インターネットで歌が上手くなる方法を調べると
必ずと言っていいほど腹式呼吸という単語が出てきます。
音楽の授業でも「お腹から声を出して」と言われるように
腹式呼吸は歌の基礎中の基礎で非常に重要なものです。
一方で、
- そもそも、自分が腹式呼吸をできているかわからない
- 腹式呼吸を意識しすぎて、逆に歌いにくく感じる
- 腹式呼吸が意外と難しくて、できない
など腹式呼吸のやり方がわからない方や
できているか不安な方ももいらっしゃるでしょう。
そこで、今回は腹式呼吸のやり方やコツを解説します。
腹式呼吸をマスターすると、気持ちよく歌えるだけでなく
歌唱力も一気に上がるので、ぜひ身につけましょう!
腹式呼吸とは?
腹式呼吸は、胸腔と腹腔の間にある横隔膜をはじめ、
肺の下部(お腹周り)を使う呼吸法です。
名前の通り、お腹あたりを使う呼吸で
息を吸うとお腹が膨らみ、息を吐くとお腹がへこみます。
難しそうに感じるかもしれませんが、横になって
寝ている時は自然と腹式呼吸をしています。
また、他の呼吸法として、肺の上部(胸周り)を使う
胸式呼吸というものもあります。
日常生活では、胸式呼吸をしている人が多いですが
呼吸が浅くなりやすいという特徴があります。
加えて、喉に力が入りやすいので
喉が締まった声になり、歌には向きません。
腹式呼吸は、呼吸をするとお腹が動きます。
一方、胸式呼吸は、呼吸をすると肩が動きます。
腹式呼吸のメリット
歌声が安定する
安定した声を出したり、声に強弱をつけるためには
息の量をコントロールする必要があります。
腹式呼吸は1回で600~700mlの酸素量を吸うことができますが、
胸式呼吸は450mlしか吸えないとも言われています。
一度に吸える息の量が多い腹式呼吸は
効率が良く、歌声が安定しやすい呼吸法と言えます。
歌声が安定することによって、
- 声の強弱をつけやすい
- ロングトーンが安定しやすい
- 音程やリズムなどに意識を向けやすくなる
などのメリットも挙げられます。
表現力が増す
腹式呼吸で出した声は、胸式呼吸で出した声よりも
重く響きやすく、声に深みが出ます。
歌以外にも、演説やプレゼンテーションでも
説得力が増すため、腹式呼吸が良いと言われます。
歌における感情表現は声の強弱や緩急、声色などを
コントロールして行います。
そのような繊細な声のコントロールをする上では、
声が安定していて響きやすい腹式呼吸が最適です。
逆に、腹式呼吸ができていないと、
- 息が安定せず、音程がブレやすくなる
- 息が続かず、息継ぎの回数が多くなる
- 喉が枯れやすくなる
など歌が上手く歌えない原因になります。
腹式呼吸のやり方
STEP1:腹式呼吸の感覚を掴む
腹式呼吸の感覚は横になると掴みやすいです。
リラックスして、仰向けに寝ましょう。
- おへそあたりに手のひらを置きます。
- 口から息をゆっくりと吐き切ります。
- 全ての息を吐いたら、鼻から息をゆっくりと吸います。
- 息を吸いきったら、2番に戻ります。
息を吸った時にお腹が膨らんで、
息を吐くとお腹がしぼむ感覚を掴みましょう。
STEP2:どんな姿勢でも腹式呼吸をできるようにする
寝た姿勢で腹式呼吸の感覚を掴んだら、
次は座った姿勢・立った姿勢でもできるようにしましょう。
STEP1で掴んだ感覚を意識して、
腹式呼吸をします。
最初はお腹に手を置いて、
鏡を見ながらやることをオススメします。
チェックするポイントとしては、
- 肩が上下していないか?
(胸式呼吸になってしまっていないか?) - 呼吸に合わせて、お腹が動いているか?
(しっかり腹式呼吸ができているか?)
の2点です。
腹式呼吸の効果的な練習法
STEP1:ロングブレス
腹式呼吸を使って、
歯の隙間から「スー」と息を吐きましょう。
この息をなるべく長く吐き続けます。
息を限界まで吐いたら、
その状態で5秒間キープします。
そして息を限界まで吸ったら、
その状態で3秒間キープします。
まずは3セット×3回を目安に
セット数や回数は調整してください。
酸欠になる可能性のある練習のため、
クラっとしたら無理をせず、止めましょう。
STEP2:ロングトーン(発声練習)
次は息を吐くのではなく、
STEP1と同じやり方で「あー」と声を出しましょう。
音程は気にせず、同じ息の強さで
最後まで吐き切ることをイメージしましょう。
こちらも3セット×3回を目安に
セット数や回数は調整してください。
酸欠になる可能性のある練習のため、
クラっとしたら無理をせず、止めましょう。
腹式呼吸の練習に最適な曲
腹式呼吸のやり方や感覚を掴んだら、
歌っている最中でもできるように練習しましょう!
最初は、スローテンポでロングトーンが多く、
音程も激しく上下しない曲がオススメです。
意識するポイントとしては、特にロングトーンなど
声を伸ばす部分で腹式呼吸を意識しましょう。
また、一息で歌うフレーズは
一息でしっかりと歌い切ることを意識しましょう。
腹式呼吸の練習をしようと思いすぎると、
必要以上に息を吸いすぎてしまう方がいます。
そうなると、ブレスポイントで息を吐ききれず、
息をしっかり吸えなくなり、呼吸が浅くなります。
腹式呼吸で息を多く吸えるのが偉いわけではないことを
頭に入れて練習しましょう!
奏|スキマスイッチ
桜/コブクロ
secret base ~君がくれたもの~/ZONE
Jupiter/平原綾香
最後に
いかがでしたでしょうか?
腹式呼吸は本当に歌の基礎中の基礎で、
歌うまへの第一歩なので、ぜひマスターしましょう!
また、歌う上での姿勢や脱力も基礎として大切なので、
興味のある方はあわせてご覧ください!