいほど、伸びしろがあると考えられます。子音は強く言うのではなく、短くはっきり切るほうが自然に聞こえやすいとされています。力を入れて発音すると、今度は音程やリズムが乱れやすくなります。
語尾を最後まで持たせる
フレーズの終わりで音量が落ちると、聞いている側には「言い切っていない」印象が残ります。息が足りないケースと、無意識に力を抜いているケースがあり、後者は自覚しにくいのが厄介なところです。フレーズの最後の1音だけを取り出して、そこから始めるつもりで発声してみると、どのくらい落ちていたかが分かりやすくなります。
練習に入る前に整えておきたい3つの条件
抜ける声の練習をしても手応えが出ないとき、発声そのものではなく声を出す前の状態が整っていないことがあります。同じ練習でも条件が違えば結果が変わるので、先に次の3つを確認しておくと回り道を減らせます。
口の中が乾いていないか
口内が乾いていたり粘ついていたりすると、子音の歯切れが悪くなり、声の輪郭がぼやけて聞こえやすくなります。歌う直前に甘い飲み物や乳製品をとると口の中に膜が残りやすいとされているので、水で流してから始めるだけでも録音の印象は変わります。喉のコンディション全般はオススメの喉ケア方法にまとめています。
冷えた状態からいきなり始めていないか
起き抜けや、声を出していない時間が長かったあとは、響きが乗りにくい状態です。「抜けが悪い」と感じた録音が、単にウォーミングアップ不足だったというケースは珍しくありません。抜けの良し悪しを判断するのは、声を温めてからにしましょう。手順は歌う前にやるべきウォーミングアップが参考になります。
姿勢・脱力・腹式呼吸の土台ができているか
響かせる場所をいくら探しても、猫背で胸がつぶれていたり、肩や首に力みが残っていたりすると、音は前に出にくくなります。腹式呼吸で息を一定に出せているかも含めて、土台の側に原因がないかを先に潰しておくと、共鳴の練習が効きやすくなります。
「対面で聞き返される」抜けは、録音の抜けと分けて考える
録音での抜けと、人と話していて聞き返されるかどうかは、効く要素が違います。対面では響きよりも、言葉の届き方と声の向け方のほうが結果に直結しやすい部分です。
| 場面 | 先に効きやすい要素 |
|---|---|
| 録音・歌ってみた | 響かせる場所、マイクとの距離、録音レベル |
| 対面の会話 | 滑舌、話す速さ、顔の向き、相手との距離感 |
| カラオケの生声 | 口の開き、張らずに響かせる配分、伴奏との音量バランス |
会話で聞き返されることが多い場合、話す速さを少し落として文を短く区切るだけで伝わり方が変わることがあります。下を向いたまま話すと声が拡散しやすいので、相手の顔のあたりへ声を向ける意識も合わせてみてください。子音そのものが弱い自覚があるなら、滑舌が良くならない原因4つと滑舌を改善する方法8選を先にどうぞ。
なお、話し声と歌声では息の使い方も響かせ方も条件が異なります。両方をまとめて直そうとすると的が絞れなくなるため、違いは歌う声と話し声の違いについて解説で整理しておくと迷いにくくなります。声のかすれや喉の違和感が続く場合は、練習を重ねる前に医療機関で相談してください。
声帯の閉じ方と息の量のバランスを見直す
ここまでは響かせる場所や言葉の届き方を見てきましたが、抜けの良し悪しには、その手前にある「音のもと」も関わっていると説明されています。声は、声帯の振動で生まれた音が口や鼻の空間で響いて外に出る、という二段構えで作られるとされます。響かせ方を整えても、もとの音がぼやけていると輪郭は出にくくなります。
もとの音を左右するのが、声帯の閉じ方と息の量のバランスです。
| 状態 | 聞こえ方の傾向 | 見直す方向 |
|---|---|---|
