「喉声を直したい…。」
という相談をよく受けます。
喉声とは、喉に余計な力が入ることで
声が細くなってしまい、苦しそうに聴こえる声です。
高い音になると、喉声になってしまう方が
非常に多いようです。
か細く苦しそうな歌声なので
聴き心地はあまり良くないでしょう。
それだけでなく、無理に声を出している状態なので
声帯を痛めることもあります。
ここで、しっかりと
「喉を開く」感覚と掴んでいきましょう!
喉が閉まっているってどういうこと?
喉が閉じている状態とは、喉に余計な力が入ることで
口の空間が狭くなっている状態です。
口の空間が狭いため、か細い声になったり、
苦しそうな声になったりします。
また、響く空間がほとんどないため、
平べったいつまらない歌声になります。
また、喉に余計な力が入っているため
すぐに疲れたり、声が枯れることもあります。
そのまま、無理に歌っていると、
喉を痛める原因になることもあります。
喉が閉まった状態は
手で首を絞めた状態と似ています。
首が絞まった状態で
声を出すのはなかなか辛いです。
どうやって声を出しても
苦しそうな声になってしまいます。
手で首を締めたように
無意識に力が入っているのです。
その結果として、
首が絞まった時の声になってしまうのです。
喉が開いているってどういうこと?
喉が開いている状態とは、リラックスしていて
口の中にしっかりと空間がある状態です。
声が共鳴するので、ふくらみのある声になり、
芯のある強い歌声が出せるようになります。
また、スムーズに息を出せるため
とても歌いやすいです。
喉を開くことは、発声の中でも
本当に重要なポイントです。
歌の土台になる部分なので、
少しずつ身につけていきましょう!
専門的に「喉が開いている」とは、
軟口蓋を上げて、喉仏を下げることを言います。
軟口蓋とは、のどちんこがついている
上顎の奥にある柔らかい部分です。
軟口蓋を上げることで、口の中の空間が広がり
声の響きが良くなります。
また、喉仏を下げることも
同じように口の中の空間を広げやすくすると言われます。
少し難しくなってしまいましたが、簡単に言うと
口を上下に開くことです。
喉が開いているかチェックしよう!
喉が開いていることが大切なのはわかった。
とは言っても、喉が開いているかどうか
直接見ることはできません。
また、喉が開いているのか
歌いながら判断するのは難しいものです。
そこで、音声レコーダーやスマホを使って
自分の声を録音しましょう。
下に喉が開いている人・閉じている人の特徴を
書きますので、チェックしてください!
喉が閉じている人の特徴
- 声が平べったい感じがする
- 高い声になると苦しそうになる
- 音程は合っているはずなのに、上手く聞こえない
喉が開いている人の特徴
- 高くなっても、声に膨らみがある
- リラックスして声を出せている
- 歌声に芯がある
喉を開く感覚を掴もう
喉を開く感覚を掴むためには、
あくびをする感覚をイメージすると良いです。
口を大きく開けて息を吸おうとするあくびは
まさしく理想の口の形なんです。
あくびができなくても、
あくびをするマネはできるでしょう。
口、喉、気管が太い管になった感覚です。
喉を開く感覚がつかめてきたら、
そのまま「あー」と声を出してみましょう。
声にオペラ歌手のような柔らかい響きがあれば
喉が開いていると言えるでしょう。
「開けているつもり」になりやすい3つのパターン
あくびの感覚を試してみたのに声が変わらない、という声はよく聞きます。その多くは「開けていない」のではなく、開けようとした結果、別のところに力が入っている状態だと言われています。まずは自分がどのパターンに近いかを見当づけておくと、練習の方向を間違えにくくなります。
| パターン | 本人の感覚 | 起きていると考えられること | 最初に試すこと |
|---|---|---|---|
| 顎だけを大きく下げている | 口は開いているのに響かない | 顎関節まわりが緊張し、奥の空間はむしろ狭くなりやすい | 指1本分だけ開けて、奥を広げる意識に切り替える |
| 舌の根元を押し下げている | 低く太い声にはなるが動きにくい | 音がこもり、音程が下がって聞こえやすい | 舌先を下の前歯の裏に軽く触れさせたまま発声する |
| 縦にだけ開いて口角が下がる | 頑張っている感じはある | 暗い音色になり、高い音ほど重く感じられやすい | 軽く微笑む形を保ったまま奥を開ける |
「太い声」と「開いた声」は同じではありません
喉を開こうとすると、多くの人がまず低く太い声を作ろうとします。ところが太さを求めて舌の根元を押し下げると、音がこもって前に出てこなくなることがあります。目指したいのは、太さではなく通り道の広さです。同じ音量・同じ音程のまま音色だけが変わったなら、その方向は合っている可能性が高いと考えてよいでしょう。
力を抜く場所と、保つ場所を分ける
「脱力」という言葉だけを受け取ると、全身をゆるめようとして声が支えを失うことがあります。実際には、顎・舌・首まわりはゆるめておきたい一方で、姿勢と息の流れは保っておきたい部分です。この線引きが曖昧なままだと、開いた瞬間に声がぼやけてしまい「やっぱり閉めたほうが歌いやすい」と戻ってしまいがちです。
