自分の言葉を何度も聞き返される。
そんなあなたは滑舌が悪いかもしれません。
歌手にとっては、歌詞が鮮明に伝わる
というメリットは大きいです。
歌とは別の観点から、滑舌が良くなること
でハキハキ感が生まれます。
また、滑舌を鍛えることによって、ラップ
や、テンポの早い曲でもきちんと歌えます。
今回は早口言葉で滑舌を良くする練習法
を紹介します。
あなたの滑舌が悪い理由
滑舌が悪い原因は主に3つあります。
1. 唇と舌がうまく動いていない
2. 口角がきちんと上がっていない
3. 母音を正しく発音できていない
これらのどれがあてはまるかは
以下の5つの早口言葉を言えるか
によってわかります。
・生麦生米生卵 x3回
・観るコ黒コップ x3回
・東京特許許可局 x3回
・よど殿もよど殿なら、
ねね殿もねね殿だ x3回
・お綾や綾にお謝り、
お綾や親にお謝りとお言い x3回
1と2がうまく言えない人は、
唇と舌の動きがうまくできていない。
3は口角が上がっていない。
4と5は母音をきちんと
発音できていません。
表情筋が硬い、弱い
いつも口が半開きだったり口角が
下がっている。
表情筋が弱く、口をあまり動かさず
に話している人は、正しい発声が
できず、滑舌が悪いようです。
一音一音確かめながら、しっかり
舌と口を動かすのが改善のカギです。
口が開きすぎ
はっきり話そうとするあまり、
口が開きすぎたり、力が入りすぎ
ているとかえって滑舌が悪くなるようです。
日本語は口をあまり開かなくても発音でき
るので、口を大きく開くことはあまり重要
ではありません。
口の開き方についてはコチラ
正しく母音が発音できていない
滑舌の悪さは子音の発音が原因だと思わ
れがちです。
しかし原因は母音の発音の悪さにあります。
殆どの音は「子音+母音」で出来ています。
このため、母音の発音が悪いと滑舌が悪く
なってしまいます。
子音を外して母音だけでゆっくり発声し
てみるのが改善のカギです。
あ行が言いづらい
あ行が苦手なあなたは軟口蓋(口の天井の
骨が無く軟らかい部分)が弱っています。
か行が言いづらい
か行が苦手なあなたは奥舌音(舌の後、
ノドの力)が弱っています。
た行が言いづらい
た行が苦手なあなたは舌尖音(舌の先の
力)が弱っています。
な行が言いづらい
な行が苦手なあなたは通鼻音が弱って
います。
は行が言いづらい
は行が苦手なあなたは口唇音(唇の
力)が弱っています。
滑舌についてはコチラ
滑舌を良くする練習方法
パ タ カ トレーニング
声をはっきり出すため、口を大きく
開けたり、きれいに発音するには舌
を動かして音の調整をしていきます。
「パ」「タ」「カ」の3つの音が唇
と舌の動きを鍛えてくれる発声練習
になります。
はっきり発声できるようになるま
で5回ずつ発声練習しましょう。
割り箸トレーニング
滑舌を良くするために口の動きを
改善しようとしがちです。
しかし実は舌の動きも重要なのです。
舌の動きを滑らかにすることで滑
舌がよくなります。
そこで割り箸を使って舌の動きを
良くしていきます。
割り箸を使うことで、自然と喉が
開く・顎の力が抜ける・舌の可動
範囲が広がるという効果があります。
割っていない割りばしを2本用意します。
口の両端に縦になるようにくわえ、奥歯で
割り箸の太いほうを軽く噛みます。
2本の割り箸がそれぞれ外側に向かって
ハの字になるようにします。
この状態で「ら・た・な・か・さ」を
1語1語しっかりと発音していきます。
舌先を歯の裏側に添えて発音するように
心がけます。
これを1日1分毎日継続することで滑舌
がだんだん良くなっていきます。
割り箸を横にして前歯で軽く噛み
早口言葉を練習すると、割り箸を使った
前と後では大きな差がでます。
舌のトレーニング
「滑舌」という字からわかる通り
