「歌ってみたを録りたいけど、DAW(録音ソフト)って結局どれを選べばいいの?」と検索すると、作曲向けの難しい比較記事ばかりが出てきて、余計に迷ってしまいますよね。しかも2026年現在、無料DAWの定番だった「Cakewalk by BandLab」は終了し、「Studio One」は名前ごと変わりました。数年前の情報のままだと、もう入手できないソフトを探し続けることになりかねません。
先に安心してほしいのは、歌ってみたに必要なのは「録音・ピッチ補正・MIX」の3つだけということです。作曲や打ち込みの機能は使わないので、音源の量やループ素材の多さでソフトを選ぶ必要はありません。
この記事では、2026年の最新の配布状況をふまえて、「無料で始めたい人」「Macの人」「本格的にMIXまでやりたい人」の3パターンに分けて、歌ってみた向けのDAW・録音ソフトの選び方を解説します。
結論早見表: あなたに必要なDAWはこの3パターンで決まる
まず結論からお見せします。迷ったらこの表のとおりに選べば大きく外しません。
| ソフト | 価格 | 向いている人 |
|---|---|---|
| Cakewalk Sonar(無料ティア) | 無料 | Windowsで無料で始めたい人の本命 |
| GarageBand | 無料(Mac/iPhone標準) | Macユーザーの本命。スマホ録音も可 |
| REAPER | 60日無料→$60 | 軽いソフトでMIXまで自分でやりたい人 |
| BandLab | 無料(ブラウザ/スマホ) | インストール不要で今夜1本録りたい人 |
| Cubase 15 | Elements ¥13,200〜 | 国内定番。MIX師との互換性重視の本格派 |
| Fender Studio Pro 8(旧Studio One) | ¥32,780(永続) | 直感的な操作で本格MIXしたい人 |
| Logic Pro | ¥30,000(買い切り) | Macで本格的にやると決めた人 |
ポイントは、録音してMIX師さんに依頼するだけなら無料DAWで十分ということ。お金をかけるのは「MIXも自分でやる」と決めてからで遅くありません。
歌ってみたのDAWは「録音・ピッチ補正・MIX」ができれば十分
DAW(Digital Audio Workstation)は音楽制作の総合ソフトですが、歌ってみたで実際に使う機能は次の3つだけです。
- 録音: オケ(伴奏音源)を流しながら自分の歌を重ねて録る。録り直しやすさ(頭出し・マルチテイク)が重要
- ピッチ補正: 音程のズレを直す。DAW内蔵機能または追加プラグインで行う
- MIX: EQ・コンプ・リバーブなどでオケと声をなじませる
オケは配布されている音源を使うので、作曲用の付属音源やループ素材の量は選定基準としてほぼ意味がありません。「作曲向けDAW比較」の記事を読んで悩んでいた人は、この3つだけ見れば大丈夫です。ピッチ補正をどこまでやるかの考え方はピッチ補正の考え方の記事で詳しく解説しています。
【注意】2026年、無料DAWの定番が大きく変わった
2026年時点で、古い紹介記事の情報はかなり崩れています。特に重要な変化が2つあります。
Cakewalk by BandLabは終了 → 後継「Cakewalk Sonar」が無料で使える
長年「無料DAWの定番」だったCakewalk by BandLabは、サポートとアクティベーションが停止され、現在は利用できなくなりました。後継のCakewalk Sonarに無料ティアが用意されており、こちらが実質的な後継です。WindowsだけでなくMacにも対応しました。
Studio Oneは「Fender Studio Pro」に改名(無料版Primeは配布終了)
2026年1月、FenderがPreSonus Studio Oneを「Fender Studio Pro 8」としてリブランドしました。中身はStudio Oneプラットフォームの後継です。また、無料版として有名だった「Studio One Prime」はすでに配布が終了しており、現在の無料枠は録音向けアプリFender Studio(別製品・無料)が担っています。
今でもStudio One Primeを「現役の無料DAW」として紹介している記事が多くありますが、もう入手できません。古い日付の記事を参考にするときはご注意ください。
無料で始める: 歌ってみた向け無料DAW・録音ソフト
Cakewalk Sonar — Windowsの無料本命