あくびの感覚を歌につなぐ4ステップ
あくびで感覚がつかめても、曲に入ったとたん元に戻る、というのはよくある流れです。間に段階を挟んで、少しずつ歌に近づけていくやり方が現実的とされています。1回10分ほどで一周できる組み立てを紹介します。
- 感覚づくり(2分)…あくびの途中で止め、その形のまま息だけを長く吐きます。声は出しません。喉の奥が広いまま息が通る状態を確認します。
- 単音に乗せる(3分)…同じ形のまま「ほー」と1音だけ伸ばします。母音は口の中を広く保ちやすい「お」から始め、慣れたら「あ」に移ります。「い」「え」は口が横に広がりやすいので後回しにします。
- 音を動かす(3分)…5音の上下(ドレミレド)を、ラクに出せる高さで往復させます。ここで音色が急に変わる高さがあれば、そこが今の課題の位置です。無理に上へ広げず、その手前を何度も往復します。
- 歌詞に置き換える(2分)…歌いたい曲のワンフレーズだけを、同じ形のまま歌います。フレーズ全体ではなく4小節程度に区切るのがポイントです。
4番まで通しても崩れる場合は、3番と4番の間に「歌詞を母音だけにして歌う」段階を足すと、つながりを確認しやすくなります。なお、喉まわりに痛みや違和感が出た日は、そこで練習を切り上げてください。回数を重ねること自体が目的ではありません。
開けているかどうかを確かめる
喉の中は直接見えないので、判断材料をいくつか用意しておくと迷いにくくなります。録音を聴き返すときは、次のような点に注目すると変化を拾いやすくなります。
- フレーズの語尾が細くなっていないか(開きが保てないと語尾から先に痩せやすいと言われます)
- 伸ばした音の途中で音色が変わっていないか
- 音量を上げたときに、太くなるのではなく硬くなっていないか
- 息継ぎの音が大きく鳴っていないか
録音はスマホでも十分に判断できます。ただし機種によっては声の低い成分が削られることがあるため、同じ端末・同じ距離で録り比べる、という条件をそろえるほうが比較しやすくなります。録音環境そのものを整えたい場合は歌ってみたの録音レベル(ゲイン)設定も参考になります。
自分の耳だけでは判断がつきにくい部分もあります
自分の声は骨を伝わって聞こえる分が加わるため、他人が聞いている音とは印象が違います。そのため「開いた感じがする」という主観と、実際の録音の印象がずれることは珍しくありません。友人に聴いてもらう、あるいは体験レッスンなどで第三者に聴いてもらうのも、ずれを埋める方法のひとつです。教室ごとの料金や体制の違いは歌い手向けボイトレ教室10校の比較記事にまとめてありますので、比べてみてください。
開いているかどうかを体で確かめる
録音を聴き返す方法に加えて、歌う前にその場で確かめられる手がかりもいくつか紹介されています。どれも道具がいらないので、練習の最初に一度ずつ通しておくと、その日の状態を把握しやすくなります。
| 確かめ方 | 手順 | 開いているときの目安 |
|---|---|---|
| 鼻をつまんで「あー」 | 鼻を指で軽くつまみ、同じ高さで「あー」と伸ばします | つまむ前と声の印象が大きく変わりません。指先に強い振動が伝わる場合は、息が鼻のほうへ抜けていると説明されています |
| 鏡で口の奥を見る | 明るい場所で鏡に向かって口を開け、奥にある口蓋垂を見ます | 息を吸う動きに合わせて、口蓋垂が上のほうへ引き上がります |
| 喉仏に指を添える | 喉仏に軽く指を触れたまま、鼻から息を吸います | 吸うのに合わせて、喉仏が下へ動くのがわかります |
3つが同じ結果になるとは限りません。結果がばらつくときは、その日に見る対象を1つに絞ったほうが進めやすくなります。喉仏の位置そのものについては喉仏の正しい位置を、息が鼻へ抜ける感じが強い場合は鼻腔共鳴のやり方もあわせてご覧ください。
開けすぎたときに出るサイン
「開く」を意識しすぎると、こもるのとは別の形で歌いにくくなることがあります。次のような変化が出ていたら、開きを足すのではなく戻す方向で加減すると落ち着きやすくなります。
- 歌詞が聞き取りにくくなる……さ行・た行・ら行など、舌の動きが関わる音からぼやけやすくなります
- 母音の区別が薄くなる……「い」や「え」まで「お」に近い響きになり、どの言葉も同じ音色に聞こえます
- 息が後半で足りなくなる……通り道を広げた分だけ流れる息の量が増えるため、フレーズの終わりまで持たなくなることがあります
- フレーズの入りが遅れる……形をつくってから声を出すので、音の頭が間に合わなくなります
言葉の聞き取りやすさを保ったまま響きを足したい場合は、タングトリルで滑舌を整える練習を先に挟むと、開きを戻す加減がつかみやすくなります。開いた形をつくることと、言葉を届けることは別の作業だと考えておくと、どちらかに寄りすぎたときに気づけます。
関連記事との役割分担
この記事は「開く感覚をつかんで保つ」ところを扱っています。すでに力みが癖になっていると感じる場合は苦しそうな「喉声」の判別法と直す方法を、高い音だけが途中で出なくなる場合は高音が続かない原因と対策を先に読むと、原因の切り分けがしやすくなります。口の中の形と響きの関係をもう少し詳しく知りたい方は口腔共鳴のやり方へどうぞ。