舌が滑らかでなければなりません。
話すとき、舌を意識しているでしょうか。
舌は緊張すると硬くなってしまいます。
それで、舌の筋肉を鍛えるトレーニング
をしていきましょう。
口を閉じ舌を下唇と歯茎の間に差し込み
ます。
舌の先端に力を入れ、右端から左端に
ゆっくり移動します。
左端に行ったらそのまま力を入れて右
端に戻り、これを3往復行います。
上唇と上歯茎も同じく3往復行います。
舌筋トレーニングについてはコチラ
同じ発音トレーニング
カカカカカ
サササササ
タタタタタ
ナナナナナ
ハハハハハ
マママママ
ヤヤヤヤヤ
ラララララ
ワワワワワ
ガガガガガ
ザザザザザ
ダダダダダ
バババババ
パパパパパ
同じ音を連続して発声することで、苦手
な子音がわかります。
苦手な音を発声するための筋肉も
鍛えられます。
顎、唇、舌などの筋肉を意識して練習
しましょう。
「ア」の母音だけではなく
「イ」、「ウ」、「エ」、「オ」
も練習しましょう。
50音トレーニング
50音を読む練習もしてみましょう。
あえいうえおあお かけきくけこかこ
させしすせそさそ たてちつてとたと
なねにぬねのなの はへひふへほはほ
まめみむめもまも やえいゆえよやよ
られりるれろらろ わえいうえをわを
がげぎぐげごがご ざぜじずぜぞざぞ
だでぢづてどだど ばべびぶべぼばぼ
ぱぺぴぷぺぽぱぽ
これを繰り返すことで、まんべんなく
滑舌の筋肉を鍛えることができます。
アナウンサー流母音トレーニング
元フリーアナウンサーの能崎まゆみさん
流トレーニングがこちら
あいあうあえあお いあいういえいお
うあういうえうお えあえいえうえお
かいかうかえかお きあきうきえきお
くあくいくえくお けあけいけうけお
さいさうさえさお しあしうしえしお
すあすいすえすお せあせいせうせお
たいたうたえたお ちあちうちえちお
つあついつえつお てあていてうてお
ないなうなえなお にあにうにえにお
ねあねいねうねお ぬあぬいぬえぬお
はいはうはえはお ひあひうひえひお
ふあふいふえふお へあへいへうへお
まいまうまえまお みあみうみえみお
むあむいむえむお めあめいめうめお
やいやうやえやお ゆあゆいゆえゆお
よあよいようよえ ろあろいろうろえ
らいらうらえらお りありうりえりお
るあるいるえるお れあれいれうれお
わいわうわえわお こあこいこうこえ
そあそいそうそえ とあといとうとえ
これは母音を意識して滑舌を良くする
トレーニングです。
早口言葉トレーニング
早口言葉トレーニングのコツ
早口言葉は発音が難しい単語を並べて作られ
た言葉で読むことで滑舌が鍛えられます。
ただし注意点として、発音をごまかし
てしまうと全く意味がありません。
早口言葉を滑舌を鍛えるために使う
場合、ゆっくり読んでも効果があります。
はっきりと正確に発声していくように心
がけましょう。
同じ早口言葉を数回連続で
言ってみましょう。
練習用早口言葉 一覧
1.青い家をおいおい売る。
上へ青い葵をおいおい植える。
2.新進議員 委員に新任、
いちいち機敏に議事を審議。
3.歌たいが歌うたいにきて
歌うたえというが、
歌うたいがうたうだけ
歌うたえれば
歌うたうが、歌うたいだけ
歌うたえぬから歌うたわぬ。
4.菊栗菊栗三菊栗、
合わせて菊栗六菊栗。
5.新設診察室視察。
最新式写真撮影法。
6.鼓、小鼓、小鼓、鼓、
包み、小包、小包、包み
7.長町の七曲がり長い七曲がり
曲がってみれば曲がりやすい七曲がり。
8.この竹垣に竹立てかけたのは
竹立てかけたかったから
竹立てかけたのです。
9.抜きにくい釘、引き抜きにくい釘
釘抜きで抜く釘。
10.踊り踊るなら踊りの道理を習って
踊りの道理通りに踊りを踊れ。
この練習はだいたい5分くらいでやります。
慣れてきたら一つの文章を一息で読める
ように練習してみてください。