無料ティアでもトラック数無制限・VST3プラグイン対応で、録音からMIXまで無料で完結できます。有料のBandLab Membership限定機能(プラグインのオーバーサンプリングや高品質タイムストレッチなど)もありますが、歌ってみた用途では無料ティアで困る場面はほとんどないでしょう。
GarageBand — Mac・iPhoneの本命
MacとiPhone/iPadに標準搭載の無料ソフト。マルチテイク録音やタイミング補正(Flex Time)、簡易的なピッチ補正まで内蔵しています。Macの人はまずこれで録ってみて、不満が出てから他を検討すれば十分です。後述のLogic Proに設定を引き継げるのも利点です。
REAPER — 60日フル機能、気に入ったら$60
動作が軽く、録音・編集・MIXが全部入りのDAW。評価版は60日間機能制限なしで使え、継続する場合は個人向けライセンス$60を購入する仕組みです(2026年9月時点)。「無料で始めて、続けるなら少額で正規版」という歌い手のステップアップにちょうど良い価格設定です。使い方はREAPERの使い方解説記事で画像付きで説明しています。
BandLab — インストール不要、今夜1本録りたい人に
ブラウザとスマホアプリで動く無料DAW。インストール不要でクラウド保存、自動ピッチ補正もあります。本格的なMIXには向きませんが、「とにかく今日1本録って投稿したい」という最初の一歩には便利です。スマホだけで完結させたい人はスマホで歌ってみたを作る方法も参考にしてください。
Audacityじゃダメなの?
Audacityは波形編集やノイズ除去のツールとしては優秀ですが、オケと同期しながらの多重録音やトータルMIXのワークフローはDAW型のソフトに比べて弱く、歌ってみたのメインには勧めにくいです。上記のどれかと併用する「補助ツール」と考えるのがおすすめです。
本格的にやるなら: 有料DAWのおすすめ
Cubase 15 — 国内定番、MIX師との互換性で有利
国内シェアが大きく、MIX師さんとプロジェクトデータをやり取りする場面で有利になりやすいDAW。ピッチ補正機能VariAudioはArtist以上のグレードに搭載されています。価格はPro ¥69,300 / Artist ¥39,600 / Elements ¥13,200(税込・2026年9月時点、セールで大きく下がることもあります)。体験版もあります。
Fender Studio Pro 8 — 旧Studio One、直感的な操作でMIX向き
旧Studio Oneの流れをくむ現行版で、直感的な操作性はそのまま。ピッチ補正(Vocal Tune)やステム分離をネイティブ搭載しています。価格は¥32,780(通常価格・現行バージョンの永続ライセンス、1年間の新機能アップデート付き。2026年9月時点)。サブスク型のプランもありますが、歌ってみた用途なら永続ライセンスか無料のFender Studioで十分です。動作環境はWindows 10 22H2/11 22H2以降、macOS 13.5以降、メモリ8GB以上が目安です。
Logic Pro — Macで本格派なら有力候補
買い切り¥30,000(2026年9月時点)で、リアルタイムピッチ補正やステム分離まで揃うMac専用DAW。GarageBandからのステップアップ先として自然で、月額制のApple Creator Studioサブスクも選べます。
Ableton LiveやPro Toolsは?
Ableton Liveはライブ演奏・トラックメイク向き、Pro Toolsはスタジオ向けでサブスク中心のため、歌ってみたの録音とMIXが目的ならあえて選ぶ理由は薄いでしょう。
体験版・無料版のうちに確かめたい4つのこと
DAWは体験版や無料版で試してから決められるものがほとんどです。ただ、何となく触るだけだと違いが分かりにくいので、歌ってみたの初心者が見ておきたい点を4つにしぼりました。
| 確かめること | 歌ってみたで見るポイント | どこで確認するか |
|---|---|---|
| 付属エフェクト | EQ・コンプ・ディエッサー・リバーブが標準で入っているか | 製品ページの付属プラグイン・エフェクトの欄 |
| PCで動くか | 対応OSのバージョン、メモリ、ストレージの空き容量 | 公式サイトの動作環境(システム要件) |
| 録音の扱いやすさ | オケを流しながら録れるか、一部だけ録り直せるか、wavで書き出せるか | 体験版で実際に1曲録る |
| グレードと付属版 | 入門版から上位版へ移るときの条件、機材に付属する入門版の有無 | メーカー公式サイト、購入する機材の付属品の欄 |