| 閉じが弱く、息が多く混ざる | やわらかいが輪郭がぼやけ、オケに埋もれやすい | 息の量を減らし、短い「ア」を軽くはっきり出して閉じる感覚を探す |
| 強く押しつけ、息を詰める | 硬く平たい音になり、高い音で詰まりやすい | 音量を落とし、ため息まじりの声から少しずつ芯を足していく |
| 閉じと息が釣り合っている | 大きな声でなくても輪郭が残る | この状態の録音を基準として保存しておく |
声帯が適度に閉じていると、少ない息で輪郭のある声になりやすいとされています。息で押すほど抜けるわけではないという点は、「もっと大きな声で」が解決になりにくい理由とも重なります。閉じる感覚そのものの練習は声帯閉鎖の感覚・鍛えるためのトレーニング、息が混ざりすぎる場合の対処は息もれ・かすれ声を減らすコツにまとめています。
高い音ほど抜けにくくなるときの考え方
中音域では抜けるのに、サビの高い音になると急にこもったり詰まったりする、という悩みもよく聞かれます。高音で声を張り上げると喉が締まりやすく、響きが減ってかえって抜けにくくなると説明されることが多いです。高い音ほど、低い音と同じ重さのまま押し上げるのではなく、声を軽く・細くする方向に切り替えたほうが通りやすいとされています。
- 高い音の手前で音量を一段落とし、響きが残るかを録音で確かめる
- 同じフレーズを1〜2キー下げて歌い、抜けが戻るなら、その高さに対して声が重すぎる可能性がある
- 張らないと届かない高さは、裏声寄りの声でも歌ってみて聞こえ方を比べる
また、声の明るさや太さといった声質には、声帯の長さ・厚みや骨格など生まれ持った条件も関わるとされています。誰かと同じ音色を目指すより、自分の声質のまま輪郭を出すことを目標にすると、練習の手応えをつかみやすくなります。高音で響きが薄くなる場合の整え方は高音がキンキン・薄いときの整え方、声量が落ちる場合は高音になると声量が落ちる原因が参考になります。
録音・カラオケでの抜けは、環境の要因も切り分ける
録音した自分の声を聴いて「抜けが悪い」と感じたとき、その原因が発声にあるとは限りません。機材や部屋の条件で、同じ声でも印象は変わります。発声の練習に入る前に、次の点を確認しておくと無駄な回り道を減らせます。
- マイクとの距離が近すぎないか:近づきすぎると低い成分が過剰になり、こもった印象になりやすいとされています
- 録音レベルが適切か:小さすぎる録音を後から持ち上げると、輪郭がぼやけて聞こえることがあります
- 部屋の反射が強すぎないか:硬い壁に囲まれた狭い空間では、声の輪郭が埋もれやすくなります
- カラオケの音量バランス:伴奏が大きい状態で歌うと、無意識に張ってしまい、かえって抜けが悪くなることがあります
録音レベルの合わせ方は歌ってみたの録音レベル(ゲイン)設定、カラオケボックスで録るときの条件はカラオケボックスで歌ってみたを録音する方法にまとめています。
「マイクに乗る声」と生の声は別物
生で聞くとよく通るのに、録音すると印象が変わるという経験は多くの人にあります。マイクを通した音は、耳で聞いている音とは成分の乗り方が違うためです。録音を前提にするなら、判断はすべて録音を聴いて行うほうが確実です。この違いについては「マイクに乗る声」の作り方で詳しく扱っています。
響かせる場所を場面で切り替える
抜けを良くしたいときに、ひとつの響かせ方だけを正解として練習すると、どの曲でも同じ音色になってしまいます。実際には、伴奏の厚さや曲調によって、合う響かせ方は変わります。ひとつの理想の声を目指すより、切り替えられる幅を持つほうが実用的です。使い分けの考え方は鼻腔・口腔・胸腔共鳴の使い分け方を参考にしてください。
なお、響きが鼻のほうに寄りすぎている場合の切り分けは鼻声になる原因と発声面の対処で扱っています。

























