「声量が小さくて、全然聴こえない…。」
「音程があまり合わない…。」
歌っていて、
そんな風に感じたことはありませんか?
寝起きや午前中だと、
なかなか声が出ないと思います。
そこで、今回は
ハミングという練習法をお伝えします。
ハミングをマスターすることで、
声の通りが良くなります。
ハミングとは?
ハミングとは、
口を閉じて鼻を通じて歌うことです。
わかりやすく言うと、鼻歌のことです。
気分が良い時に鼻歌を歌っている人もいますが、
ハミングはとても効果的な練習法です。
ハミングの効果とは?
音程が取れるようになる
ハミングは口を閉じているため、
歌うことができません。
歌詞をくちずさむことができず、
音程を合わせることしかできません。
逆に言うと、音程を合わせることだけに
集中することができます。
そのため、音程を取る練習として
かなり効果があります。
高い声が出しやすくなる
鼻歌を歌っていると、
地声よりも高い声になりませんか?
それもそのはずで、高い声を出すコツは
鼻を上手く使うことです。
ハミングをすることで、鼻を使う感覚がわかり、
高い声が出やすくなります。
声の通りが良くなる
声量が小さいと悩む人の多くは
声を響かせられていないことが原因です。
イメージとしては、
アコースティックギターとエレキギターの違い。
アコースティックギターは、空洞があるため
弾くだけで大きく響きます。
一方、エレキギターは空洞がないため
アンプに繋がないと、音は聞こえません。
つまり、声量が小さい、声が通らない人は
身体を上手く使えていないのです。
このハミングは声を響かせる練習になり、
声の通りがよくなります。
腹式呼吸が鍛えられる
ハミングは口を閉じているため、
口から息を吸うことができません。
そのため、鼻から息を吸うためには
腹式呼吸ができていることが前提になります。
ハミングをすると、
腹式呼吸を鍛えることもできます。
ハミングのやり方
基本的に、鼻歌を歌う感じだと
思って構わないです。
- まず、口を閉じます。
- 腹式呼吸を意識して、鼻から息を吸います。
- 鼻を通して、「んー」と声を出します。
ハミングのコツ
喉に力を入れない
正しいハミングをするためには、
リラックスが大切です。
緊張して体がこわばっていると、
高い声が出ず、声が響きにくいです。
上手くハミングができない場合は
ウォーミングアップして身体をほぐしましょう。
口の奥・鼻に振動を感じる
先ほども言ったように、ハミングは
声の響きを掴むことができます。
口の奥や鼻に振動を感じれば、
正しいハミングができているということになります。
息の量を確認する
ハミングの大切なポイントとして、
息が漏れていないことが挙げられます。
息がたくさん漏れていると、
無理やり声を出している可能性があります。
また、しっかりと身体で
声を響かせられていない可能性が高いです。
そこで、鼻の下に手を当てて、
息の量を確認しましょう。
息が少なければ少ないほど
良いハミングができているでしょう。
ハミングの効果的な練習法
STEP1
ハミングができるようになったら、
なるべく長くできるようにしましょう。
また、声を響かせることを意識して
息の量を減らしましょう。
次に、いろんな音程で
ハミングできるようにしましょう。
STEP2
自分が歌う曲に合わせて
ハミングで音程を取ってみましょう。
これが意外と難しくて、音程が取れるようになると
かなり上手く歌えるようになります。
また、良い歌声を出す練習にもなるので
ぜひ頑張ってください!