「得意ジャンル」は歌ってみたでは気にしなくて大丈夫
DTM全般のDAW比較では、「EDMやヒップホップ向き」「ループ素材が豊富」といったジャンルとの相性がよく選ぶ基準に挙がります。これは曲を作る人向けの基準です。歌ってみたは配布されているオケを読み込んで声を重ねるだけなので、時間の流れに沿って波形を横に並べられる画面であれば足ります。
付属エフェクトは「数」より、ボーカルに使う4種類があるか
付属エフェクトの数が多いことを売りにするDAWもありますが、ボーカルMIXで主に使うのはEQ・コンプ・ディエッサー・リバーブです。この4つが標準で入っていれば、追加のプラグインを買わずにMIXの練習を始められます。挿す順番はボーカルMIXのエフェクトの順番で解説しています。
体験版の期間中に1曲録ってみる
- オケを読み込んで再生する
- ヘッドホンで聴きながら1コーラス録る
- 自分の声が遅れて聞こえないか確かめる
- うまくいかなかった所だけ録り直す
- 歌だけをwavで書き出す
ここまで迷わずにできれば、録音用としては十分です。声が遅れて聞こえる場合は録音で声が遅れる原因と対策を、Windowsの方はASIOドライバーの設定もあわせて確認してください。一部だけ録り直す操作はパンチイン録音のやり方で扱っています。
グレードと、機材に付属する入門版
有料DAWは入門版・中位版・上位版のようにグレードが分かれていることが多く、上位版へ移るためのアップグレード版を用意しているメーカーもあります。また、オーディオインターフェースなどの機材に入門版のDAWが付属している場合があります。これから機材をそろえる人は、DAWを買う前に機材の付属品の欄を見ておくと二重に買わずに済みます。付属の内容やアップグレードの条件は時期によって変わるため、購入前にメーカー公式サイトで確認してください。
用途別の最終結論と、DAWを決めたら次にやること
- 録音だけしてMIXは依頼する人: 無料でOK。Windows=Cakewalk Sonar、Mac=GarageBand
- MIXも自分でやりたい人: REAPER(60日試して$60)か、Cubase Elementsあたりから
- 本格的に続けると決めた人: Cubase Artist以上、Fender Studio Pro 8、MacならLogic Pro
DAWが決まったら、録音の前にマイクとオーディオインターフェースの接続を整えましょう。選び方はオーディオインターフェースの選び方で解説しています。録音できたら、MIXの手順は歌ってみたMIXのやり方・手順完全版へ。「毎週投稿するから時短したい」という人は、AIに任せられる工程をAI MIX入門の記事でチェックしてみてください。
歌ってみたの録音・MIXだけでなく、自分で曲も作りたい場合は選ぶ基準が変わってきます。作曲を前提にした製品ごとの特徴は作曲向けのおすすめ有料DAWまとめで扱っています。
よくある質問
ピッチ補正はどのDAWでもできる?
GarageBand・Logic・Fender Studio Proは内蔵、CubaseはArtist以上でVariAudioが使えます。SonarやREAPERは無料のピッチ補正プラグインを追加して対応するのが一般的です。
MIX師に依頼するなら、DAWはどれでもいい?
はい、録った歌声をwavファイルで書き出せればどのDAWでも問題ありません。まずは無料ソフトで録音環境を作るところから始めてみてください。
無料で始めるなら、まずAudacityから
無料のソフトで一通り試してみたい場合、録音から書き出しまでを一つで賄えるものがあると話が早くなります。フリーソフトAudacityで歌ってみた動画を作る方法では、ダウンロードからカラオケ音源の読み込み、録音までを順に追っています。
そのうえで有料に移るかどうかを考えるなら、有料DAWと無料DAWの違いのほうで、有料版のどこが違うのか、選ぶときのポイント、そしてどちらを使うべきかという判断を扱っています。
DAWを決めたあと、プラグインをどうするか
SonarやREAPERのように内蔵のピッチ補正がないDAWでは、プラグインを足して対応します。無料で何がそろうかは歌ってみたMIXで使える無料プラグインおすすめにまとめました。EQ・コンプ・ディエッサー・リバーブの4種類を入れれば、ボーカルMIXは一通り組めます。
有料のピッチ補正ソフトを検討する段階になったら、ピッチ補正ソフトの選び方と比較で、一音ずつ手で直すグラフィック型と、挿したままかけるリアルタイム型の違いから整理しています。























