ボイトレ指導をしていて、
いつも言っていることがあります。
それは歌はすぐに簡単に
上手くなるものではないということです。
昨日はカラオケで60点だった人が
今日は100点連発ということはありません。
歌というのは芸術のひとつであり、
茶道、弓道などの道のひとつだと思います。
歌を極めるには相応の覚悟と
日々の努力が必要だと思います。
ただ、そうとは言っても
遠回りをする必要がありません。
必要な道を最短で通ることができれば、
それ以上のことはないでしょう。
そこで、今回は
歌が最短で上手くなる方法をお伝えします。
古来から伝えられてきた考え方で、
とても役に立つものです。
守破離とは?
茶道や弓道などの道の世界で、
古来から語り継がれてきた考え方です。
人が何かを初めてから
極めるまでの流れを3段階に分けています。
この考えは道の世界で使われていましたが、
ほとんどのものごとに通用します。
歌が上手くなることについても、
この考え方は大きな気づきを与えてくれます。
STEP1:守
最初の守という段階では
教えを忠実に守り身につけます。
何も知らない初心者が
見よう見まねで真似をします。
できるだけ多くの話を聞いて、
師匠の全てを吸収しようとします。
言葉遣い、行動、価値観など
徹底的に身体に染み込ませます。
STEP2:破
次は身につけたセオリーに
あえて逆らってみる段階になります。
改善できるところはないだろうか?
他の方法はないだろうか?
今まで身につけてきたことを
吟味してアレンジをしていきます。
誰もが既存のセオリーを習うと、
自分ならこうすると思う点があるでしょう。
それでも真似しなければいけないと
心の葛藤は誰にでもあるもの。
その思いを元にアレンジを加えます。
また他の人の教えを勉強したり、
他のセオリーを勉強するのも良いです。
型というのは、
ほとんど無数にあります。
教える人によって、
かなり違うことも珍しくありません。
自分に合った型を探してみるというのも
破の段階では大切になります。
STEP3:離
破はひとつの流派から離れて
独自のものを作り上げるパートです。
個性、オリジナリティーとも言えます。
ここまで来ると、
歌の上手さにも磨きがかかっています。
唯一無二の地位を確立しているでしょう。