ハミングは1種類ではない——口の形で役割が変わる
「ハミング=口を閉じて『んー』」と覚えている方が多いのですが、実際には口の形や音の当てどころによっていくつかの型があり、練習として得られるものが変わってくると言われています。同じ「んー」でも、狙いを決めてから始めたほうが練習の中身がはっきりします。
| 型 | やり方の違い | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 口を閉じたハミング | 唇を軽く合わせ、歯は噛みしめない | 音程の確認、声を出しにくい時間帯の軽い準備 |
| 口を開けたハミング | 唇は開いたまま、舌の奥を上あごに触れさせて鼻へ通す | 口の中の空間を保つ感覚を残したいとき |
| 「んー」から「んな」へ | ハミングのまま、途中で言葉に切り替える | 響きの感覚を歌声側へ持っていきたいとき |
| 小さい音量でのハミング | ぎりぎり鳴り続ける最小の息で伸ばす | 息の量を減らす感覚をつかみたいとき |
最初から全部を使い分ける必要はありません。まずは口を閉じた型で安定させ、次に口を開けた型を足すという順番にすると、違いが分かりやすくなります。口を開けた型は、閉じた型でうまくいかない方の逃げ道としても使えます。
振動が感じられないときに見るところ
「鼻や口の奥に振動を感じましょう」と言われても、そもそも何も感じない、という段階で止まってしまうことがあります。感じ方には個人差があるので、感覚が薄いこと自体を問題視しなくて構いません。ただ、次のような原因が重なっていることもあるので、順に確認してみてください。
| 起きていること | よく挙げられる要因 | 試したいこと |
|---|---|---|
| まったく振動を感じない | 音が高すぎる、または低すぎる | 話し声に近い高さまで下げて、そこから少しずつ動かす |
| 音が途中で止まる | 息を吐きすぎている | 音量を落とし、鳴り続ける最小の息を探す |
| 喉のあたりが苦しくなる | 歯を噛みしめて、あごに力が入っている | 上下の歯を軽く離し、唇だけを合わせる |
| 音がこもって前に出ない | 舌の奥が上がって空間が狭い | 口を開けた型に切り替えて、同じ音を出してみる |
| 鼻がつまっている日に鳴らない | その日の体調による | 無理に続けず、口を開けた型か、別の練習に振り替える |
鼻へ抜けているかどうかは、軽く鼻をつまんでみると分かりやすくなります。つまんだ瞬間に音が止まるなら鼻へ通っている状態、音がそのまま続くなら口の中で止まっている可能性があります。鼻の響きそのものを掘り下げたい方は鼻腔共鳴のコツと感覚を、うまくいかない場合は鼻腔共鳴ができない場合のトレーニングを参照してください。
曲の練習道具としてハミングを使う
ハミングは発声練習として語られることが多いのですが、これから歌う曲を下調べする道具として使うと、そのまま本番の準備になります。歌詞を乗せずに音だけを追えるので、判断する要素が減り、問題の場所を見つけやすくなります。
- これから歌う曲を、頭からハミングだけで一度通す
- 詰まった場所・音が細くなった場所に印を付ける
- その部分だけを取り出して、高さを変えずに繰り返す
- 言葉を乗せて同じ場所を歌い、印の場所が残るか確認する
ここで大事なのが4番目です。ハミングでは出るのに歌詞を乗せると出ない場合、原因は音の高さではなく言葉の乗せ方にあると考えられます。逆にハミングの段階で届かないなら、キーそのものが合っていない可能性があります。キーの決め方は自分に合うキーの見つけ方で確認してみてください。音程が合っているかどうかの判断に迷う場合は正しい音程をとる方法もあわせて読んでおくと、聴くポイントが決めやすくなります。
音程が合っているかを、ハミングで判定する
ハミングが音程の練習に向くと言われるのは、判断する要素が少ないからです。歌詞も声の質感も考えずに、高さだけを追えます。ただ「音程を合わせる練習になる」で終わってしまうと、合っているかどうかを何で判断するのかが決まりません。判定の材料を持っておくと、練習が具体的になります。
いちばん分かりやすいのは、基準になる音を鳴らしながら、そこにハミングを重ねるやり方です。ピアノアプリでもチューナーの発音機能でも構いません。ずれているときは、2つの音が混ざったところで音が揺れるように聞こえます。ぴったり重なると、その揺れが消えて1つの音のように聞こえるようになります。この「揺れているか、揺れていないか」が、耳だけで使える判定の目安になります。
- 基準音を鳴らし、同じ高さでハミングを重ねる。揺れが消えるところを探す
- 揺れが消えたら、その状態を数秒保つ。保っている間に揺れ始めるなら、息が続いていないことが多い
- 次に、基準音を止めてから同じ高さを出し直す。ずれるなら、まだ耳で覚えられていない段階です
- 最後に、歌詞を乗せて同じ音を出す。ここでずれるなら、原因は音の高さではなく言葉の乗せ方にあります
外れる方向にも癖が出ます。高い側へ行きやすいのか、低い側へぶら下がりやすいのかを知っておくと、対処が決めやすくなります。下がる癖が気になる方は音程がフラット(下がる)癖の直し方を、そもそも音程の取り方から確認したい方は正しい音程をとる方法を読んでおくと、聴くポイントが決めやすくなります。
他の準備運動との並べ方と、注意したいこと
ハミングは単体でやるよりも、歌い出すまでの流れの中に置いたほうが使いどころがはっきりします。一般的には、体をほぐす動きや呼吸を整えるものを先に、声を張る練習を後に置く並べ方がよく紹介されます。ハミングはその中間、声を出し始める入り口に置かれることが多い項目です。
- 肩と首を軽く回し、息をゆっくり数回吐く
- 口を閉じたハミングを、低めの高さで平らに伸ばす
- 少しずつ高さを上下させて往復する
- 「んー」から「んな」「んま」へ、言葉に切り替える
- 実際に歌う曲の1フレーズへ
それぞれ1分程度でも流れとしては成立します。時間が取れない日は前半だけにして先へ進むほうが、何もしないよりは準備になります。全体の組み立ては歌う前のウォームアップ・発声準備 完全ルーティンにまとまっています。
注意したいのは、ハミングは音量を上げる練習ではないという点です。大きく鳴らそうとすると、鼻のあたりに力が入って詰まった感じになりやすくなります。物足りなく感じるくらいの音量で構いません。また、長く伸ばす練習を続けていて、立ちくらみのような感覚が出たらすぐに中止し、座って普通の呼吸に戻してください。喉に違和感がある日は、その日の練習を止めて休むほうが確実です。響きの仕組みそのものを整理したい方は共鳴腔とは?声が響く仕組みと3つの共鳴腔から読むと、ハミングで何を扱っているのかが見えやすくなります。
ハミングはどの高さでやると判断しやすいか
ハミングの手順を読んでも成果が出ないとき、抜けていることが多いのがどの高さで出すかを決めていないという点です。「んー」と声を出すところまでは分かっても、いきなり高い側で始めてしまうと、振動の位置を探す前に喉が力んでしまい、手がかりが何も残りません。
最初に使うのは、力まずに出せる真ん中あたりの高さです。話し声より少しだけ上のあたりが扱いやすく、そこで振動の感覚をつかんでから上下に広げていくほうが、変化に気づきやすくなります。鍵盤アプリがあるなら、次の範囲を1音ずつ動かしながら、いちばん長く楽に続けられる高さを探してください。
| 出発点にする高さ | おおよその目安 | そこで確かめること |
|---|---|---|
| 男性の場合 | ド(C3)からド(C4)のあたり | 唇や鼻のわきに震えが出るか |
| 女性の場合 | ソ(G3)からソ(G4)のあたり | 同じ高さを10秒保てるか |
| 共通の判断 | あごや首にこわばりが出ない高さ | 息が途中で切れずに続くか |
高い側でしか練習しないのは避けたいところです。高い音は力みが出やすく、うまくいっているのか力で押しているのかの区別がつきにくくなります。
1回の長さと、結果を当てにしない日の決め方
ハミングは長くやるほど効く種類の練習ではありません。1回2〜3分をめどにして、1回の長さより続ける回数を優先するほうが、感覚の変化を追いかけやすくなります。1日に何十分も続けても、疲れた状態での感覚が基準になってしまい、次の日と比べられなくなります。
もうひとつ決めておきたいのが、結果を当てにしない日をつくることです。鼻が通っていない日は、振動の伝わり方がふだんと変わります。その日に「響かない」と感じても、それは練習の出来不出来とは別の理由なので、判断材料から外してしまって構いません。
歌う直前に組み込む場合は、ハミング単体で考えるのではなく、準備運動全体のどこに置くかを決めておくと迷いません。流れの組み立ては歌う前のウォームアップ・発声準備 完全ルーティンに時間配分ごとまとめてあります。唇の脱力から入りたいときはリップロールの効果的なやり方とコツを先に通しておくと、ハミングに移ったときの力みが減ります。
自分の耳だけで良し悪しを決めない
ハミングは口を閉じたまま出すため、自分の頭の中を伝わって聞こえる音の割合が大きくなります。つまり本人に聞こえている音と、外に出ている音は同じではありません。「よく響いている感じがする」という手応えだけを頼りにすると、実際には音量を出しすぎていたり、こもったまま固定されていたりすることがあります。
そこで使えるのが録音です。スマートフォンを1メートルほど離して置き、同じ高さのハミングを10秒だけ録って聴き返します。聴くときに見るのは、音量の大小ではなく、音がはっきり前に出ているか、こもって手前で止まっているかの差です。判定の手順をもう少し細かく決めたい場合は、共鳴できているか確かめる方法|響いている声のセルフチェックで、振動・音色・録音の三つを使った順番を紹介しています。
あわせて、音量は自分にだけ聞こえる程度で十分です。大きく出そうとした時点で唇とあごに力が入り、確かめたいはずの振動が分かりにくくなります。小さい音で長く続けられるかどうかが、そのまま次に進めるかどうかの目安になります。























